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園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです

  • 2021年1月 こどもの成長

    2021年1月 こどもの成長

    4年前

    ◆よりよい幼児期を目指して -こどもの成長-

    新しい年を迎えました。この一年も世界が平和であり、子どもたちが健やかに成長していけることを心よりお祈りしています。今年も子どもを中心におき、皆で力と心を合わせて歩んでまいりたいと思いますので、皆様の変わらぬご理解とご協力をお願いいたします。幼稚園でも3学期に入り、それぞれの学年において節目となる時を迎えました。これまでの保育の歩みを重ね、一人ひとりが本当に大きく成長しました。私たち教職員も、子どもたちの成長を喜びいっぱいに感じているところです。この3学期は「成長を喜びあう学期」として、子どもたちにも自分自身の成長、友だちの成長に気づき、大きくなることへの期待や喜びを感じながら日々を過ごしてもらいたいと思っています。また、そのような日々を通し、成長させてくださる神さまに対して、お父さん、お母さんに対して、「ありがとう」の気持ちをしっかりと持てる子どもになってもらいたいと願っています。体調管理に気をつけて豊かな日々を過ごしてまいりましょう。

    さて、今月は「子どもの成長」について少し考えてみましょう。「木が育つ姿に学べ」という言葉がありますが、この言葉から人の成長を考える上で大切なヒントがいろいろ得られるような気がします。木は幼木の時から自ら根を土に伸ばし、枝を張り、成長に必要な太陽の光や水、養分などを吸い上げ成長していきます。立派な木が育つためには、「太陽の光をたくさん受けられること」と、「根を大きく張れる良質な土壌とスペースがあること」が欠かせません。特に幼木の間はしっかりと根付くように大切に見守ることが必要で、この時期に剪定するのはご法度です。なぜなら、まだ細い幼木の枝に手を入れることは、樹勢全体に大きなダメージを与え、強い木に育たないばかりか、下手をすれば枯れてしまうからです。木が「自ら成長していこうとする力」を最大限に発揮できるようにこれらの環境を整え、適切に見守っていくことが強い木を育てるポイントとなります。

    人を育てる上でも同じようなことが言えるのではないでしょうか。人も「よい環境」を整えることによって、「自ら成長していこうとする力(=生きる力、意欲)」が養われ、たくましく成長していくものであると思います。よい環境をつくるとは、よい親子関係を築くことです。その上で大切なことは、「今日(今)を充実させるからこそ明日(将来)がある」という考え方を親御さんが持つことだと思います。日々のお子さんの話によく耳を傾けて共感し、大いに認め、励まし、笑い、時にはお子さんに幼稚園の歌なども教えてもらったりしながら、楽しく充実した毎日を「一緒に作り上げていく」ことがとても大切です。

    反対に、親御さんが「明日(将来)のために今日がある」という考え方でいると、足りないもの探しのような子育てになってしまいます。お子さんを見てもいつも安心や満足ができず、もっとこうしろ、ああしろと指示や注意(=親からの要求)ばかりが先行し、お子さんの話にも耳を傾けられないような子育てに陥ってしまいます。お子さんにとって親御さんのこのような関わりほど悲しいことはありません。なぜなら、いつまでたっても「今の自分」が認められず、次から次に要求されていくのですから…。これでは自ら成長していこうとする力も意欲も芽生えませんし、よい親子関係を築くこともできません。

    木の幹がいつの間にか太く立派になっていくように、小さな一歩を一つひとつ積み重ねながら子どもは成長していきます。お子さんの将来を考えるとき、楽しみな気持ちと同時に、心配や不安な気持ちも少なからずあることと思います。特に就学を迎えるご家庭では、新しい環境や仲間にうまく馴染めるのだろうか、学習についていけるのだろうかといった心配もあることでしょう。しかしそんな時こそ、「お子さんの力」を信じ、親として(心配や不安をぐっとこらえて)どっしりと腰を据え、お子さんを励ましていってもらいたいと思います。こうした親御さんの安定こそがお子さんの勇気の原動力となり、さらなる成長へとつながっていくのです。


    ◆今月の聖句 「天に富を積みなさい」(マタイ6:20)

     「私たちは何も持たずに世に生まれ、世を去る時は何も持っていくことができません。(テモテⅠ・6:7)」
     天に富を積むことは、世にいる間をどう生きるかということです。私利私欲にはしり、たとえ財を成したとしても、それをもって天に帰ることはできません。世にいる間、神さまに喜ばれる生き方をすることで天に富を積むことができるのです。神さまに喜ばれる生き方とは、自分に対しても、他人に対しても誠実であること、人と愛し合い、助け合って生きること、神さまに素直な心で生きることであると思います。これからも幼稚園のモットーである「自分には強い心、友達にはやさしい心、神さまには素直な心」で過ごしてまいりましょう。(子どもの礼拝要旨)

    園長 石川 勇
  • 2020年12月 クリスマス

    2020年12月 クリスマス

    5年前

    ◆よりよい幼児期を目指して -クリスマス-

     師走に入り、いよいよ2020年も終わりの時を迎えようとしています。今年は新型コロナウィルスの影響で例年のようにはいかない年となりましたが、子どもたちはその時その時をお友達と夢中になって過ごし、互いに影響を与え合ってここまで歩んで来ることができました。子どもたちの顔は誰もが自信に満ちて、誇らしく輝いています。これまでこんなにゆたかで幸せな日々を過ごせたのも、ご家庭の保育への深い理解と、多大なるご協力のおかげであると教職員一同皆様に心よりの感謝を申し上げます。

    さて、今月は「クリスマス」についてご一緒に考えてみたいと思います。Christmas(12/25)は、Christ=イエス・キリスト/mas=お祭りということですから、「イエスさまのお誕生日を祝うお祭り」という意味になります。世界中でこの日を祝う、まさに世界一のお祭りといえるでしょう。クリスマス前の4週間をアドベント(待降節)と呼び、クリスマスを心待ちにして過ごします。ツリーやリースを飾り、クリスマスカードを送りあうのもこの時期です。

