昭島幼稚園
昭島幼稚園
幼稚園について
保育理念
幼稚園のご案内
先生たちのご挨拶
学校評価
未就園児のご両親へ
幼稚園の一日・一年
園内・園外のあそび
未就園児サークルのご案内
さくらんぼの会のごあんない
お母さんたちの声
ブログ
先生のブログ
園長先生のつぶやき
くりすのへや
アクセス
お問い合わせ
TEL: 042-541-0753
先生のブログ
園長のつぶやき
園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです
2024年11月 脱便利!
2週間前
◆共に生きる -脱便利!-
11月を迎え、だんだんと秋も深まってきました。この季節に公園に出かけると、木々が紅葉している様子が見られたり、どんぐりを見つけたりすることができます。もちろん、幼稚園の庭にも、近隣の地域の中にも「小さな秋」を見つけることができます。子どもたちは、いろんな場所で「実りの秋」と出合い、感じ、この季節を楽しみながら過ごしています。幼稚園では、この秋も「収穫感謝の礼拝とパーティー」を予定していますが、ゆたかな秋を与えて下さった神さま、多くの実りを与えて下さった神さまに対して、みんなで感謝を表す機会としたいと思います。
今月は「脱便利!」というテーマでつぶやいてみました。脱便利というと少々オーバーかもしれませんが、何気なく過ごしている日常生活の中で、便利さの陰となって忘れられがちな、でも「大切なこと」がけっこうあるのではないかと思います。今月はそれをご一緒に考えてみましょう。
便利さと考えると、まず私の頭に浮ぶのは「ドラえもん」です。四次元ポケットから「あったらいいな」と思うものを次から次へと出し、のび太を手助けしていくというおなじみのストーリーですが、その裏にはもうひとつ大切なメッセージが流れているように思います。番組を見ていると、ドラえもんは、道具の便利さにすぐに溺れてしまうのび太をいつも心配しています。つまり、便利なものに依存すると自分では努力や工夫をしなくなる、便利さを私利私欲のために独占しようとすると自分勝手になる、便利さを求める欲求(もっと便利にという欲求)には際限がないなど…、便利なものに飛びつき、依存したり、独占したり、更に求めたりしてしまう人間の弱さや、便利さの陰にある大事なもの(努力、協力、工夫、がまんなど)を見落とさないようにしましょうという作者からのメッセージが伝わってきます。
確かに私たちの生活は日進月歩で、一昔前と比較しても飛躍的に便利になり、快適になりました。しかし、それによって人間の感受性、生活力、工夫力、忍耐力、ものを大切にする心、感謝の心など…たくさんの性質や能力が失われてきているとも言えるのではないでしょうか。時代をさかのぼって便利さを捨てることはできないにせよ、どっぷりと便利さの中に浸かっているだけでは「ドラえもんに心配されるのび太」のようになってしまいます。
“Plane living and high thinking”という言葉があります。簡素な生活の中でこそ高い思想が養われるという意味あいですが、生活の中に「あえて」手間のかかることを入れてみたり、不便な要素を加えてみたりすることはとても意味があると思います。手間や不便さは工夫や協力、相談などを生み出し、必要な技能や知識を養うきっかけともなるからです。例えば、食についても自家菜園(プランターでも十分)などで農作物を栽培することはとても手間がかかることであり、不便なことです。しかし、収穫までの一連の作業を通して、必要な技能や知識と出合い、家族の協力や会話が生まれ、食する喜びに与ることができるのです。これはスーパーで買うという便利さの中では味わうことのできない経験です。このほかにも、電気や時計を使わないで過ごす日を設けてみたり、車や自転車を使わない一週間を過ごしてみたりと、アイデア次第で「手間や不便さ=簡素な生活」を味わうことができると思います。どうぞこれからもメリハリのある質の高い生活を目指して過ごしてまいりましょう。
◆今月の聖句 「主に賛美の歌をうたい、聖なる御名を唱え、感謝をささげよ」(詩篇30:5)
