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園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです

  • 2020年7月 生活のリズム(環境)

    2020年7月 生活のリズム(環境)

    5年前

    ◆よりよい幼児期を目指して -生活のリズム(環境)-

    まもなく一学期の保育も終業を迎えます。今年度は新型コロナウィルスの影響を受け保育も大きな変更を余儀なくされましたが、かけがえのない保育の日々を積み重ねて、子どもたちの輝く笑顔と元気な声に包まれる時とすることができました。これまで父母の皆さんと心と力を合わせて歩んで来られたことを嬉しく思い、また皆さんの保育に対する深い理解とご協力に心よりの感謝を申し上げます。

    今月のテーマは「生活のリズム」です。幼児にとって生活をどのようなリズム(環境)で過ごすかは、健康面においても、成長面においても大変重要なテーマであるばかりでなく、今過ごしている生活のスタイルが将来の「生活力」にも直接つながっていくことを考えると、幼児期の生活全般についてよく考え、実践していくことはとても意味があり、大切であると思います。

    基本的生活習慣という言葉がありますが、主に食事、睡眠、排泄、清潔、衣類の着脱、(時にはあいさつなども含む)を指し、これらは幼児期に身につけるべき習慣であり、同時にそれぞれにおいて自立することが幼児期の大きな目標とされています。逆に言えば、お子さんがこれらの習慣を身につけ、また自立できるように「親御さんが」目標をもって家庭環境を整え、援助していくことが求められているとも言えます。お子さんが良い習慣を身につけ、自ら自立に向かって意欲的に歩めるようにしたいものです。

    良い習慣を獲得するための基本は、「子どもの生活時間をしっかりと設定し、きちんと守ること」です。幼児の生活モデルは、7時起床(洗面、排泄)、8時朝食、(活動)、12時昼食、(活動)、15時おやつ・休憩、夕刻入浴、18時夕食、就寝準備、20時(21時)就寝とされています。特に食事と就寝、起床時間は「絶対枠として」毎日の時間を固定し習慣づけることが重要です。この絶対枠が崩れるとメリハリの利かない、だらしない生活となり、心身の健康にも悪影響となりますので、くれぐれも「大人の生活時間」に子どもをつきあわせるなどして良い習慣が崩れることのないように気をつけましょう。

    この基本の上に「いかに生活の自立を図っていくか」を考えていきますが、「自立=意欲」と言ってもいいほどお子さんの気持ちづくりが大切だと思います。幼稚園で受けてくる友達からの刺激や、クラス活動の体験などを上手に生かして自立へと導いていくのも一つの良い方法でしょう。また、特に料理や洗濯などの家での仕事を積極的にお手伝いしてもらうことは良い自立への導きとなりますし、お子さんの生活力も向上させていく取り組みであると思います。「何でもしてあげる」ことがむしろお子さんの成長を妨げることを知り、どうぞ親御さんの発想を改めて、「何だったら自分でできるかな」という視点でお子さんの生活を見直してあげましょう。そして、できたことを心から喜び、ほめてあげましょう。

    間もなく長い夏休みを迎えます。夏休みは親子関係を見つめ直す時でもあります。どうぞ日々の生活を充実させて、お子さんとの楽しい毎日をお過ごしください。



    ◆今月の聖句 「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」(ローマ12:15)

    喜ぶ人と一緒に喜ぶことができる人、泣いている人と一緒に泣くことができる人とは、その人の気持ちになって考えることのできる人です。言いかえれば、他の人と「心を合わせる」ことができる人ではないでしょうか。幼稚園の毎日の中でも心を合わせる時はたくさんあります。礼拝の中でもお祈りする時、賛美歌を歌う時、お話を聞く時など…。例えばお祈りであっても、「心を合わせて」お祈りをするということは、お祈りの言葉にしっかりと耳を傾けて「本当にそうだな、このお祈りを神様に聞き入れていただきたいな。」と思って祈ることですし、賛美歌を歌う時でも、前にある十字架をしっかりと見ながら、「神さまにきれいな声で賛美歌をお捧げしよう」と思って歌うことが大切だと思います。幼稚園の毎日でもお友達と心を合わせて、お友達の気持ちに気づいて、そのお友達の気持ちになって一緒に考えてあげられる一人ひとりになりましょう。(子どもの礼拝要旨)



    ◆夏の安全 戸外に出る時、特に以下の点に気をつけましょう。

    1. 直射日光、気温
    夏の日差しは身体に大きな負担をかけます。必ず帽子をかぶり、直射日光の下で長時間遊ばないように気をつけましょう。また、気温に対しても適切な判断が必要です。30℃を超えるような炎天下の中で遊ぶ時には、熱中症(日射病、熱射病)や、過度な日焼けへの対策をしっかり講じておきましょう。木陰を上手に活用して遊ぶ、涼しい場所で休憩をしっかりとることなども大切なポイントです。

    2. 水分補給
    子どもの体重は大人の1/3以下であることを常に考慮しましょう。身体の貯水量(タンク)が大人に比べて小さい反面、発汗量は大人と同じと考えれば、大人の何倍も給水をする必要があるというわけです。夏の季節は特に脱水症に注意が必要です。

    3. TPOに合わせた服装
    暑いからといって肌を露出したまま藪や森に行くのは危険です。草むらにはかぶれる草や毒虫、トゲなどが潜んでいます。夕方などにはヤブ蚊等も大量発生します。草むらに入る時には少なくとも長ズボン、靴下、靴という服装で、必ず虫除けもしていきましょう。また、万が一の時に備えてファーストエイドは用意しておきたいものです。その他、山登り、水遊び、キャンプなどそれぞれTPOに合った服装で出かけるようにしましょう。

    4. 水上安全
    夏の季節に一番気をつけたいのは水の事故です。ご家庭で海や川、プールに出かける時は絶対にお子さんから目を離さないように、また、水温、水深、流れなどはもちろん、入水時間も必ずチェックして遊ばせましょう。海や川ではライフジャケットの着用も必須です。また、休憩時には日陰で保温、水分補給を十分にさせましょう。

    5. マスクと熱中症
    感染症対策としてのマスクの着用は有効ですが、夏の戸外遊びにおいては熱中症のリスクを伴います。マスクをつけているとお子さんの顔色の変化にも気づきにくいため、外遊び時にはなるべくマスクは外した方が良いとされています。公園などが混んでいる時は、場所を変える、時間帯を変えるなどして、空いている環境でマスクを外して遊べるよう工夫するようにしましょう。

    6. その他
    ・規則正しい生活に心がける:就寝・起床・食事・帰宅時間など
    ・健康管理に気をつける:手洗い、うがい、寝冷え、クーラーも適度に
    ・健康に、安全に過ごせるアイディアを子どもと一緒に考え、家族で守る