    幼稚園でもクリスマスに向けて「ワクワク」を大きくしていく毎日を過ごしています。「クリスマスはイエスさまのお誕生日なんだね。神さま、イエスさまをありがとうございます!」という思いで、「イエスさまのお誕生日に何をプレゼントすればいいだろう?」とクラスで考え、劇や歌などの練習にはりきる毎日を送っています。特に、年長組では「世界で一番初めのクリスマス」として、イエスさまがお生まれになった日の出来事を降誕劇として“クリスマス礼拝で会衆に報せる”という大役を任せられ、毎日熱のこもった練習に取り組んでいます。どうぞ当日をお楽しみに、そしてご一緒に子どもたちと温かいクリスマスを楽しみましょう。

    これらの経験を通して、子どもたちには「本当のクリスマスの喜び」と出会ってもらいたいと願っています。それは、なにか派手にどんちゃん騒ぎをすることや、おもちゃをもらうだけの表面的な喜びではなくて、イエスさまが教えてくださった「愛」をしっかりと心に受けて、「互いに愛し合うことや、感謝しあうこと」、また受ける喜びだけでなく「与える(分かちあう)喜び」にあずかることが、子どもたちの心の深い喜びにもつながり、クリスマスの喜びとなっていくのだと思います。

    ご家庭においても、互いに「ありがとう」を交わしあえる時として、あるいは「労わりあい、思いあう」時としてクリスマスを迎えられたら素晴らしいですね。どうぞ温かい幸せなクリスマスをお迎えください。そして、私たちと同様に、世界中の子どもたちが幸せなクリスマスを迎えられるようにお祈りいたしましょう。



    ◆今月の聖句 「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。」(ヨハネ8:12)

     クリスマス礼拝の時に、教会ではしばしばキャンドルサービス(燭火礼拝)がもたれます。暗い礼拝堂に一つのロウソクの火が灯され、その火が会衆一人ひとりに分け与えられていき、やがてはロウソクの光が明るく礼拝堂を照らすのです。ロウソクの火はまた光と共に温かさを与えてくれます。おごそかながら温かみのある美しい情景で心地よく、私の大好きな時でもあります。この「はじめの光」こそがイエスさまご自身であり、また、世を照らす光としてご降誕なさったイエスさまの「愛の光」にふれることで、私たちも生きる希望(光)や愛(温かさ)をいただくことができるのだということをこれらロウソクの火の分かちあいを通して感じることができます。

     イエスさまは愛と平和を私たちに教えて下さる方であり、人生をどう歩んでいけばいいのかを指し示してくださる方です。私たちは弱い存在で、すぐに自分善がりになったり、感謝を忘れてしまったり、人と比較することでしか自分の幸福度を測れなかったりしますが、祈りや聖書を通してイエスさまはいつも私たちに正しい道を教え、示し続けてくださいます。いうなれば人生の羅針盤ともいえるお方なのです。

     この幼稚園で過ごす子どもたちに、神さまと出会い、祈りと出合ってほしいと願っています。日々与えられ、護られているからこその健康であり、幸せであることを忘れない大人になってもらいたいと思っています。自分を大切にし、人を思いやれる心を持った人に成長していってくれることを期待しています。そして、どの子どもも「イエスさまの愛の光」に照らされて幸せいっぱいの人生を歩めるよう心から祈っています。

     今年も、ご家庭の上に、また世界中の人々の上に、「平和で温かいクリスマスの喜び」が訪れますように。
     
    園長 石川 勇
  • 2020年11月 季節感

    2020年11月 季節感

    5年前

    ◆よりよい幼児期を目指して -季節感-
     
    実りの秋を迎えています。今年も野に山にたくさんの実りが与えられて、豊かな秋となりました。子どもたちは、幼稚園でお芋掘りや遠足などを通して「秋の自然の豊かさや楽しさ」を体いっぱいに感じ過ごしていますが、これらの体験により得た「喜び」が、実りやめぐみを与えてくださる「神さま」に対する「感謝の心」として子どもたちの心を育て、楽しかった思い出としていつまでも残っていくことを深く願っています。

    これらの自然と直接出会う経験は、「季節感」を身につけていく上でも大きな意味を持つのだろうと思います。せっかく四季の美しさを感じることができる国に生まれたのですから、四季折々の自然や楽しみに触れないのはもったいない話です。春には春の、夏には夏のそして、秋や冬にもその季節ならではの味わいがあります。幼い時から目に見えるものだけではなく、肌で、鼻で、耳で、舌で(五感を十分に活用して)季節を感じ、楽しんでいく中で次第に季節感も芽生え、自然と身についていくのだと思います。

    季節感が豊かにある人は、それだけ人生を豊かに過ごせるように思います。季節とともに気持ちも新たに切り替えることができ、生活の中にも四季折々の彩りを加え、食事や音楽、香り、色彩などあらゆる方面に楽しみが広がっていくのではないでしょうか。一方、季節感の乏しい人の人生は空しいものです。季節の移ろいに心を動かすこともなく、一年を通して同じようなものを食べ、同じような生活の繰り返しです。同じ人生ならやはり豊かに過ごしたいものですね。子どもたちにも季節感を十分に身につけ、人生を豊かに過ごしてもらいたいと願います。

    家の中にとじこもっていても季節感は身につきません。どうぞご家庭においても積極的にお子さんと四季折々の自然に出かけ、「生きている自然」と豊かにふれあい、五感にたくさんの刺激を受けて、「季節感」を十分に身につけさせてあげましょう。



    ◆今月の聖句 「主に賛美の歌をうたい、聖なる御名を唱え、感謝をささげよ」(詩篇30:5)

    実りの秋を迎え、今月はこの聖句が与えられています。例年、幼稚園でもこの時期に収穫感謝祭を行い、神さまが与えて下さるたくさんの恵みに感謝する時を持っていますが、今年は感染症対策のため残念ながら行うことができません。
     