収穫感謝祭を迎えるにあたって、今月はこの聖句が与えられています。
収穫感謝祭の起源は、1620年9月6日にイギリスの清教徒と呼ばれる102名のクリスチャンたちが、メイフラワー号に乗って大西洋に船出したことにさかのぼります。彼らが、北アメリカのプリマスに上陸したのは11月の寒い空の下でした。そして、最初の木小屋が建ったのが、ちょうどクリスマスの日。異郷の地で迎える冬は厳しく、食べる物も着る物もほとんどなく、農耕のすべも知らず、飢えと寒さと病気で半数が死にました。やがて春が来た頃、親しくなった先住民族から種子をもらい農耕を教えられました。トウモロコシ、エンドウ、大麦、小麦などです。初めての収穫の秋。彼らは、予想以上の豊かな収穫に、教会で、家庭で、収穫感謝の礼拝をささげました。苦しかった忍耐の生活を振り返りつつ「小さな種子の芽を育て、太陽を輝かし、雨を降らせ、成長させて豊かな実りをお与え下さった神に感謝します」と心からの祈りをささげました。そして、友だちになった先住民族を招いて、小麦とトウモロコシでパンとケーキをつくり、七面鳥をとってきて一緒に喜びのパーティーを開きました。それが、11月に感謝祭を開いた最初です。その後240年余り経って、リンカーン大統領が、国の祝日に11月の第4木曜日を感謝の日と決めました。アメリカでは、この日、果実や木の実を料理し、開拓の労苦と神の恵みを思い起こしつつ、感謝することの大切さを教えています。
都市型のライフスタイルにあって、普段の生活ではなかなか感じることができない自然の恵みや、収穫の喜びかもしれませんが、「日々の食べ物を与えられている感謝」は私たちが忘れてはいけない感覚であり、精神だと思います。どうぞご家庭においてもこのことを皆さんで話し合い、食への思いを新たにされたり、またお子さんの食への関心を高めたりする機会としていただければ幸いです。
園長 石川 勇
2024年10月 振り返り
1ヶ月前
◆共に生きる -振り返り-
活動の2学期、幼稚園では秋の季節をこころと身体いっぱいに感じ、ゆたかに過ごしています。そんな中、先日は大きな取り組みでもあるプレーデーが行われました。この機会を通して子どもたちは「広い場所で思い切り身体を使ってあそぶ」楽しさを体験できたのではないかと思いますし、ご来場くださったお家の方々には、お子さんのがんばる姿や、楽しんでいる姿をご覧いただき、成長を感じていただける機会となったのではないかと思っています。良いプレーデーとなるよう、たくさんの方々にお手伝いいただきました。あらためて皆様のご協力に感謝申し上げます。
さて、今月は「振り返る」ことについてご一緒に考えてみましょう。節目を迎えた時や、方向性・目標を定めようとする時などに、よく私たちは「振り返る」という行動をします。仕事でも「振り返る」ことは、良い仕事する上で重要なルーティンの一つです。振り返ることには、「良かったことを確認し、正すべき課題を整理して、それらを次に生かす」という意味と、「経験したことを深く心に刻む」という意味があるように思います。
時間は私たちが考えようと考えまいと過ぎていきますし、記憶も時間とともに薄れていきます。ですから、同じ時間ならば、「なんとなく過ぎていく時間よりも充実した時間を過ごしたい」、「あいまいに記憶するよりも鮮明に記憶しておきたい」と誰でも願うのではないでしょうか。そこで、「日々の振り返り」が大切になってきます。毎日日記をつけることは大変かもしれませんが、一日の終わりにその日を振り返る時を持ち、印象に残ったことを一言メモしてみたり、明日に向けて小さな目標を考えてみたりするだけでも、新鮮な気持ちで次の日を迎える、あるいは深く心に刻むことにつながっていくと思います。特にお子さんの一日は大人以上に貴重なものとして考え、ぜひお子さんとも一緒に「振り返る」時間を大切に、そして楽しんでみてください。
『のろくてもいいじゃないか 新しい雪の上を 歩くようなもの
ゆっくり歩けば 足跡がきれいに残る』 (星野 富弘「雪の道」1986年)