    -家庭でできる手軽なあそび-
    ▶道具が必要ないもの:なぞなぞ・クイズ・ジャンケン・手遊び・歌・かくれんぼ・おにごっこなど…
    ▶道具を使って:サッカー・キャッチボール・フリスビー・縄跳び・自転車・花火・お絵かきなど…
    ▶工作して:魚釣りゲーム・お面・たたかいごっこ・ダンボールのお家作り・仮装・粘土など…

    ちょっとしたアイディアで楽しい活動ができるはず。お子さんと一緒に計画してみてはいかがでしょうか。


    園長 石川 勇
    • 2020年3月 ⑧幸福感

      2020年3月 ⑧幸福感

      6年前

      ◆愛の中で育つ -⑧幸福感-

      思いもよらず保育の修了が余儀なくされましたが、今年度もここまで神さまに守られ、父母の皆様と心を合わせて歩んでこられましたことに深心よりの感謝を申し上げます。

      毎日の保育を通して、子どもたちは一回りも二回りも大きく成長いたしました。仲間との生活は一人ひとりを勇気づけ、励まし、時にはケンカもありましたが、互いに許しあうことを教えてくれる機会でもありました。困っていたり、泣いていたりした時、差し伸べられたお友達の手に、何人の子どもが勇気をもらい、その優しさに支えられて涙を乗り越えたことでしょう。子どもたちにとって幼稚園の毎日は、まことに「かけがえのない」日々でした。卒業を迎える年長組の子どもたちには、この場所で得たたくさんの自信や優しさを胸に、新しい場所でも一人ひとりらしく輝き歩んでいけるように、また進級を迎える子どもたちには、新しい年度も幼稚園で「かけがえのない毎日」を友達と一緒に過ごしながら、さらに大きく成長していけるように心から祈り、また応援しています。

      お別れを前にすると、一層「一人ひとりの人生が幸せであってほしい」との願いが強くなります。幸福感は人によって違うのかもしれませんが、与えられた人生を「いきいきと生きること」こそ人間にとっての大きな幸せと言えるのではないでしょうか。マザーテレサの言葉に「人間にとって一番ひどい病気は、誰からも必要とされていないと感じることです。」というものがありますが、年間3万人もの人達が自ら命を絶つ日本、ユニセフの調査によると、なんと日本の子どもの3人に1人は「孤独」を感じているそうです。大人であっても孤独感に包まれながらいきいきと生きられる人などいません。ましてや子どもであればなおさらです。これは本当に深刻な問題であると思います。「誰かに必要とされている」と感じることで、はじめて人は自らを生かし、そしてまた幸せを感じることができるのではないでしょうか。

      最後に、星野 富弘さんの詩に「幸せという花があるとすれば その花のつぼみのようなものだろうか 辛いという字がある もう少しで幸せになれそうな気がする」というものがあります。「幸せ」と「辛さ」、一見対極にあるような言葉ですが、決して反対にあるわけではなさそうです。人を育てる業は簡単なものではありません。時には辛いと感じることもあるでしょう。しかし、その辛さと向き合い、ひとつずつ乗り越え、解決していこうとする歩みの先に、「幸せ」は待っているということなのでしょう。この先まだまだ続く長い子育ての道のりですが、その時々に「心をこめて」、愛と幸せがいっぱいの「楽しい子育て」をしてまいりましょう!


      ◆今月の聖句 「神の国はあなたがたの間にある」(ルカ17:21)

      イエスさまは聖書の中で、神さまの国はここにある、あそこにあるというように目に見えるものではなく、目には見えないけれど「自分とお友達の間にある」とおっしゃっています。不思議なことだけど、うれしいことですね。この1年、2年、3年間の幼稚園でお友達と一緒に大きくなりました。その間も自分とお友達の間には神さまがずっといらっしゃって、やさしく守ってくださったのですね。4月になると皆さんは一つずつ大きなクラスになるし、年長組の人たちは小学校一年生になります。皆さんにはもっとたくさんのお友達ができるし、もっと仲良しのお友達ができるでしょう。新しいクラスや学校でも、神さまが皆さんと新しいお友達との間にいらして下さいます。だから安心して、自信をもって大きくなっていけるのです。

      神さまが教えてくださった「平和」、これからも平和をつくりだす一人ひとりでいましょう。ゆずりあう心、支えあう心が平和をつくり出す大切な心ですから、お友達との間に「平和」がいつもあるように心がけて、自分も大切にして過ごしてまいりましょう。そして、これからも神さまに「ありがとうの気持ち」を持って、神さまに「喜んでいただける子ども」として大きくなっていきましょう。(子どもの礼拝要旨)


      園長 石川 勇
    • 2020年2月 ⑦IからWeへ

      2020年2月 ⑦IからWeへ

      6年前

      ◆愛の中で育つ -⑦IからWeへ-

       今年度の保育もいよいよ終盤を迎えました。近隣でもインフルエンザなどの流行性疾患が流行っていますが、この時期を特に注意して過ごし、ご家族の健康も含めて皆で健康を守ってまいりましょう。再来週には各クラスにおいて「成長を祝いあう会」が予定されています。この一年のお子さんの成長を皆で喜びあう機会としたいと思いますので、どうぞご一緒に楽しみましょう。

       さて、今月は「IからWeへ」というテーマで楽しい子育てを考えてみたいと思います。子育ての悩みベスト3というと、「子どもの将来についての不安」、「しつけに関する心配」、「親自身の子育てのストレス(叱る、イライラしてしまう)」だそうですが、皆さんはいかがでしょうか。一方で、現代の子育て事情で課題となることとして、「孤独の中の子育て」が指摘されています。核家族化の中で、あるいは地域性の崩壊の中で、家庭の中にも、地域の中にも、「相談したり、頼れたりする存在がない」ところで子育てをしなければならない人が多いということです。

       孤独感をいっぱいに抱いて子育てにあたるとすれば、「一つひとつを丁寧に」とか、「待つことが大切」とか、子育てを指南する言葉も、「そうできない現実」にかえって戸惑い、悩み、挫折感すら与える言葉となってしまうでしょう。また、将来に対して、しつけに関して、不安や心配が先に立つほど、叱る、干渉することも多くなってしまいます。理想は、「親も子ものびのびと笑顔いっぱいに過ごしたい」はずが、現実の子育て環境はそうではないというケースが決して少なくないのです。子育ての理想と現実、私たちはこの狭間で子育てにあたっていますが、何とかこの孤独感を払しょくし、子育てが楽しいと思えるようにしたいものです。