    収穫感謝祭の起源は、1620年9月6日にイギリスの清教徒と呼ばれる102名のクリスチャンたちが、メイフラワー号に乗って大西洋に船出したことにさかのぼります。彼らが、北アメリカのプリマスに上陸したのは11月の寒い空の下でした。そして、最初の木小屋が建ったのが、ちょうどクリスマスの日。異郷の地で迎える冬は厳しく、食べる物も着る物もほとんどなく、農耕のすべも知らず、飢えと寒さと病気で半数が死にました。やがて春が来た頃、親しくなった先住民族から種子をもらい農耕を教えられました。トウモロコシ、エンドウ、大麦、小麦などです。初めての収穫の秋。彼らは、予想以上の豊かな収穫に、教会で、家庭で、収穫感謝の礼拝をささげました。苦しかった忍耐の生活を振り返りつつ「小さな種子の芽を育て、太陽を輝かし、雨を降らせ、成長させて豊かな実りをお与え下さった神に感謝します」と心からの祈りをささげました。そして、友だちになった先住民族を招いて、小麦とトウモロコシでパンとケーキをつくり、七面鳥をとってきて一緒に喜びのパーティーを開きました。それが、11月に感謝祭を開いた最初です。その後240年余り経って、リンカーン大統領が、国の祝日に11月の第4木曜日を感謝の日と決めました。アメリカでは、この日、果実や木の実を料理し、開拓の労苦と神の恵みを思い起こしつつ、感謝することの大切さを教えています。

    都市型のライフスタイルにあって、普段の生活ではなかなか感じることができない自然の恵みや、収穫の喜びですが、「日々の食べ物を与えられている感謝」は私たちが忘れてはいけない感覚であり、精神だと思います。どうぞご家庭においてもこのことを皆さんで話し合い、食への思いを新たにされたり、またお子さんの食への関心を高めたりする機会としていただければ幸いです。

    園長 石川 勇
  • 2020年10月 雪だるまと玉ねぎ

    2020年10月 雪だるまと玉ねぎ

    5年前

    ◆よりよい幼児期を目指して -雪だるまと玉ねぎ-

    「活動の2学期」が始まり一ヶ月が経ち、いよいよプレーデーも近づいてまいりました。子どもたちのがんばる姿や、友達と心を合わせて楽しむ姿をどうぞお楽しみください。ご一緒に心より応援し、励まし、また参加して楽しいプレーデーを作り上げましょう。

    さて、今月は「雪だるまと玉ねぎ」という題名をつけました。これは以前にある人からうかがった「スポーツ選手の育成方法」についての話にでてきた考え方ですが、興味深い話だったので少しご紹介します。雪だるま式の育成方法とは、雪だるまを大きくしていくように、いいところを見出し伸ばして育成していく考え方、たまねぎ式の育成方法とは、玉ねぎの皮をむいていくように欠点や課題を矯正し磨いていくという考え方です。対照的な手法ですが、どちらが正しいかというよりも、その選手の段階に合わせて「どちらの手法を使うか」を見極め、判断することが重要であり、良い指導者はその判断が的確であるのだということです。

    スポーツ界において、子どもの取り扱いについては世界で違いがあり、ジュニア選手をどのように育成していくかの考え方も国によって大きく変わるそうです。多くの競技で日本のジュニアは世界トップレベルだそうですが、シニアになると形勢逆転、いわゆる「世界レベル」の選手がメキメキ頭角を現してくるのだそうです。これらの国では子どもの身体についての研究が徹底的に行われ、選手のピークを成人の時期に設定して育成企画がなされているため、ジュニアの時代は結果を出すことよりも「将来的な可能性を蓄える」時期としてとらえられ、技術(テクニック)よりも技能(バランスや身体能力)を伸ばすことに力が注がれます。そしてやがてバランスのとれた強いからだと技能を十分に蓄えた(潜在能力十分の)選手がテクニックを学ぶことで「うまくて強い」選手が育ち、良い結果につながっていくのだそうです。まさにジュニアの時代は「雪だるま式」に能力を育て、時を見極めて「玉ねぎ式」にシェーブアップし、世界に通用する選手を育てているのだというお話でした。

    これはスポーツに限らず、子どもの育ちを考えるうえでとても重要なヒントであると思います。人生においても、子どもの時代は結果を出す時期ではなく、「将来的な可能性を蓄える」時期です。その中で一番大切にしていきたいものは「主体性」だと思います。主体性こそが生きる意欲や楽しさにつながるからです。幼稚園でもたくさんの経験をし、友達からも様々な刺激を受けて子どもは世界を広げていきますが、その中で一人ひとりの主体性が育っていってもらいたいと心より願っています。

    主体性は外から与えられるものではなく、内から湧き出てくるものです。それは、もし雪だるまに命があったとしたら、「自ら転がり大きくなろうとする力」となるでしょう。どうぞお子さんから湧き出てくる小さな意欲や興味を大切にしてあげてください。そしてお子さんがなるべく依存的にならないような親の関わりを考え、工夫してまいりましょう。


    ◆今月の聖句 「いつも喜んでいなさい 絶えず祈りなさい どんなことにも感謝しなさい」(テサロニケⅠ5:16)

    今日も元気に幼稚園に来ることができました。こうして元気に幼稚園に来ることができたこと、みんなと会えたこと、これは当たり前のことではありません。先生は前にある人のお見舞いに病院に行きました。そこにはたくさんの子どもたちが入院し、治療を受けていました。まだ小さいのにお家から離れて、大好きな幼稚園に行くことができず可哀そうだな…と先生は思いました。でも皆さんはこうして元気でいられる、これは本当にうれしいことです。バングラデシュに行った時には「おなかをすかせている」子どもたちに大勢会いました。おなかいっぱい食べられることも当たり前ではないことを知らされました。でもみんなは毎日ちゃんとご飯が食べられます。これも本当に幸せでうれしいことですね。

    私たちは神さまから与えられているこれらの恵みを忘れて、ついつい当たり前だと思ってしまいます。でも、そうではない人を知ることで、当たり前ではなく感謝なことなんだということに気づくことができるのです。また、こうして幼稚園に来られるのはお父さんやお母さんがお仕事やお世話をしてくれているからです。そのことにも気づいて感謝したいと思います。
     