お子さんとじっくりと向きあって過ごせる時間は案外短いものです。先を急ぎ、前ばかり見て歩いたり、(ただただ何となく)惰性で歩いたりしていては大切なものを見落としてしまいます。人生の土台となるこの幼児期だからこそお子さんと一緒にゆっくり丁寧に、また充実して毎日を歩んでいきたいものですね。将来振り返った時に、きっとご家族の思い出の中に「いつまでも消えない足跡」がきれいに残されていることでしょう。
◆今月の聖句 「いかに楽しいことでしょう 主に感謝をささげることは」 (詩編92:2)
秋の季節を迎えました。「~の秋」というように秋にはいろいろな名前があります。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋…といった具合です。暑かった夏が過ぎ、涼しく過ごしやすくなりました、私たちもいろいろな秋を見つけて、感じて、いろんなことにチャレンジしてみましょう。
その中でも今日は「実りの秋」について考えてみましょう。秋は神さまのめぐみをたくさん感じられる季節です。私たちの食卓にはこの秋に収穫したたくさんの食べ物が並べられ、森に出かければそこに住む動物たちのご飯になるたくさんの実りを見ることができます。この神さまのめぐみは私たちだけでなく、世界中の人たちからお山に住む動物たちまでに及び、みんな神さまのめぐみの中で生きているのです。ですから私たちも「与えられているめぐみ」に気づき、神様にありがとうをお伝えしましょう。讃美歌を歌う歌声、私たちの祈る声が神さまに届きます。それだけではなく、「私たちの心」も神さまに届くのです。ですから、どういう心で讃美歌やお祈りをお捧げするのかが大切ですね。
うれしい心とありがとうの心、そして素直な心で一緒に賛美を捧げ、しっかりと耳を傾け、心を合わせてお祈りを捧げたいと思います。この秋、心も大きく育てましょう。(子どもの礼拝要旨)
園長 石川 勇
2024年9月 経験
2ヶ月前
◆より良い幼児期を目指して -経験-
夏休みが終わり、2学期がスタートしました。今学期は「活動の2学期」と位置づけて、秋から冬へと移りゆく季節をこころと身体いっぱいに感じ、楽しみたいと思います。今学期もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今月は子どもたちの「経験」についてご一緒に考えてみましょう。何によらず私たちは「経験」に基づいて考え、また行動して今を過ごしています。目の前にある出来事をそれまでに経験した出来事とすり合わせながら想像し、見通しを立ててどう行動したらよいのかを考えます。ですから経験のないことに遭遇すると、どのように行動したら良いかわからずに戸惑い、大きな不安や心配を抱きます。
ある動物園に「泳げないペンギン」がいたそうです。このペンギンはヒナの時にお母さんを亡くし、その後は飼育員さんが育てたそうですが、泳ぐことを教えるのは非常に困難で、結局泳げないペンギンになってしまったそうです。ペンギンにとって泳げないことは致命的であり、当然自然界では生きていくことができません。ペンギンが一人前に育ち、生きていくにも親から子への教育があり、また経験を積み重ねていく日々が必要であることを思わされるお話です。
人間にも社会の中で一人前として生きていくために大切な「知恵や業」があると思います。そしてこれらのものは幼い頃から教えられ、また経験を積み重ねながらだんだんと身につけていくものです。ですから、子育てにおいて目標をしっかりと持ちつつ、かつ長いスパンで(時間をかけて)焦らずにゆっくりと関わり(教え)、経験させてあげることが必要なのです。昔と違って、今は生きる術を教えてくれる周囲の大人(おじいちゃん、おばあちゃん、近所・地域の人など)が身近にほとんどいない時代ということもあり、ご両親の役割はおのずと増えているかもしれませんが、人間版「泳げないペンギン」にしないためにも家庭の教育や経験について今一度考えてみることがとても大切であると思います。