       私は幼稚園がその問題を解決する一つの糸口になれたらいいと思っています。幼稚園の毎日がお子さんを育てるのみでなく、お子さんを通してお母さんが、あるいはお父さんが、その輪を広げ、共に楽しい子育てに向けて「心と力を合わせられる」仲間へと育っていけるならば、こんなに心強いことはありません。「自分は孤独ではない、夢いっぱいの子どもの将来に向かって歩いて行こう」と思えるような子育てを皆でしていこうではありませんか。

       “IからWeへ”、“私の子どもから私たちの子どもへ”、これからも幼稚園を最大限に活用して、お仲間と積極的に出会い、関わり、共に楽しい子育てに向けた日々を過ごしてまいりましょう。



      ◆今月の聖句 「その賜物を生かして互いに仕えなさい」 (ペテロⅠ 4:10)

       神さまは私たち一人ひとりに「賜物」を与えて下さっています。世の中には、頭のいい人、力の強い人、歌声の美しい人、足の速い人、音楽を奏でることができる人、話の上手な人、やさしい人、ユニークな人・・・。いろんな良いところを持った人がいます。みんな一様ではなく、それぞれに違う良いところがあるのです。このように、その人ならではのキラキラ光る良いところを「賜物」といいます。

       聖書の言葉には「その賜物を生かして互いに仕えなさい」と書いてあります。互いに仕えるということは、その賜物をお互いのために用いていくということです。自分に与えられている賜物を自分のために使っても、それは神さまのお心ではありません。そうではなくて、自分の賜物を他の誰かのために用いるために神さは私たち一人ひとりに賜物を与えて下さっているのです。例えば、頭のいい人が自分のお金儲けのためにその頭脳を使ったとしても、あるいは力の強い人が威張るためにその力を使ったとしても、神さまはお喜びになりません。もちろん周りの人たちからも喜んでもらえないでしょう。

       ノーベル賞という賞があります。これは世界中で「人の役に立った」行いや発見、発明をした人に贈られる大変立派な賞です。世界の平和のために、あるいは人々の暮らしが便利になるように、地球を守るために・・・。たくさんの行いや研究がありますが、この賞を受ける人は、誰もが「人々のために自分の賜物を生かした」人たちです。このように、人のために自分の賜物を用いた時に周りの人たちから感謝され、神さまにも喜んでもらえるのだと思います。

       私たち一人ひとりにも神さまはちゃんと賜物を与えて下さっています。これからだんだん大きく成長し大人になっていく中で、自分に与えられている賜物は何かを見つけていきましょう。そして、その賜物を周りの人たちのために用いていける人になっていきましょう。 自分のいいところは、案外自分よりも周りの人の方が知っていたりもします。ずっと一緒にすごしてきた3学期、よくわかりあっている皆さんだからこそ見つけられる、お友達の「良いところ探し」をしていけたらいいですね。 (子どもの礼拝要旨)
                                             
      園長 石川 勇
    • 2019年12月 ⑥わけっこの精神

      2019年12月 ⑥わけっこの精神

      6年前

      ◆愛の中で育つ -⑥わけっこの精神-
       
       活動の2学期もいよいよ残すところあと少しとなりました。秋を楽しみ、実りに感謝し、一つひとつの経験を経て子どもたちは心身ともに大きく成長しています。個人の意欲と他者への思いやりを高められるような意味のある毎日をこれからも過ごしてまいりたいと思います。

       アドベントに入りクリスマスを待ち望む時を迎えました。幼稚園でもクリスマスツリーやリースが飾られ、教会にはクリスマスクランツが用意されました。お子さんが持ち帰ったアドベントカレンダーの窓も一つ開けられて、各ご家庭においても少しずつクリスマスの訪れを感じておられることでしょう。どうぞお子さんとご一緒に楽しみながらこの時をお過ごしください。ところで、クリスマスは私たちに「分かちあう」ことを教えてくれる時でもあります。クリスマスカードを送りあったり、またクリスマスのごちそうやケーキは、ホール(全体)を「分けあって」食べたりすることが多いのも「喜びを分かちあおうとする」思いの表れです。

       子どもたちの幼稚園生活を観察していると、おもちゃでも何でも、入園したての子どもは「独り占め」しようと友達と取りあい、「いざこざ」が生じることが多いのですが、次第に幼稚園生活に慣れてくると、同じおもちゃでも上手に(平和的に)友達と遊ぶことができるようになります。この成長の根源には「分かちあう」という大切な価値観との出合いと獲得があり、子どもをゆたかに成長させるのだと思います。「独り占め」は争いに、「わけっこ」は平和につながるキーワードであることを思わされる一つの例であります。

       私たち大人社会はどうでしょうか。国内外においても「独り占め」をしようとすることによる争いや衝突がなんと多いことでしょう。いくら「平和」を唱えても、独り占めしよう考えている限りそうはならないどころか、争いは激化していく一方でしょう。「わけっこ」の精神こそが「平和」に続く道であると強く思うのです。

       私たち大人が子どもたちに残すべきものは「平和な世界」であり、教えるべきものは「人を愛する心」であると思います。そのためには大人が率先して互いに愛しあい、支えあって、喜びや悲しみ、苦しみなどを「分かちあえる」環境を整え、子どもたちに伝え、見せていかなくてはなりません。ご家庭においても、幼稚園においても子どもたちに習い、今後とも「わけっこ」の精神を大切にし、何でも相談し聞きあえる仲間(家族)としてご一緒に過ごしていきたいと思います。

       
      ◆今月の聖句 「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。」(ヨハネ8:12)

       クリスマス礼拝の時に、教会ではしばしばキャンドルサービス(燭火礼拝)がもたれます。暗い礼拝堂に一つのロウソクの火が灯され、その火が会衆一人ひとりに分け与えられていき、やがてはロウソクの光が明るく礼拝堂を照らすのです。ロウソクの火は光と共に温かさを与えてくれます。おごそかながら温かみのある美しい情景で心地よく、私の大好きな時でもあります。この「はじめの光」こそが世を照らす光としてご降誕なさったイエスさまの「愛の光」です。イエスさまの愛に触れることで、私たちも生きる希望(光)や愛(温かさ)をいただくことができるのだということをこれらロウソクの火の分かちあいを通して感じることができます。

       イエスさまは愛と平和を私たちに教えて下さる方であり、人生をどう歩んでいけばいいのかを指し示してくださる方です。私たちは弱い存在で、すぐに自分善がりになったり、感謝を忘れてしまったり、人と比較することでしか自分の幸福度を測れなかったりしますが、祈りや聖書を通してイエスさまはいつも私たちに正しい道を教え、示し続けてくださいます。いうなれば人生の羅針盤ともいえるお方なのです。