    それと、今苦しんでいる人たちや困っている人たちが、私たちと同じように元気になり、おなか一杯にご飯が食べられるようにみんなで心を合わせてお祈りすることも大切なことですね。これからも喜びいっぱいに過ごし、ありがとうの言える、またいつも神さまにお祈りできる一人ひとりでいましょう。(礼拝お話要旨)

    園長 石川 勇
  • 2020年9月 あたまとからだ、そしてこころ

    2020年9月 あたまとからだ、そしてこころ

    5年前

    ◆よりよい幼児期を目指して -あたまとからだ、そしてこころ-

    夏休みが終わり、喜びいっぱいに2学期が始まりました。夏から秋、そして冬へと移りゆく自然を身体いっぱいに感じながら、今学期もこども達の成長を見守っていきたいと思います。皆さんで力を合わせてよい学期としていきましょう。2学期もよろしくお願いいたします。

    さて、今月は「あたまとからだ、そしてこころ」というテーマでよりよい幼児期を考えてみましょう。
    “頭でっかち”とか“うどの大木”という言葉があります。大そうなことは知っていても行動や体力が伴わない、あるいはその逆で、体格は立派でも頭や心がついていかないというように「頭や心と体のアンバランス」を表す言葉ですが、いかに人の成長にこれら(頭・体・心)のバランスが大切であるかを考えさせる言葉でもあると思います。

    お金さえ出せば何でも簡単に手に入る便利な時代、知識や情報も、塾や習い事も多種多様に用意されている時代ですが、考えなしにただこれらの渦の中で流されるように生き、たくさんのことを詰め込むように身につけたとしても、うわべだけで芯のない大人になってしまうでしょう。やはり「生きる本質=何のために生きるのか」をしっかりと持った芯のある大人へと成長してもらいたいと心から願います。心は頭と体をコントロールする中心です。心次第で頭も体も使われ方がまったく変わっていきます。しっかりとした心(信念)のもとに知恵や体力は活かされるべきであると思います。

    幼稚園でも「心が育つ保育」を目標として、一方通行の保育とならないように、相互の関わりや、一人ひとりの意欲、主体性に目をとめて保育を行っています。教師の言うことに盲目的に聞き従うような参加では健全な成長は期待できないからです。子どもたちにも小さいながら意思や意欲があります。その芽を摘むのではなく、伸ばし、広げていけるような関わりや環境作りが何よりも大切であると考えています。ご家庭においてもぜひ「親の言うことに従う子ども」を期待するのではなく、「意思のある子ども」に成長していくことを期待し、その意思に対して良い影響を与えられるような関わりや、家庭の在り方、親の生き方などを考えていってください。「お父さんやお母さんは何のために生きているのか」をお子さんに(背中で)語れるような家庭生活を送れるならば、お子さんの心に一生涯続く大切なメッセージがしっかりと継承されていくのではないでしょうか。そしてその意思(心)のもとで、はじめて頭も体も調和のとれた大人に成長していくことができるのだと思います。


    ◆今月の聖句 「あなたがたはキリストの体であり、また一人一人はその部分です」(コリントⅠ12:27)

    「この世界にあるあらゆるもの」は神さまによって創造されたと聖書に記されています。私たちも神さまの被造物であり、神さまの前では権威も年齢も関係なく等しい存在であります。ですから教会では互いを「兄弟姉妹」と呼び合い、敬い合って教会生活を過ごします。今月の聖句は、この教会生活の在り方について語っている個所です。神さまの独り子でいらっしゃるイエスさまを体として、教会に連なる信徒はその体を形作る部分として互いに主張しあうのではなく助けあい、自分勝手になるのではなく連動し、仕えあう重要性を説いています。

    教会に限らず、社会においても同様であると思うことがたくさんあります。見渡せば、自己中心的な主義主張が横行し、責任を押し付け合うような見苦しい社会の一面が目立ちます。社会を体に例えればバラバラに崩壊しているような状態、何に中心をおき、どう一致すればよいのかわからない現状であると思います。

    一方、昭島幼稚園の社会はどうでしょうか。子どもたちは互いに手をつなぎあい、支えあって共に大きく育っていこうとしています。教師も父母も互いに理解、協力しあってその成長を心から応援しています。子どもが中心となり、大人も一つの体のように連動しているのです。私たち個々を見れば違う人格、価値観も大きく違うかもしれません。しかし、「子どもたちの健やかな成長のため」という共通の目標を中心に置いた時に、その違いを乗り越えて互いに理解し、心や力を合わせることができるのです。これからも主張しあうよりも聞きあうことを、理解されるよりも理解することを求める私たちでいたいと思います。

    園長 石川 勇
    • 2020年7月 生活のリズム(環境)

      2020年7月 生活のリズム(環境)

      5年前

      ◆よりよい幼児期を目指して -生活のリズム(環境)-

      まもなく一学期の保育も終業を迎えます。今年度は新型コロナウィルスの影響を受け保育も大きな変更を余儀なくされましたが、かけがえのない保育の日々を積み重ねて、子どもたちの輝く笑顔と元気な声に包まれる時とすることができました。これまで父母の皆さんと心と力を合わせて歩んで来られたことを嬉しく思い、また皆さんの保育に対する深い理解とご協力に心よりの感謝を申し上げます。

      今月のテーマは「生活のリズム」です。幼児にとって生活をどのようなリズム(環境)で過ごすかは、健康面においても、成長面においても大変重要なテーマであるばかりでなく、今過ごしている生活のスタイルが将来の「生活力」にも直接つながっていくことを考えると、幼児期の生活全般についてよく考え、実践していくことはとても意味があり、大切であると思います。

      基本的生活習慣という言葉がありますが、主に食事、睡眠、排泄、清潔、衣類の着脱、(時にはあいさつなども含む)を指し、これらは幼児期に身につけるべき習慣であり、同時にそれぞれにおいて自立することが幼児期の大きな目標とされています。逆に言えば、お子さんがこれらの習慣を身につけ、また自立できるように「親御さんが」目標をもって家庭環境を整え、援助していくことが求められているとも言えます。お子さんが良い習慣を身につけ、自ら自立に向かって意欲的に歩めるようにしたいものです。