20年かけて、お子さんを「自分の足で歩けるように」見守り、育てていくことが子育ての目標であり、子育ての醍醐味であると思います。子育ては決して親の思い通りの子どもにしていくことではありませんし、逆に子どもの思う通りに何でもしてあげることでもありません。どうぞこれからもお子さんの成長にとって「いい経験」を積み重ねていけるよう、ご家庭での関わりや環境を考え、実践してまいりましょう。
◆今月の聖句 「あなたがたはキリストの体であり、また、一人一人はその部分です。」 (コリントⅠ12:27)
体は、手や足、鼻や口というようにいろいろな部分が集まってできています。手には手の、足には足の、鼻も口も、みんなそれぞれに違う仕事をして、でも互いに協力し合って体のために働いています。例えば、ご飯を食べる時には目や鼻が働いてそれがおいしいものなのか、どこにあるのかを確かめます。そして、手や指が働いて食べ物をつかみ、口に運びます。口は食べ物を小さく噛み砕いて体の中に入れるお仕事をしてくれます。さらに、おなかの中にもそれを消化して栄養にするためのいろんな働きを持つ部分があって私たちは生きていけるのです。これらの部分でどこが一番偉いかとか、凄いかとか考えても仕方ありません。むしろ体のためにみんなが協力して働くことが大切ですし、体にとってそのすべてが必要なのです。
さて、体の部分が違うように、私たち一人ひとりも皆それぞれに顔も性格も、得意なことも違っています。お話しが上手な人、よくお話が聞ける人、歌の上手な人、やさしい人、頭のよい人、体が強くて力持ちの人…。このように一人ひとり違う私たちですが、やはり誰がこの中で一番偉いとか、凄いとか考えても仕方ありません。体の部分のように、つながっているイエスさまの御用をお手伝いできるように自分の力を発揮し、みんなと協力していくことが大事なのです。イエスさまの御用とは何でしょうか。それは、「平和な世界、人々が互いに愛しあえる世界」を作る事です。
幼稚園でも、お家でも、これから大きくなって大人になっても、ずっとイエスさまにつながっている私たちでいましょう。そして、それぞれの力を発揮して、周りの人たちと力をあわせ、平和な世界、互いに愛しあうことができる世界を作れる私たちになりましょう。(子どもの礼拝要旨)
園長 石川 勇
2024年7月 安定と刺激
4ヶ月前
◆より良い幼児期を目指して -安定と刺激-
幼稚園では毎日元気な子どもたちの声が響き、いよいよ充実して毎日を過ごしています。気がつけばまもなく一学期の終業を迎えようとしています。それぞれに新しい環境の中でスタートした今学期でしたが、先生や仲間と出会い、共に歩みを重ねることができた貴重な日々であったと思います。この「出会いの一学期」を通して子どもたちは一回り大きく成長することができました。こうした「ゆたかな日々」を歩めたのも、ご家庭の本園の教育活動に対する深い理解とご協力のおかげであると教職員一同皆さんに心よりの感謝を申し上げたいと思います。
さて、間もなく長い夏休みを迎え、ご家庭でお子さんと過ごす時間も長くなりますが、ぜひ安全で有意義な夏休みを過ごしていただきたいと思います。今回、生活を豊かにするキーワードとして、「安定と刺激」という言葉をご紹介したいと思います。子どもの成長にとって毎日の生活が「安定」していることは何よりも大切です。そのためには、なるべく生活リズムを一定に保ち、活動と休息のメリハリをつけることや、子どもの生活時間(食事、就寝時間など)、環境(あそび場、テレビ番組の選別、時間管理など)を管理してあげることが必要です。また、管理するだけでなく、お子さんが自ら「見通しを持って生活できるように」いろいろと工夫してみるとよいと思います。例えば、生活の流れが目でもわかるように、起床から就寝までの時間や活動を書いた(描いた)紙を壁に貼り、お子さんと一緒に見通しを立てながら生活するのも良いアイディアですし、また、家族の役割を決めておき、お子さんにも何かの係りをしてもらったり、あるいは家事のお手伝いをしてもらったり、近日中に幼稚園から持ち帰る「夏休みのお約束表」を活用し、ご家族で夏休みの「お約束」を話し合い、皆で実行したりするのも日常生活を安定させる良い取り組みとなるでしょう。親が管理し指示する生活から、少しずつでも主体的な生活が送れるように、安定した生活を通して「自分で考え行動できる力」を身につけさせてあげたいものです。