       私はこの幼稚園で過ごす子どもたちに、神さまと出会い、祈りと出合ってほしいと心から願っています。日々与えられ、護られているからこその健康であり、幸せであることを忘れない大人になってもらいたいと思っています。自分を大切にし、人を思いやれる心を持った人に成長していってくれることを期待しています。そして、どの子どもも「イエスさまの愛の光」に照らされて幸せいっぱいの人生を歩めるよう心の底から祈っています。

       今年も、ご家庭の上に、また世界中の人々の上に、「平和で温かいクリスマスの喜び」が訪れますようお祈りしています。
       
      園長 石川 勇
    • 2019年11月 ⑤こどもと遊び

      2019年11月 ⑤こどもと遊び

      6年前

      ◆愛の中で育つ -⑤こどもと遊び-

       今回のテーマは「こどもとあそび」です。良いあそびは子どもの成長を促します。また、あそびの内容は成長に応じて変化します。ご家庭で、また幼稚園で、お子さんがどのように遊んでいるかを知り、理解していくことは子育てにあたるうえでも、お子さんの成長を考えるうえでも大切なポイントであると思いますので、この機会にぜひご一緒に考えてみましょう。

       幼児期前期(3歳頃まで)のあそびは、お父さんお母さんを相手に一人で遊具やおもちゃを使って遊ぶことが主です。一つのあそびへの集中時間は短く、次から次へとあそびが変わっていく様子も多くみられます。しかし、幼児期も後期(3歳から6歳)になるにつれ、次第に「友達あそび」ができるようになり、ついにはある一定の時間の中で友達と上手に遊びきることができるようになります。そして同時に友達や仲間との関係が深められていきます。これには当然幼稚園での生活が大きく影響していることは言うまでもありませんが、この時期に芽生えてくる「友だちへの興味や関心」も大きく関係しているのだろうと思います。友だちへの興味や関心が、一緒に遊ぶという経験を「積み重ねていく」ことで広げられ、高められていき、その結果として関係が深まるのだと思います。幼稚園での毎日はあそびの積み重ねでもあります。

       「お友達と仲良く」という言葉を大人はよく口にします。しかし、「友だちあそび」もろくにせずに友だちと仲良くすることなどできるでしょうか。友だちと仲良く遊べるようになるためには、ある種失敗の積み重ねが必要です。その失敗とは、遊びの中で「友達とぶつかる経験」です。しかし、友だちとぶつかるためには「対等の主張」ができなくてはなりません。ですから、まずは自己発揮と自己主張(自分のしたいあそびを見つけ、自分でやってみようと思うこと)を持つことが何よりも大切です。そうして自分の主張と相手の主張がぶつかる事ができるのです。主張がぶつかるとあそびが途切れますし、強いぶつかりあいの場合はケンカになることもあるかもしれません。しかし、それらの過程で子どもは多くのことを学びます。失敗を繰り返さないようにするにはどうするかを体験的に学習するのです。こうして少しずつ「他者理解」ができるようになっていきます。三歩歩いて二歩下がるという言葉のように、うまく遊べたり、失敗したりの日々が子どもたちの成長には必要不可欠なのです。

       この過程で大人が心がけたいことは「待つ」、そして「聴く」という関わりではないでしょうか。失敗しないように「指図する」ことよりも、あそびを見守り、お子さんの話によく耳を傾けて、本当はどうしたかったのか、お友達の気持ちはどうだったのか、明日はこうしてみようなど「支え、励ます」姿勢が必要だと思います。成長とともに変化するお子さんのあそび、その変化に合わせた親の関わりを考えてまいりましょう。


      ◆今月の聖句 「主に賛美の歌をうたい、聖なる御名を唱え、感謝をささげよ」(詩編30:5)

       1620年イギリスの清教徒団が、イギリス教会の宗教弾圧を逃れ"メイフラワー号"でアメリカのマサチューセッツ州プリマスに到着しました。上陸した年の冬は寒さがとても厳しく、さまざまな困難にも見舞われ、100人程いた清教徒は半数ほどになってしまいました。翌年、生き残った人たちは先住民であるネイティブ・アメリカン(先住民)に狩猟や農耕を教わり、春夏一生懸命働き、ようやく生き延びることができたのです。その秋の収穫時、清教徒達は教会に集い、会食を催して収穫を喜び、神様に感謝する会を催しました。この席には、恩人である先住民達も招かれました。インディアン達は、お礼に七面鳥や鹿の肉を持って集まり、清教徒と先住民たちは、3日間戸外のテーブルに食物を山と積んで、神様に感謝を捧げ、讃美歌を歌ったそうです。これがThanksgiving Dayの起源です。

       今年も収穫を感謝する時を迎えました。今年も野に山にもたらされた「実り」の恩恵を受けてこうして命が与えられていることに感謝し、喜びをもって毎日を過ごしていきたいものです。特に都市型のライフスタイルにあっては、収穫の喜びにあずかるチャンスも滅多にあるものではないと思いますので、努めて土に触れることや、自然と触れ合う機会をもつことが大切であるように思います。

      幼稚園でも来週、収穫を感謝し、その喜びにあずかる機会がもたれますが、おいも掘りや遠足といった、「実りや自然と直接触れ合う体験」が、この感謝につながる貴重な体験であると思います。どうぞご家庭でも様々な工夫のもと秋の実りを感謝し、楽しんでお過ごしください。

      園長 石川 勇
    • 2019年9月 ④活動の二学期

      2019年9月 ④活動の二学期

      6年前

      ◆愛の中で育つ -④活動の二学期-

      暑い夏が過ぎ、朝夕にはコオロギや鈴虫の声が聞こえる季節となってまいりました。幼稚園では子どもたちの元気な笑顔と声があふれています。
      この二学期は、「活動の二学期」と位置づけてすごしてまいります。季節も夏から秋、そして冬へと移りゆく中で、自然の恵みにもたくさん触れながら、心も身体もいっぱいに使って過ごしていきたいと思います。以下にトピックスをご紹介し、そのねらいなどをお伝えします。しかし、何よりも大切なのはこれらの体験を含む毎日の生活です。どうぞ父母会クラス会などで「子どもたちは、今この時をどのように楽しみ、過ごしているのか」をよく受け取っていただきたいと思います。父母会の時も、益々豊かな時となることを期待しております。


      ▷プレーデー(10/12)
       広い場所で思い切り身体を使って遊びましょう。走ったり、踊ったり、自分の身体を目一杯使って遊ぶことは楽しく気持ちの良いことです。今年のテーマである「空」を感じながらのプレーデー、ご家族の皆さまもどうぞ「楽しむ気持ち」をたくさん持ってご参加ください。