      良い習慣を獲得するための基本は、「子どもの生活時間をしっかりと設定し、きちんと守ること」です。幼児の生活モデルは、7時起床(洗面、排泄)、8時朝食、(活動)、12時昼食、(活動)、15時おやつ・休憩、夕刻入浴、18時夕食、就寝準備、20時(21時)就寝とされています。特に食事と就寝、起床時間は「絶対枠として」毎日の時間を固定し習慣づけることが重要です。この絶対枠が崩れるとメリハリの利かない、だらしない生活となり、心身の健康にも悪影響となりますので、くれぐれも「大人の生活時間」に子どもをつきあわせるなどして良い習慣が崩れることのないように気をつけましょう。

      この基本の上に「いかに生活の自立を図っていくか」を考えていきますが、「自立=意欲」と言ってもいいほどお子さんの気持ちづくりが大切だと思います。幼稚園で受けてくる友達からの刺激や、クラス活動の体験などを上手に生かして自立へと導いていくのも一つの良い方法でしょう。また、特に料理や洗濯などの家での仕事を積極的にお手伝いしてもらうことは良い自立への導きとなりますし、お子さんの生活力も向上させていく取り組みであると思います。「何でもしてあげる」ことがむしろお子さんの成長を妨げることを知り、どうぞ親御さんの発想を改めて、「何だったら自分でできるかな」という視点でお子さんの生活を見直してあげましょう。そして、できたことを心から喜び、ほめてあげましょう。

      間もなく長い夏休みを迎えます。夏休みは親子関係を見つめ直す時でもあります。どうぞ日々の生活を充実させて、お子さんとの楽しい毎日をお過ごしください。



      ◆今月の聖句 「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」(ローマ12:15)

      喜ぶ人と一緒に喜ぶことができる人、泣いている人と一緒に泣くことができる人とは、その人の気持ちになって考えることのできる人です。言いかえれば、他の人と「心を合わせる」ことができる人ではないでしょうか。幼稚園の毎日の中でも心を合わせる時はたくさんあります。礼拝の中でもお祈りする時、賛美歌を歌う時、お話を聞く時など…。例えばお祈りであっても、「心を合わせて」お祈りをするということは、お祈りの言葉にしっかりと耳を傾けて「本当にそうだな、このお祈りを神様に聞き入れていただきたいな。」と思って祈ることですし、賛美歌を歌う時でも、前にある十字架をしっかりと見ながら、「神さまにきれいな声で賛美歌をお捧げしよう」と思って歌うことが大切だと思います。幼稚園の毎日でもお友達と心を合わせて、お友達の気持ちに気づいて、そのお友達の気持ちになって一緒に考えてあげられる一人ひとりになりましょう。(子どもの礼拝要旨)



      ◆夏の安全 戸外に出る時、特に以下の点に気をつけましょう。

      1. 直射日光、気温
      夏の日差しは身体に大きな負担をかけます。必ず帽子をかぶり、直射日光の下で長時間遊ばないように気をつけましょう。また、気温に対しても適切な判断が必要です。30℃を超えるような炎天下の中で遊ぶ時には、熱中症(日射病、熱射病)や、過度な日焼けへの対策をしっかり講じておきましょう。木陰を上手に活用して遊ぶ、涼しい場所で休憩をしっかりとることなども大切なポイントです。

      2. 水分補給
      子どもの体重は大人の1/3以下であることを常に考慮しましょう。身体の貯水量(タンク)が大人に比べて小さい反面、発汗量は大人と同じと考えれば、大人の何倍も給水をする必要があるというわけです。夏の季節は特に脱水症に注意が必要です。

      3. TPOに合わせた服装
      暑いからといって肌を露出したまま藪や森に行くのは危険です。草むらにはかぶれる草や毒虫、トゲなどが潜んでいます。夕方などにはヤブ蚊等も大量発生します。草むらに入る時には少なくとも長ズボン、靴下、靴という服装で、必ず虫除けもしていきましょう。また、万が一の時に備えてファーストエイドは用意しておきたいものです。その他、山登り、水遊び、キャンプなどそれぞれTPOに合った服装で出かけるようにしましょう。

      4. 水上安全
      夏の季節に一番気をつけたいのは水の事故です。ご家庭で海や川、プールに出かける時は絶対にお子さんから目を離さないように、また、水温、水深、流れなどはもちろん、入水時間も必ずチェックして遊ばせましょう。海や川ではライフジャケットの着用も必須です。また、休憩時には日陰で保温、水分補給を十分にさせましょう。

      5. マスクと熱中症
      感染症対策としてのマスクの着用は有効ですが、夏の戸外遊びにおいては熱中症のリスクを伴います。マスクをつけているとお子さんの顔色の変化にも気づきにくいため、外遊び時にはなるべくマスクは外した方が良いとされています。公園などが混んでいる時は、場所を変える、時間帯を変えるなどして、空いている環境でマスクを外して遊べるよう工夫するようにしましょう。

      6. その他
      ・規則正しい生活に心がける:就寝・起床・食事・帰宅時間など
      ・健康管理に気をつける:手洗い、うがい、寝冷え、クーラーも適度に
      ・健康に、安全に過ごせるアイディアを子どもと一緒に考え、家族で守る

      -家庭でできる手軽なあそび-
      ▶道具が必要ないもの:なぞなぞ・クイズ・ジャンケン・手遊び・歌・かくれんぼ・おにごっこなど…
      ▶道具を使って:サッカー・キャッチボール・フリスビー・縄跳び・自転車・花火・お絵かきなど…
      ▶工作して:魚釣りゲーム・お面・たたかいごっこ・ダンボールのお家作り・仮装・粘土など…