一方の「刺激」は時々訪れる「ワクワク・ドキドキ」の機会です。夏休みはお出かけや旅行など普段できないような体験をするチャンスです。お出かけや旅行ができなくても、「公園に行って遊ぼう!」でも子どもにとっては十分な刺激となります。是非ともお子さんと一緒に計画し、「指折り数えて」その日を迎えられるようにしてあげましょう。
このように、安定した毎日の生活と、時々訪れる刺激を上手にデザインして毎日の生活をぜひ考えてみてください。夏休みは親子関係を見つめ直す時でもあると思います。成長に応じた親の関わりに気付いたり、さらに親子関係を強く、太くしたりできる時です。どうぞ夏休みを有効に使って有意義な時をお過ごしください。
◆今月の聖句 「平和を実現する人々は幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」 (マタイ5:9)
平和とは、みんなが争うのではなくて、みんながやさしい気持ちをもって支え合い、お互いを大切にしあうことを言います。人と人とが争うと「言い争い」や「ケンカ」となりますし、国と国とが争うと「戦争」となってしまうことさえあります。
神さまはこの世界をお創りになられた方であり、私たちも神さまに創られた一人ひとりです。神さまは私たちが自分勝手な考えでお互いに争い、傷つけあうことを望んでおられるでしょうか?きっとそうではなくて、私たちがお互いに助け合って、大切にしあう、「平和な世界」を作ることを望んでおられると思います。
平和を実現するとは、平和を作り出すということです。私たち一人ひとりが「平和を作り出す」気持ちを持って毎日の生活を過ごすことが大切なのです。そのためには「相手の気持ち」に気づいたり、考えたり、その人の立場になって考えたりすることが大事ですし、みんなで心や力を合わせることも大切です。
これからも、お家では家族に対して、幼稚園でもお友だちや先生に対して、「みんなが平和でいられるように」考えてすごせる皆さんでいましょう。そして、神様に喜んでいただける行いができる子どもとして大きくなっていきましょう。
(子どもの礼拝メッセージ要旨)
-夏の安全-
戸外に出る時、特に以下の点に気をつけましょう
1. 直射日光、気温
夏の日差しは身体に大きな負担をかけます。必ず帽子をかぶり、直射日光の下で長時間遊ばないように気をつけましょう。また、気温に対しても適切な判断が必要です。30℃を超えるような炎天下の中で遊ぶ時には、熱中症(日射病、熱射病)や、過度な日焼けへの対策をしっかり講じておきましょう。木陰を上手に活用して遊ぶ、涼しい場所で休憩をしっかりとることなども大切なポイントです。
2. 水分補給
子どもの体重は大人の1/3以下であることを常に考慮しましょう。身体の貯水量(タンク)が大人に比べて小さい反面、発汗量は大人と同じと考えれば、大人の何倍も給水をする必要があるというわけです。夏の季節は特に脱水症に注意が必要です。
3. TPOに合わせた服装
暑いからといって肌を露出したまま藪や森に行くのは危険です。草むらにはかぶれる草や毒虫、トゲなどが潜んでいます。夕方などにはヤブ蚊等も大量発生します。草むらに入る時には少なくとも長ズボン、靴下、靴という服装で、必ず虫除けもしていきましょう。また、万が一の時に備えてファーストエイドは用意しておきたいものです。
4. 水上安全
夏の季節に一番気をつけたいのは水の事故です。ご家庭で海や川、プールに出かける機会がある場合は、絶対にお子さんから目を離さないように、また、水温、水深、流れなどはもちろん、入水時間も必ずチェックして遊ばせましょう。また、休憩時には日陰で保温、水分補給を十分にさせましょう。特に海や川では必ずライフジャケットを着用しましょう。
5. その他
・ 規則正しい生活に心がける:就寝・起床・食事・帰宅時間など