      ▷実りの秋、収穫の秋(秋の遠足など)
       秋の訪れはいろいろなところで感じることができますが、子どもたちにとって身近に感じられるのは、やはり実際に目で見、手に取る直接の経験でしょう。この秋もたくさん遠足に出かけ、秋の虫、どんぐりや木の実、紅葉や落葉、おいもほりなど、様々な場所で秋の訪れや実りに触れる経験をしたいと思います。

      ▷収穫感謝祭(11/21・22)
       Thanksgiving Day はアメリカの祝日にもなっている記念日でありますが、その年の収穫と与えられている糧に感謝を捧げる時でもあります。幼稚園でも各ご家庭から野菜や果物などを一品持ち寄り、子どもたちと神さまから与えられている恵みに感謝をお捧げし、翌日にそれらを材料としたカレーパーティーの時をもっています。秋の恵みにたくさん触れることによって、感謝の気持ちを多く育みたいと願っています。

      ▷クリスマス(12/17・18)
       イエス・キリストのご降誕を祝うクリスマス。子どもたちは日頃からお祈りやお話を通してイエスさまのお人柄に触れていますが、クリスマスはその大好きなイエスさまを私たちのもとに遣わしてくださった神さまに感謝を捧げる時です。幼稚園のクリスマス礼拝では、年長組による降誕劇でクリスマスの出来事を報せてもらい、続く祝会ではクラス毎にお祝いの気持ちをもって歌や劇などを披露します。愛と平和を教えて下さったイエスさまのご降誕を、私たちも愛と平和に満ちた心で、感謝をもって迎えたいと思います。



      ◆今月の聖句 「平和を実現する人々は幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイ5:9)

       平和とは、みんなが争うのではなくて、みんながやさしい気持ちをもって支え合い、お互いを大切にしあうことを言います。人と人とが争うと「言い争い」や「ケンカ」となりますし、国と国とが争うと「戦争」となってしまうことさえあります。神さまはこの世界をお創りになられた方であり、私たちも神さまに創られた一人ひとりです。神さまは私たちが自分勝手な考えでお互いに争い、傷つけあうことを望んでおられるでしょうか?きっとそうではなくて、私たちがお互いに助け合って、大切にしあう、「平和な世界」を作ることを望んでおられると思います。

       平和を実現するとは、平和を作り出すということです。私たち一人ひとりが「平和を作り出す」気持ちを持って毎日の生活を過ごすことが大切なのです。そのためには「相手の気持ち」に気づいたり、その人の立場になって考えたりすることが大事ですし、みんなで心や力を合わせることも大切です。

       これからも、お家では家族に対して、幼稚園でもお友だちや先生に対して、「みんなが平和でいられるように」考えてすごせる皆さんでいましょう。そして、神様に喜んでいただける行いができる子どもとして大きくなっていきましょう。(子どもの礼拝メッセージ要旨)

       園長 石川 勇
    • 2019年7月 ③こどもとあそび

      2019年7月 ③こどもとあそび

      6年前

      ◆愛の中で育つ -③こどもとあそび-

       入園説明会の時などに「こどもにとって“あそび”はすべて」とよくお話します。なぜならこどもの成長にとってあそびは大変重要な要素だからです。こどものあそびをよく観ると、「繰り返し」が多いことに気付きます。泥ダンゴでも砂あそびでも、粘土でも「何回も繰り返す」ことでイメージを具体化したり、力加減を学んだり、コツをつかんだりしているのでしょう。取り組んでいる表情はまさに真剣そのもの、集中して「何とか自分のものにしよう」と一生懸命です。さらに、ひとつできるたびに「みてみて」と笑顔いっぱいに見せに来ます。この一連の過程には、物事に集中して取り組むことや、工夫すること、想像すること、最後までやり遂げようとすることなど、成長に必要な要素がたくさん詰まっています。「みてみて」と見せに来るのは、そのがんばりに対する「評価」を求めているからであり、大人の「おもしろいね」、「(泥の)ケーキいただきます」というリアクション(評価)が「次のモチベーション」となって繰り返しにつながっていきます。さらに、あそびは平行あそび(おなじ空間で遊んではいるが個々に遊んでいること)や模倣あそび(友達を真似て遊ぶこと)を経て友達あそびへと発展していきます。友達あそびでは、友達と遊びながら主張のぶつかり合い、折り合いのつけ方、協力などを体験し、自己主張や他者理解を同時に促し深めていきます。まさに「人と関わる術(コミュニケーション)」を学ぶのです。

       遊ばない(遊ばせない)こどもはこの重要な時期を逃してしまいます。残念な事にこの時期はあとからでは補えません。中学、高校になってから後悔し、もう一度幼児期へといっても後戻りできないのです。「うちの子は遊んでばかりいて…」という言葉をよくお母さん方から耳にしますが、幼児の仕事は「あそび」ですから、熱心に遊ぶことは健全である証であり祝福すべきことだと思います。逆に、一見聞き分けのある(あそびにこだわりがない、親の言うとおりに動く)こどもの方が心配になります。実はあそびを楽しめていない、あるいはあそびよりも親の顔色を気にしているなど、何かしらの「主体的に遊べない」理由があるのだと推測できるからです。主体的に遊べないこどもは主体的に生きていくことに課題をもつケースが少なくありません。何がしたいのか自分のことを自分で決められない、責任を周りのせいにするなどの問題の多くは主体性の問題です。私見ですが、幼児の仕事が「あそび」であるのに、主体的に遊べないということは、仕事が「勉強」にシフトしたときにも主体的に勉強できない、さらに、仕事が本当に「仕事」になったときにも主体的に仕事できないということに繋がっているようにも思います。だからこそ、今夢中に遊べることは本当に素晴らしい事だと思いますし、これからも「真剣に遊びたい」と思うのです。

       最後に、あそびの種類について触れたいと思います。こどもが楽しむ事が必ずしも全部「成長に必要なあそび」という訳ではありません。特に情報や物が溢れかえっている現代社会ではあそびをチョイスしていくことが親御さんには求められるでしょう。買ったおもちゃで遊ぶだけでなく、幼児期のこどもには世界観が広がるような「なるべく多くの素材やテーマ」を与えたいものです。専門性よりも体験性重視で広範囲な経験ができるように、また高価な物を与えるよりも家庭にあるありふれた素材を上手に使い、自由にお子さんが使えるようにする方が良いでしょう。こどもに必要な遊びは形も調整も「自由の利く」ものであり、正確さよりも「独創性」を期待すべきだと思います。戸外遊びでも、時には遊具のないところで草花を使って、土を使って、あるいは木に登って遊ぶ経験をさせてあげたいものです。既製品や遊具はたしかに手っ取り早く安全ですが、遊び方まで規制されてしまいます。「あそびの本来の楽しさ」とは独自性、自由さにあるのではないでしょうか。