      ちょっとしたアイディアで楽しい活動ができるはず。お子さんと一緒に計画してみてはいかがでしょうか。


      園長 石川 勇
      • 2020年3月 ⑧幸福感

        2020年3月 ⑧幸福感

        5年前

        ◆愛の中で育つ -⑧幸福感-

        思いもよらず保育の修了が余儀なくされましたが、今年度もここまで神さまに守られ、父母の皆様と心を合わせて歩んでこられましたことに深心よりの感謝を申し上げます。

        毎日の保育を通して、子どもたちは一回りも二回りも大きく成長いたしました。仲間との生活は一人ひとりを勇気づけ、励まし、時にはケンカもありましたが、互いに許しあうことを教えてくれる機会でもありました。困っていたり、泣いていたりした時、差し伸べられたお友達の手に、何人の子どもが勇気をもらい、その優しさに支えられて涙を乗り越えたことでしょう。子どもたちにとって幼稚園の毎日は、まことに「かけがえのない」日々でした。卒業を迎える年長組の子どもたちには、この場所で得たたくさんの自信や優しさを胸に、新しい場所でも一人ひとりらしく輝き歩んでいけるように、また進級を迎える子どもたちには、新しい年度も幼稚園で「かけがえのない毎日」を友達と一緒に過ごしながら、さらに大きく成長していけるように心から祈り、また応援しています。

        お別れを前にすると、一層「一人ひとりの人生が幸せであってほしい」との願いが強くなります。幸福感は人によって違うのかもしれませんが、与えられた人生を「いきいきと生きること」こそ人間にとっての大きな幸せと言えるのではないでしょうか。マザーテレサの言葉に「人間にとって一番ひどい病気は、誰からも必要とされていないと感じることです。」というものがありますが、年間3万人もの人達が自ら命を絶つ日本、ユニセフの調査によると、なんと日本の子どもの3人に1人は「孤独」を感じているそうです。大人であっても孤独感に包まれながらいきいきと生きられる人などいません。ましてや子どもであればなおさらです。これは本当に深刻な問題であると思います。「誰かに必要とされている」と感じることで、はじめて人は自らを生かし、そしてまた幸せを感じることができるのではないでしょうか。

        最後に、星野 富弘さんの詩に「幸せという花があるとすれば その花のつぼみのようなものだろうか 辛いという字がある もう少しで幸せになれそうな気がする」というものがあります。「幸せ」と「辛さ」、一見対極にあるような言葉ですが、決して反対にあるわけではなさそうです。人を育てる業は簡単なものではありません。時には辛いと感じることもあるでしょう。しかし、その辛さと向き合い、ひとつずつ乗り越え、解決していこうとする歩みの先に、「幸せ」は待っているということなのでしょう。この先まだまだ続く長い子育ての道のりですが、その時々に「心をこめて」、愛と幸せがいっぱいの「楽しい子育て」をしてまいりましょう!


        ◆今月の聖句 「神の国はあなたがたの間にある」(ルカ17:21)

        イエスさまは聖書の中で、神さまの国はここにある、あそこにあるというように目に見えるものではなく、目には見えないけれど「自分とお友達の間にある」とおっしゃっています。不思議なことだけど、うれしいことですね。この1年、2年、3年間の幼稚園でお友達と一緒に大きくなりました。その間も自分とお友達の間には神さまがずっといらっしゃって、やさしく守ってくださったのですね。4月になると皆さんは一つずつ大きなクラスになるし、年長組の人たちは小学校一年生になります。皆さんにはもっとたくさんのお友達ができるし、もっと仲良しのお友達ができるでしょう。新しいクラスや学校でも、神さまが皆さんと新しいお友達との間にいらして下さいます。だから安心して、自信をもって大きくなっていけるのです。

        神さまが教えてくださった「平和」、これからも平和をつくりだす一人ひとりでいましょう。ゆずりあう心、支えあう心が平和をつくり出す大切な心ですから、お友達との間に「平和」がいつもあるように心がけて、自分も大切にして過ごしてまいりましょう。そして、これからも神さまに「ありがとうの気持ち」を持って、神さまに「喜んでいただける子ども」として大きくなっていきましょう。(子どもの礼拝要旨)


        園長 石川 勇
      • 2020年2月 ⑦IからWeへ

        2020年2月 ⑦IからWeへ

        5年前

        ◆愛の中で育つ -⑦IからWeへ-

         今年度の保育もいよいよ終盤を迎えました。近隣でもインフルエンザなどの流行性疾患が流行っていますが、この時期を特に注意して過ごし、ご家族の健康も含めて皆で健康を守ってまいりましょう。再来週には各クラスにおいて「成長を祝いあう会」が予定されています。この一年のお子さんの成長を皆で喜びあう機会としたいと思いますので、どうぞご一緒に楽しみましょう。

         さて、今月は「IからWeへ」というテーマで楽しい子育てを考えてみたいと思います。子育ての悩みベスト3というと、「子どもの将来についての不安」、「しつけに関する心配」、「親自身の子育てのストレス(叱る、イライラしてしまう)」だそうですが、皆さんはいかがでしょうか。一方で、現代の子育て事情で課題となることとして、「孤独の中の子育て」が指摘されています。核家族化の中で、あるいは地域性の崩壊の中で、家庭の中にも、地域の中にも、「相談したり、頼れたりする存在がない」ところで子育てをしなければならない人が多いということです。

         孤独感をいっぱいに抱いて子育てにあたるとすれば、「一つひとつを丁寧に」とか、「待つことが大切」とか、子育てを指南する言葉も、「そうできない現実」にかえって戸惑い、悩み、挫折感すら与える言葉となってしまうでしょう。また、将来に対して、しつけに関して、不安や心配が先に立つほど、叱る、干渉することも多くなってしまいます。理想は、「親も子ものびのびと笑顔いっぱいに過ごしたい」はずが、現実の子育て環境はそうではないというケースが決して少なくないのです。子育ての理想と現実、私たちはこの狭間で子育てにあたっていますが、何とかこの孤独感を払しょくし、子育てが楽しいと思えるようにしたいものです。