・ 健康管理に気をつける:手洗い、うがい、寝冷え、クーラーも適度に
・ 健康に、安全に過ごせるアイディアを子どもと一緒に考え、家族で守る
-家庭でできる手軽なあそび-
■道具が必要ないもの
なぞなぞ・クイズ・ジャンケン・手遊び・歌・かくれんぼ・おにごっこなど…
■道具を使って
サッカー・キャッチボール・フリスビー・縄跳び・自転車・花火・お絵かきなど…
■工作して
魚釣りゲーム・お面・たたかいごっこ・ダンボールのお家作り・仮装・粘土など…
ちょっとしたアイディアで楽しい活動ができるはず。お子さんと一緒に計画してみてはいかがでしょうか。
園長 石川 勇
2024年6月 ベターな生活の中から
5ヶ月前
◆よりよい幼児期を目指して -ベターな生活の中から-
梅雨の季節を間近にひかえ、いよいよ夏が近づいてきました。保育も一学期の高まりを見せ、子どもたちの元気や意欲もぐんぐんと育ってまいりました。これからの日々も、遊びや友達との関係をさらに充実させていくことを願って歩んでいきたいと思います。子どもたちの毎日をどうぞご一緒に喜び、また応援してください。
さて、今月は「ベターな生活の中から」と題して、ご一緒に「より良い幼児期」について考えていきたいと思います。「ベストを尽くす」という言葉がありますが、これは自分の持っている能力を最大限に使って取り組む姿勢を表す時に使われる表現です。このような表現は学校や職場においてもよく使われます。「何事も一生懸命に取り組むことが大切です」、「業務の成績を上げるために各自のベストを尽くして」等々…。確かに目的達成のために一生懸命に取り組み、結果を出すことは素晴らしいことでもあり、自分自身にとっても大きな達成感を感じられることでありますが、同時に費やす労力も大きく、気力や体力を著しく消耗させます。過度の緊張や集中が蓄積されると、あるいは結果が伴わないような場合に、過労や挫折となって燃え尽き症候群やうつ病などの疾病につながっていくと言われています。終わりの見えない競争に疲れ果て目的を失い自殺してしまう若者達、頑張って成績を出しても翌月にはその上のノルマを課せられるような毎日の中で身体を壊してしまう人達などの話を聞くと、「何のための人生なのか」と考えさせられます。
これは子育てにおいても同じです。子どもへの期待や要求が高いほど指示や注意が増え、子どもからしてみれば「ベストを尽くし続けなくてはならない」毎日となりますし、親の求めどおりに子どもが反応しない場合には親にとっても大きなストレスとなっていきます。「何回言わせれば気がすむの!」とか、「こんなにやっているのに!」といったぐあいに…。「この子にはこんな大人になってもらいたい」と願いを持つことは素晴らしいことですが、願いは願いであって、それを「課題」にしてはいけませんし、結果をすぐに求めることも、親の思う通りにさせようと考えることも間違いです。親御さんにはお子さんの評価者ではなく、「良き理解者」になってもらいたいと思います。成長の階段を順調に上がる子もいれば、二段あがって一段降りながら成長していく子もいます。子どもにはそれぞれ個性があり特徴があるのですから、その個性や特徴を良く「理解して」あげ、「十分に認めてあげる」ことが大事なのです。皆さんには、「たとえ将来、この子が誰からも愛されず、理解されなくなっても、私だけはこの子を愛し、理解してあげられる存在でいたい」と思う親御さんになってもらいたいと心から願います。
「ベターな生活」とは、第一に現状に満足、感謝することから始まります。足りないものを探すのではなく、与えられている幸せに気づき、「今」を充実させていこうとする生活であり、自分自身に対しても等身大を心がけ、いつも心に余裕を持てるように気をつけながら、「より良く快適に」生活するための小さなアイディアを一つひとつ実践していく過ごし方です。生活の過ごし方(リズム、身辺自立、会話…)、食事、環境(部屋の使い方、明るさ、香り…)、その他(お手伝い、ベッドタイムストーリー、絵本…)など、お子さんとの生活をより充実させるヒントはたくさんあると思います。どうぞベターな生活の中から子育てを見つめ直し、お子さんの理解を深め、また家族の絆を強めて、これからもずっと続いていく家庭生活が「愛と笑顔」にあふれるように願い、歩んでまいりましょう。