      この夏休み、ご家庭でも「遊ぶ環境」を再検討し過ごしてみてはいかがでしょうか。それぞれに良い夏休みをお過ごしください。


      ◆今月の聖句 「種は良い土地に落ち、実を結んで百倍、六十倍、三十倍にもなった」(マタイ13:8)

       今月の聖句は、「種を蒔く人」のたとえという、イエスさまの語られた大変有名なお話です。

       しっかりとお話を聞くことのできる子どもは、良い土地に落ちた種のように「心の大事な場所」にそのお話を落として、いつまでも忘れることなく、また百倍にも六十倍にも実を結ぶことができます。同じお話であっても、どのような心で聞くかによって伝わり方が違ってきます。大切なお話がしっかりと心に入るように、心を整え、また耕していくことが大切であることを子どもたちは学んでいます。

       普段の生活の中でも、日々の糧が与えられていることや、平和に過ごせること、家族が健康でいることを当たり前としないで「感謝」する心を大切にいたしましょう。与えられている恵みに気づいて、家族の間でもありがとうを交し合えるご家庭であっていただきたいと思います。良い家庭を作って、神さまから与えられている恵みがよい土地に落ち、何倍にも実を結ぶことができるようお祈りしています。


      ◆夏休みを前に(夏の安全と家庭でできる手軽な遊び)

      -夏の安全-

      戸外に出る時、特に以下の点に気をつけましょう

      1. 直射日光、気温
      夏の日差しは身体に大きな負担をかけます。必ず帽子をかぶり、直射日光の下で長時間遊ばないように気をつけましょう。また、気温に対しても適切な判断が必要です。30℃を超えるような炎天下の中で遊ぶ時には、熱中症(日射病、熱射病)や、過度な日焼けへの対策をしっかり講じておきましょう。木陰を上手に活用して遊ぶ、涼しい場所で休憩をしっかりとることなども大切なポイントです。
      2. 水分補給
      子どもの体重は大人の1/3以下であることを常に考慮しましょう。身体の貯水量(タンク)が大人に比べて小さい反面、発汗量は大人と同じと考えれば、大人の何倍も給水をする必要があるというわけです。夏の季節は特に脱水症に注意が必要です。
      3. TPOに合わせた服装
      暑いからといって肌を露出したまま藪や森に行くのは危険です。草むらにはかぶれる草や毒虫、トゲなどが潜んでいます。夕方などにはヤブ蚊等も大量発生します。草むらに入る時には少なくとも長ズボン、靴下、靴という服装で、必ず虫除けもしていきましょう。また、万が一の時に備えてファーストエイドは用意しておきたいものです。
      その他、山登り、水遊び、キャンプなどそれぞれTPOに合った服装で出かけるようにしましょう。
      4. 水上安全
      夏の季節に一番気をつけたいのは水の事故です。ご家庭で海や川、プールに出かける機会も多いと思いますが、絶対にお子さんから目を離さないように、また、水温、水深、流れなどはもちろん、入水時間も必ずチェックして遊ばせましょう。また、休憩時には日陰で保温、水分補給を十分にさせましょう。
      5. その他
      ・ 規則正しい生活に心がける:就寝・起床・食事・帰宅時間など
      ・ 健康管理に気をつける:手洗い、うがい、寝冷え、クーラーも適度に
      ・ 健康に、安全に過ごせるアイディアを子どもと一緒に考え、家族で守る


      -家庭でできる手軽なあそび-

       道具が必要ないもの
         なぞなぞ・クイズ・ジャンケン・手遊び・歌・かくれんぼ・おにごっこなど…
        道具を使って
         サッカー・キャッチボール・フリスビー・縄跳び・自転車・花火・お絵かきなど…
        工作して
         魚釣りゲーム・お面・たたかいごっこ・ダンボールのお家作り・仮装・粘土など…
        おでかけして
         公園・動物園・水族館・博物館・プール・映画・虫取り・木登り・山登りなど…
        スペシャル企画
         旅行・帰省・キャンプ・バーベキュー・天体観測・お友達のお家にお泊りなど…

       ちょっとしたアイディアで楽しい活動ができるはず。お子さんと一緒に計画してみてはいかがでしょうか。






      園長 石川 勇
    • 2019年5月 ②バングラデシュと共に

      2019年5月 ②バングラデシュと共に

      6年前

      ◆愛の中で育つ -②バングラデシュと共に-

      5月も半ばを迎え、春から夏へ向かって自然の息吹も力強さをましている中、幼稚園でも日々の生活を通して子ども達の輝きがさらに増してまいりました。さて、幼稚園ではこの時期に子どもたちと「バングラデシュ」を覚える時をもっています。今年は残念ながら叶いませんでしたが、例年バングラデシュからアルバート・マラカール氏(現地NGO法人、BDP総主事)を幼稚園にお招きして、園児や父母とゆたかな交流の時をもっています。氏との出会いを通して、子どもたちは世界が広げられ、遠いバングラデシュの友だちに出会います。言葉も、文化も、肌の色も違う国で暮らす友達と、「心をつなげる」ことができるのです。さらに、氏との出会いは私たち大人の世界も広げてくれます。日本とは比較にならないほどの貧困と困難を抱えている国に暮らす人々や子どもたちの実状に触れて、私たちがどう生きるかを考える機会を与えてくれます。

      ご存知のように、バングラデシュは世界の中でも「最貧国」に位置づけられ、経済的に大きな困難を抱えている国の一つです。日本人の平均年収は400万円くらいだそうですが、バングラデシュ人の平均年収は3万円とも4万円とも言われています。単純に計算すると、一日に100円程度しか使えないことになります。一日当たり使えるお金が1ドル以下の人たちを「絶対的貧困層」というそうですが、バングラデシュでは国民のほとんどがその層に入ってしまう計算です。しかし、稼ぎがある(仕事がある)人はまだいい方で、日々の糧もろくに与えられない人たちも大勢いるのです。

      貧困は、「貧困である →子どもを学校に通わすだけの余裕がない →教育が受けられない(=読み書き、計算ができない)→成人してからもろくな仕事に就けない →貧困から脱却できない」というように、負の連鎖を生み出してしまいます。BDPは30年近くに亘ってACEF(アジアキリスト教教育基金)の支援の下に「教育こそがバングラデシュの発展に不可欠である」と、学校に通えない子ども達のために無償で学校を開き、教育の機会を与えています。現在ではBDPの学校に通う子どもは7,000人を数え、大きな教育の運動に発展しています。当園のエイセフボランティア会の働きも、BDPのこの運動を支援するためのお母様方によるお働きであります。

