園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです

2018年12月 ⑧クリスマスの喜び

2018-12-06 22:46輝く子どもと共に

◆輝く子どもと共に -⑧クリスマスの喜び-

 12月に入り、アドベント(待降節)を迎えています。幼稚園でもだんだんと近づいてくるクリスマスのお祝いに向けて、子ども達とうれしい気持ちを高めながら毎日を過ごしています。

 アドベントとはイエス様の降誕を待ち望む期間のこと、クリスマスまでの4週間を指します。アドベントに入ると、教会ではクリスマスクランツのロウソクに毎週一本ずつ火が灯され、子ども達はアドベントカレンダーの窓を毎週一つずつめくります。クリスマスカードを互いに交わしあい、ツリーやリースを飾り、家庭で、地域で、世界中でクリスマスを心待ちにします。

 ところで、アドベントは「到来」とか、「降臨」といった意味ですが、冒険を意味する「アドベンチャー」の語源となった言葉でもあるそうです。主の降臨を待ちわびる、「ドキドキ、ワクワク」の気持ちが、冒険の時のそれとつながって「アドベンチャー」という言葉になったのかもしれません。ワクワクするのはその先に大きな喜びがあるからです。冒険の喜びは「先に何があるのか!」、「どんなものに出会えるのか!」など、未知なるものを「見たい」、「知りたい」という願望であるように思いますが、では、クリスマスの喜びとは一体どんなものなのでしょうか。一つの例をご紹介します。

 例年、クリスマスの喜びを届けにたんぽぽ組の子どもたちが近隣の老人施設を訪問していますが、子どもたちの歌声や愛くるしさに触れ、涙を流し喜ばれる方の姿や、笑顔いっぱいに拍手する方の姿などを多く目にします。様々な事情で家族と離れて施設で生活する人たちの多くは、「孤独感」を抱えながら生活しています。子どもたちの歌声や笑顔は、ちょうど暗い場所に一本のロウソクの火が灯るように、そうしたお年寄りの心に火を灯すのでしょう。このように、クリスマスの喜びとは、「心に火が灯るような温かい喜び」であり、その火(喜び)を周りの人と「分かちあう喜び」だと思います。「喜びを分けあったら喜びが倍になった。苦しみを分けあったら苦しさが半分になった。」という言葉がありますが、分かちあうことの意味を私たちに教えてくれる言葉だと思います。

 イエス・キリストは「愛の人」と言われています。その生涯を通して世界中の人々に「本当の愛」を示された方だからです。そのイエス様のお誕生日であるクリスマスに、私たちも家庭や職場、仲間の中に「愛」と「感謝」を改めて感じ、伝えあう機会としたいと思います。普段は忙しいお父さんもこの日ばかりは早く帰ってきて、みんなでご馳走を囲みながら「ありがとう」を伝えあえたなら、きっと「心に火が灯り、喜びを分かちあう」、素晴らしいクリスマスになることでしょう。どうぞ、よいクリスマスをお過ごしください。そして、新しく迎える一年も各ご家庭の上に神様の祝福が豊かにありますことをお祈りしています。

「私たちは忙しすぎます。ほほえみを交わすひまさえありません。
 ましてや、愛を与えたり、受けたりするひまはないという状態です。」

「この世でいちばん美しいことは、神様が私たちを愛してくださるように
 私たちも互いに愛することです。 私たちがこの世にいるのもこの目的のためです。」(マザーテレサのことばより)


◆今月の聖句 「その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。」(ヨハネ1:9)

 つらい時、悲しい時、不安の中にいる時、わたしたちの心は暗い闇に包まれてしまいます。しかし、イエスさまはどんな時にも私たちと共にいて下さって、闇夜を照らす光となって、わたしたちに希望を与えてくださいます。聖書に書かれている言葉は2000年も前のものですが、イエスさまはその長い年月を超えて、これまでずっとたくさんの人たちを、そして今もなお、私たちを照らしてくださっているのだから本当に驚きですし、まさしく「まことの光」だと思います。その光の中で毎日を過ごせる私たちは本当に幸せだと思います。

 世界には今この時も、困っている人、悲しみの中にいる人がたくさんいます。それらの人たちの上にもイエスさまの光が照らされるように、温かいクリスマスが訪れるように、みんなで祈りましょう。(子どもの礼拝要旨)


園長 石川 勇