         私は幼稚園がその問題を解決する一つの糸口になれたらいいと思っています。幼稚園の毎日がお子さんを育てるのみでなく、お子さんを通してお母さんが、あるいはお父さんが、その輪を広げ、共に楽しい子育てに向けて「心と力を合わせられる」仲間へと育っていけるならば、こんなに心強いことはありません。「自分は孤独ではない、夢いっぱいの子どもの将来に向かって歩いて行こう」と思えるような子育てを皆でしていこうではありませんか。

         “IからWeへ”、“私の子どもから私たちの子どもへ”、これからも幼稚園を最大限に活用して、お仲間と積極的に出会い、関わり、共に楽しい子育てに向けた日々を過ごしてまいりましょう。



        ◆今月の聖句 「その賜物を生かして互いに仕えなさい」 (ペテロⅠ 4:10)

         神さまは私たち一人ひとりに「賜物」を与えて下さっています。世の中には、頭のいい人、力の強い人、歌声の美しい人、足の速い人、音楽を奏でることができる人、話の上手な人、やさしい人、ユニークな人・・・。いろんな良いところを持った人がいます。みんな一様ではなく、それぞれに違う良いところがあるのです。このように、その人ならではのキラキラ光る良いところを「賜物」といいます。

         聖書の言葉には「その賜物を生かして互いに仕えなさい」と書いてあります。互いに仕えるということは、その賜物をお互いのために用いていくということです。自分に与えられている賜物を自分のために使っても、それは神さまのお心ではありません。そうではなくて、自分の賜物を他の誰かのために用いるために神さは私たち一人ひとりに賜物を与えて下さっているのです。例えば、頭のいい人が自分のお金儲けのためにその頭脳を使ったとしても、あるいは力の強い人が威張るためにその力を使ったとしても、神さまはお喜びになりません。もちろん周りの人たちからも喜んでもらえないでしょう。

         ノーベル賞という賞があります。これは世界中で「人の役に立った」行いや発見、発明をした人に贈られる大変立派な賞です。世界の平和のために、あるいは人々の暮らしが便利になるように、地球を守るために・・・。たくさんの行いや研究がありますが、この賞を受ける人は、誰もが「人々のために自分の賜物を生かした」人たちです。このように、人のために自分の賜物を用いた時に周りの人たちから感謝され、神さまにも喜んでもらえるのだと思います。

         私たち一人ひとりにも神さまはちゃんと賜物を与えて下さっています。これからだんだん大きく成長し大人になっていく中で、自分に与えられている賜物は何かを見つけていきましょう。そして、その賜物を周りの人たちのために用いていける人になっていきましょう。 自分のいいところは、案外自分よりも周りの人の方が知っていたりもします。ずっと一緒にすごしてきた3学期、よくわかりあっている皆さんだからこそ見つけられる、お友達の「良いところ探し」をしていけたらいいですね。 (子どもの礼拝要旨)
                                               
        園長 石川 勇
      • 2019年12月 ⑥わけっこの精神

        2019年12月 ⑥わけっこの精神

        6年前

        ◆愛の中で育つ -⑥わけっこの精神-
         
         活動の2学期もいよいよ残すところあと少しとなりました。秋を楽しみ、実りに感謝し、一つひとつの経験を経て子どもたちは心身ともに大きく成長しています。個人の意欲と他者への思いやりを高められるような意味のある毎日をこれからも過ごしてまいりたいと思います。

         アドベントに入りクリスマスを待ち望む時を迎えました。幼稚園でもクリスマスツリーやリースが飾られ、教会にはクリスマスクランツが用意されました。お子さんが持ち帰ったアドベントカレンダーの窓も一つ開けられて、各ご家庭においても少しずつクリスマスの訪れを感じておられることでしょう。どうぞお子さんとご一緒に楽しみながらこの時をお過ごしください。ところで、クリスマスは私たちに「分かちあう」ことを教えてくれる時でもあります。クリスマスカードを送りあったり、またクリスマスのごちそうやケーキは、ホール(全体)を「分けあって」食べたりすることが多いのも「喜びを分かちあおうとする」思いの表れです。

         子どもたちの幼稚園生活を観察していると、おもちゃでも何でも、入園したての子どもは「独り占め」しようと友達と取りあい、「いざこざ」が生じることが多いのですが、次第に幼稚園生活に慣れてくると、同じおもちゃでも上手に(平和的に)友達と遊ぶことができるようになります。この成長の根源には「分かちあう」という大切な価値観との出合いと獲得があり、子どもをゆたかに成長させるのだと思います。「独り占め」は争いに、「わけっこ」は平和につながるキーワードであることを思わされる一つの例であります。

         私たち大人社会はどうでしょうか。国内外においても「独り占め」をしようとすることによる争いや衝突がなんと多いことでしょう。いくら「平和」を唱えても、独り占めしよう考えている限りそうはならないどころか、争いは激化していく一方でしょう。「わけっこ」の精神こそが「平和」に続く道であると強く思うのです。

         私たち大人が子どもたちに残すべきものは「平和な世界」であり、教えるべきものは「人を愛する心」であると思います。そのためには大人が率先して互いに愛しあい、支えあって、喜びや悲しみ、苦しみなどを「分かちあえる」環境を整え、子どもたちに伝え、見せていかなくてはなりません。ご家庭においても、幼稚園においても子どもたちに習い、今後とも「わけっこ」の精神を大切にし、何でも相談し聞きあえる仲間(家族)としてご一緒に過ごしていきたいと思います。

         
        ◆今月の聖句 「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。」(ヨハネ8:12)

         クリスマス礼拝の時に、教会ではしばしばキャンドルサービス(燭火礼拝)がもたれます。暗い礼拝堂に一つのロウソクの火が灯され、その火が会衆一人ひとりに分け与えられていき、やがてはロウソクの光が明るく礼拝堂を照らすのです。ロウソクの火は光と共に温かさを与えてくれます。おごそかながら温かみのある美しい情景で心地よく、私の大好きな時でもあります。この「はじめの光」こそが世を照らす光としてご降誕なさったイエスさまの「愛の光」です。イエスさまの愛に触れることで、私たちも生きる希望(光)や愛(温かさ)をいただくことができるのだということをこれらロウソクの火の分かちあいを通して感じることができます。