       私も以前訪バし、BDPの学校に見学に行く機会がありましたが、どの子どもも学校に行ける喜びでいっぱいに目を輝かせながら勉強している姿に感心させられたのを覚えています。「僕は将来お医者さんになりたいんだ」とか、「私は学校の先生になりたいの」など、とびきりの笑顔で夢を語る子どもたちの姿に「本当にそうなれたらいいね」と心から応援したい気持ちになりました。しかし学校に通えても、卒業まで通学できる子どもはほんの一握り程度です。それは、家庭の経済状態のために子どもも働かなければならないからです。学習を積み上げる重要性、それによって広がる将来の可能性などを親が知らない(親自身が教育を受けたことがない)ため、あるいは日々の暮らしがそれ以上にひっ迫しているため、子どもを学校に通わせきれないというのが実情なのです。

       私たちは日本という恵まれた国で生活し、子どもが教育を受けることは今や当たり前となっていますが、そうではない現実を知ることで、「自分たちがどれだけ恵まれた環境を与えられているか」ということに気づくことができます。教育を受けることは「人生を選択するチャンスを広げる」ことです。そのチャンスが与えられている私たちの子どもには、ぜひ大きな夢や志を持って「期待に満ちた人生」を歩んでいってもらいたいと心から願います。そして、そのチャンスが与えられていない子ども達がいることも忘れずに、またそのチャンスが少しでも広がるように願い、これからもできる範囲で応援していきたいと思います。


      ◆今月の聖句 「あなたがたは神さまに愛されている子どもです」(エフェソ5:1)

       みなさんはお家ではお父さんやお母さん、家族から愛され、幼稚園では先生やお友だちから愛されて毎日を過ごしています。愛するとは「大切にする」ことです。みなさんは周りの人たちから大切にされています。大切にされると嬉しいし、安心しますね。神さまは私たちみんなのお父さまです。目には見えないけれど、いつも私たちを愛し、守って下さるお方です。皆さんの歌う賛美歌や、お祈りを聞いて下さいますし、一人ひとりの心に寄りそって下さいます。神さまは私たちを大切にして下さいます。そして、神さまはこの世のすべてのものをお創りになられた方です。動物や虫たち、草花や木々などにも神さまが与えて下さった「いのち」が宿っていて、私たちと同じように大切にされています。 

      神さまに愛されていることを知って、私たちも安心して毎日を過ごしましょう。そして愛して下さり、守って下さる神さまにありがとうの気持ちを忘れずにいましょう。さらに、神さまが与えて下さった自然を大切にして、いのちを大切にして、お友達同士大切にしあって大きくなってまいりましょう。(子どもの礼拝要旨)

      園長 石川 勇
    • 2019年4月 ①出会いの一学期

      2019年4月 ①出会いの一学期

      7年前

      ◆愛の中で育つ -①出会いの一学期-

       お子さんのご入園、ご進級おめでとうございます。いよいよ2019年度の保育が始まりました。この一年もどうぞよろしくお願いいたします。

       さて、4月は新しく入園した子どもたちはもちろん、進級した子どもたちにとっても新しい一年への「スタートの時」です。新しい生活や経験は私たちの気持ちを新たにし、意欲をかき立ててくれる時でもありますが、同時に戸惑いや不安を感じさせる時でもあります。入園や進級を迎え、子どもたちの心中にもきっと「期待と不安」が入り混じったような複雑な感覚があるに違いありません。特にゼロからのスタートを迎えた新入園の子ども達にとっては、見るもの聞くものすべてが初めての経験であり、戸惑うのも不安になるのも当然、自然なことであると思います。

       幼稚園ではこの学期を「出会いの一学期」と位置付け、新しい人や場、生活との出会い(出合い)が丁寧であるよう、また豊かであるよう心がけていきたいと考えています。特にこのスタートの時には、戸惑いや不安の中にある子どもたちが安心して生活できるように一日一日丁寧に関わりながら生活を積み重ね、教師との信頼関係を深められるように特に配慮し、励ましながら過ごすように努めてまいります。安心して幼稚園生活を過ごせるようになる過程には個人差がありますから、ご家庭においても担任の先生とよくコミュニケーションをとって、お子さんのペースで一つひとつを乗り越えていけるようにあせらず、急がず、気持ちに余裕をもって見守っていくように努めていただきたいと思います。また、新しい環境に順応していく時は想像以上に心や神経を使い疲労します。お子さんがお家でボーっとしたり、だらだらしたり、機嫌が悪くなったりすることもあるかもしれませんが、幼稚園での頑張りをよく理解してあげ、ご家庭では努めてリラックスできるように環境を整えたり、関わりを考えたりすることもこの時期のお子さんに必要な配慮となるでしょう。

       この時期は子どもたちにとってだけではなく父母の皆さんにとっても出会いの時、スタートの時です。お子さんと同じように戸惑い、不安を感じている方も決して少なくないと思います。毎日の送り迎えの中で、また父母会などの機会で、あいさつや言葉を交わしあいながら子どもたち同様「無理せず等身大でゆっくりと」幼稚園や周りの方々と出会ってまいりましょう。経験の長い方も、どうぞ新しい年度にあたって新しい気持ちで出会い直し、更に交流を深めたり広げたりできる一年を過ごしていってください。皆さんにとってこの一年も有意義で幸せな年となりますことをお祈りしております。



      ◆今月の聖句 「新しいぶどう酒は新しい革袋に」(ルカ5:37-38)

       子どもたちの礼拝では、毎月聖書から与えられた「み言葉」を皆で覚え、考えあう時を持っています。
      今月は「新しいぶどう酒は新しい革袋に」というみ言葉が与えられています。

      (聖句)「また、だれも新しいぶどう酒を古い皮袋に入れたりはしない。そんなことをすれば、新しいぶどう酒は皮袋を破って流れ出し、皮袋もだめになる。新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れねばならない。」(ルカ5:37-38)

       イエスさまの過ごされていた2000年前の時代は、ぶどう酒を羊や山羊の革袋に入れて発酵させていたそうです。皮は古くなると硬くなり柔軟性がなくなるので、新しいぶどう酒を入れると、発酵により生じるガスで革袋が破れてしまうことから、新しいぶどう酒を作る時は必ず柔軟性に富んだ新しい革袋に入れることが常識でした。このイエスさまのたとえ話は、アメリカのオバマ前大統領もスピーチの中で引用し、「新しい時代は古い固定概念の中では築けない。新しい時代は新しい価値観の中で作るのだ」と語りました。