         イエスさまは愛と平和を私たちに教えて下さる方であり、人生をどう歩んでいけばいいのかを指し示してくださる方です。私たちは弱い存在で、すぐに自分善がりになったり、感謝を忘れてしまったり、人と比較することでしか自分の幸福度を測れなかったりしますが、祈りや聖書を通してイエスさまはいつも私たちに正しい道を教え、示し続けてくださいます。いうなれば人生の羅針盤ともいえるお方なのです。

         私はこの幼稚園で過ごす子どもたちに、神さまと出会い、祈りと出合ってほしいと心から願っています。日々与えられ、護られているからこその健康であり、幸せであることを忘れない大人になってもらいたいと思っています。自分を大切にし、人を思いやれる心を持った人に成長していってくれることを期待しています。そして、どの子どもも「イエスさまの愛の光」に照らされて幸せいっぱいの人生を歩めるよう心の底から祈っています。

         今年も、ご家庭の上に、また世界中の人々の上に、「平和で温かいクリスマスの喜び」が訪れますようお祈りしています。
         
        園長 石川 勇
      • 2019年11月 ⑤こどもと遊び

        2019年11月 ⑤こどもと遊び

        6年前

        ◆愛の中で育つ -⑤こどもと遊び-

         今回のテーマは「こどもとあそび」です。良いあそびは子どもの成長を促します。また、あそびの内容は成長に応じて変化します。ご家庭で、また幼稚園で、お子さんがどのように遊んでいるかを知り、理解していくことは子育てにあたるうえでも、お子さんの成長を考えるうえでも大切なポイントであると思いますので、この機会にぜひご一緒に考えてみましょう。

         幼児期前期(3歳頃まで)のあそびは、お父さんお母さんを相手に一人で遊具やおもちゃを使って遊ぶことが主です。一つのあそびへの集中時間は短く、次から次へとあそびが変わっていく様子も多くみられます。しかし、幼児期も後期(3歳から6歳)になるにつれ、次第に「友達あそび」ができるようになり、ついにはある一定の時間の中で友達と上手に遊びきることができるようになります。そして同時に友達や仲間との関係が深められていきます。これには当然幼稚園での生活が大きく影響していることは言うまでもありませんが、この時期に芽生えてくる「友だちへの興味や関心」も大きく関係しているのだろうと思います。友だちへの興味や関心が、一緒に遊ぶという経験を「積み重ねていく」ことで広げられ、高められていき、その結果として関係が深まるのだと思います。幼稚園での毎日はあそびの積み重ねでもあります。

         「お友達と仲良く」という言葉を大人はよく口にします。しかし、「友だちあそび」もろくにせずに友だちと仲良くすることなどできるでしょうか。友だちと仲良く遊べるようになるためには、ある種失敗の積み重ねが必要です。その失敗とは、遊びの中で「友達とぶつかる経験」です。しかし、友だちとぶつかるためには「対等の主張」ができなくてはなりません。ですから、まずは自己発揮と自己主張(自分のしたいあそびを見つけ、自分でやってみようと思うこと)を持つことが何よりも大切です。そうして自分の主張と相手の主張がぶつかる事ができるのです。主張がぶつかるとあそびが途切れますし、強いぶつかりあいの場合はケンカになることもあるかもしれません。しかし、それらの過程で子どもは多くのことを学びます。失敗を繰り返さないようにするにはどうするかを体験的に学習するのです。こうして少しずつ「他者理解」ができるようになっていきます。三歩歩いて二歩下がるという言葉のように、うまく遊べたり、失敗したりの日々が子どもたちの成長には必要不可欠なのです。

         この過程で大人が心がけたいことは「待つ」、そして「聴く」という関わりではないでしょうか。失敗しないように「指図する」ことよりも、あそびを見守り、お子さんの話によく耳を傾けて、本当はどうしたかったのか、お友達の気持ちはどうだったのか、明日はこうしてみようなど「支え、励ます」姿勢が必要だと思います。成長とともに変化するお子さんのあそび、その変化に合わせた親の関わりを考えてまいりましょう。


        ◆今月の聖句 「主に賛美の歌をうたい、聖なる御名を唱え、感謝をささげよ」(詩編30:5)

         1620年イギリスの清教徒団が、イギリス教会の宗教弾圧を逃れ"メイフラワー号"でアメリカのマサチューセッツ州プリマスに到着しました。上陸した年の冬は寒さがとても厳しく、さまざまな困難にも見舞われ、100人程いた清教徒は半数ほどになってしまいました。翌年、生き残った人たちは先住民であるネイティブ・アメリカン(先住民)に狩猟や農耕を教わり、春夏一生懸命働き、ようやく生き延びることができたのです。その秋の収穫時、清教徒達は教会に集い、会食を催して収穫を喜び、神様に感謝する会を催しました。この席には、恩人である先住民達も招かれました。インディアン達は、お礼に七面鳥や鹿の肉を持って集まり、清教徒と先住民たちは、3日間戸外のテーブルに食物を山と積んで、神様に感謝を捧げ、讃美歌を歌ったそうです。これがThanksgiving Dayの起源です。

         今年も収穫を感謝する時を迎えました。今年も野に山にもたらされた「実り」の恩恵を受けてこうして命が与えられていることに感謝し、喜びをもって毎日を過ごしていきたいものです。特に都市型のライフスタイルにあっては、収穫の喜びにあずかるチャンスも滅多にあるものではないと思いますので、努めて土に触れることや、自然と触れ合う機会をもつことが大切であるように思います。

        幼稚園でも来週、収穫を感謝し、その喜びにあずかる機会がもたれますが、おいも掘りや遠足といった、「実りや自然と直接触れ合う体験」が、この感謝につながる貴重な体験であると思います。どうぞご家庭でも様々な工夫のもと秋の実りを感謝し、楽しんでお過ごしください。

        園長 石川 勇
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