       私たちは情報化社会の中で、日々溢れるほどの情報に浸かって生きています。しかし、その情報を何でもかんでも同じ袋に入れていたら、他のガラクタとゴチャゴチャに混ざり合い、何が大切であるか分からなくなってしまいます。人生を豊かにしていくために、あるいは幸せに生きるために大切な言葉や考えは、やはり新しい袋に分けて他のものとは区別していくことが必要でしょう。

       是非心の中に新しい革袋を用意し、大切なことを一つひとつしまってまいりましょう。

      園長 石川 勇
    • 2019年3月 ⑪コミュニティー

      2019年3月 ⑪コミュニティー

      7年前

      ◆輝く子どもと共に -⑪コミュニティー-

       いよいよ一年の保育の歩みが終わろうとしています。この一年間、皆様の温かい励ましとお支えの中で「ゆたかな保育」を展開する事ができました。こどもたちのために、父母会をはじめ、様々なボランティア活動にも積極的に関わってくださり、心から感謝申し上げます。

       さて、今年度の最後となる3月は「コミュニティー」について考えてみましょう。
      以前、ケニヤから野生動物の保護活動をしている方をお招きして講演会がもたれ、ケニヤのゾウについてお話を伺う機会がありました。ゾウは社会性が高い動物で、その生涯を自分の所属する群れで過ごすこと、群れには年長者(70歳くらい)から生まれたてのあかちゃんまでおり、その群れは20頭近い規模であること、子ゾウは群れ全体で育て、生きていく知恵やルールなどが時間をかけて教え伝えられていくこと、など大変興味深いお話を聞くことができました。その話の中で、ゾウが近年人間を襲ったり、農作物を荒らしたりする事件が多発しており、深刻な社会問題になっているということを聞きました。元来人間とうまく共生していたゾウが、なぜそのような行動をとる様になったのか?観察や研究が進み、ひとつの事実が分かったそうです。それは、象牙のために密猟者によって「特に象牙の大きい年長者から」殺されてしまう、このことは、ゾウの群れにとっては「生きる知恵やルール」を伝えていくべき存在が突然いなくなるということで、その年長者を欠いた群れで育った(教育を受けていない)ゾウが被害をもたらすような行動をしてしまうのだそうです。長い歴史をかけて人間との間に築かれてきた暗黙のルールが今まさに壊れようとしている・・・。人類の歴史にとっても本当に大きな損失であると思うのと同時に、この日本で生きる「私達の生き方」にも共通するメッセージなのではないかと思いました。

       現代の日本社会はどうでしょうか。「昔のような地域社会」はだんだんと姿を消し、「知らない人には話しかけない」ことが常識のように子ども達に伝えられ、地域から「笑顔とあいさつ」が消えました。近所の個人商店は、すっかりと大型スーパーに押し潰されてしまい、近所の知り合いのおばちゃんやおじちゃんもいなくなりました。つまり、こどもが社会と出会う機会がすっかりと奪われてしまったのです。生活環境が「家庭」と「学校」だけだとしたら、そしてもし仮に家庭教育が十分でなく、かつ学校が教育カリキュラムに追われているような状況であったとしたら、こどもたちはどこで「社会のルール」や「生きる知恵」を学ぶのでしょうか。最近の若者の特徴として、無気力、無関心、自己中心的、我慢を知らない、普通の子がキレる・・・などが挙げられます。しかし、幼い時から「社会のルール」や「生きる知恵」を教えられていないのだとすれば、自己中心的に行動することも、周りには無関心で、無理強いされればキレるのも何となくうなずけるのです。そして、その姿は上記の「問題を起こすゾウ」の姿によく似ているように思います。

       コミュニティーとは、まさにゾウでいう「群れ」にあたります。群れの中で育つ事によって、ゾウが自然と生きる知恵やルールを身に付けていくように、人間も群れの中で育つ事によって、たくさんの知恵やルールを学び、時には自分よりも小さな存在を守る、教えるなどの経験も積んでいくのだと思います。そのような環境の中で、例えば、「自分勝手ではないが、自分らしい生き方」や、「自分を守りながらも他者と生きていく術」、「分相応の幸福感」など・・・、自分にも周りにもコントロールの効いた「等身大の生き方」を見つけていくことができるようになるのではないでしょうか。

      「今、私はどんな群れの中で生きているのか?」この機会にご自身に問いかけてみるのも良いかもしれません。そして、自分自身が「今もなお生きる知恵を学び、伝えているか」あるいは、「どんな群れであれば生きる知恵を伝えていけるのか」、「生きる知恵とはどんなことだろうか?」といったことを是非考え、皆さんの話題にしてみてください。なぜならば、こうした取り組みや行動こそがコミュニティー作りの始まりだと思うからです。願うような環境はどこにでもあるわけではありません。しかし、願う気持ちと仲間が集まれば誰にでもその環境を作ることができるのです。まずは一人より二人(IからWe)へ願いを広げてみてはいかがでしょうか。



      ◆今月の聖句 「愛する者たち、わたしたちは、今既に神の子です。」(ヨハネⅠ 3:2)

       幼稚園では週にいっぺん、こうしてみんなで礼拝堂に集まり礼拝を守ってきました。礼拝では、讃美歌を賛美し、皆で心をあわせてお祈りし、献金をお捧げして、聖書のみ言葉を覚えて、そのお話を聞いてきました。それぞれのクラスでも毎日お祈りや賛美をお捧げしてきましたね。

       みなさんの頭の中には讃美歌や、聖書の言葉、きれいなメロディー、お祈りやお話の内容などがきっといっぱい入っていることでしょう。そして、一人ひとりの心の中には「神さま」がいらっしゃることに気がつくと思います。皆さんはこの一年、礼拝に参加し、その経験を積み上げながら「神さま」を知り、神さまの「愛」に触れてきたのです。ですから、この聖書の言葉の通り、今、もうすでに皆さんは神の子どもなのです。

       神さまを信じて生きていくことを「信仰をもって生きる」と言います。心の中にいて下さる神さまといつも対話をして、うれしい時も、悲しい時も、心配な時も、怒りに震える時も、いつもいつも神様を信じて生きてまいりましょう。私たちの神さまは、愛の方です。自分の命や心を大切にして、お友達と仲良くして、互いに助け合い、理解し合って平和を創り出してまいりましょう。これこそが「神の子」として神さまに喜んでもらえる生き方だと思います。
      (子どもの礼拝要旨)

      園長 石川 勇
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