◆今月の聖句 「幸いなのは神の言葉を聞き、それを守る人である。」 (ルカ11:28)
聖書を開くとたくさんの「神さまの言葉」が書かれています。独り子であられるイエスさまがその口を通して私たちに語った様々な言葉や、その教えを受けた弟子たちが書き残した言葉などです。聖書にはまた、人間の持つ性(さが)や弱さ、不完全さについても多く触れられています。私たちは他の動物とは比較にならないほどの高い知能を持つ存在でありながら、そうであるからゆえに傲慢になり、結果自らの首を絞めるような愚かさを持つ存在でもあります。
自分の命は自分のものではなく、神様から与えられたものであると考えるからこそ大切にできるのです。同じように、この世界も神さまから託されたものであるからこそ皆で平和を創り大切に残してしていかなければならないと思います。私たちは子どもたちへ「一つのものを奪い合うよりも分け合う価値」を、「限りあるものを独り占めするよりも周りの人や後の人のために大切に残す価値」を教えていかなければなりません。なぜなら、聖書に書かれている神さまの言葉は「愛と平和」そのものなのですから。
園長 石川 勇
2024年5月 好きなものを見つける
6ヶ月前
◆よりよい幼児期を目指して -好きなものを見つける-
今年度の保育が始まって一ヶ月が過ぎました。クラスや先生、友達、生活リズム・・・。こどもたちは、戸惑いながらも新しい環境に順応すべく、毎日はりきって過ごしています。一日の頑張りは、疲労になって残ります。体調を崩さないように十分に休養をとるよう心がけましょう。
さて、4月には安心できる環境作りというテーマで、「園と家庭の連携」や「フォローアップ」ということを主に考えましたが、今月はもう一歩階踏み込んで、「好きなものを見つける」というテーマで充実した幼児期を考えてみたいと思います。
「生き物好きが高じて獣医さんになった」というようなエピソードを耳にすることがあります。まさに「好きこそ物の上手なれ」の極みだとうらやましく思ったりもしますが、そこまでではないにしろ、好きなことに夢中で取り組むことは年齢を問わず、知識や能力の幅を広げ、意欲や好奇心を高めさせ、生活を充実させます。子ども達には好きなものを見つけ、とことん遊んでほしいと心から願います。
ところで、同じ環境で過ごしていても子どもによって好きなもの(興味を示すもの)は違います。嗜好は人それぞれなので当然ではあるのですが、このことを理解していない大人(親)も案外少なくないような気がします。つまり、子ども同士で興味が違うように、「親と子ども」においても興味の対象が違って当然だということです。こどもは時に親にとってあまり歓迎したくないようなものに興味を持ったり、こんなものを好きになってほしいと思うものにはまったく興味を示さなかったりする事があります。そのような場合に「~はお母さん嫌いだからやめてちょうだい」、「お父さんが小さい時にはなぁ~」とついつい批評し、興味を転換させ、親自身の興味のあるものを好きにさせようとしてしまいがちです。もちろん子どもにとって明らかに良くないものは別として、このような時にこそ「違って当然」という気持ちを持つことが重要だと思います。「へぇ~そんなものが好きになったんだ~!お父さん(お母さん)にも教えてよ」と一緒に興味を示したり、称賛したりすることができれば子どもの意欲はますます高まるでしょう。
例えば「絵」も、初めはただの線やなぐり書きのように見えるものから始まります。しかし、絵には必ず子どものテーマ(メッセージ)があるのです。その絵を以って批評するのではなく、何を描こうとしたのかを理解してたくさん褒めてあげることが子どもの意欲を高め、「また次に描いてみよう」という気持ちをつくります。絵は自分の気持ちを表現する一つの手段ですから、「正確に描く」ことよりも「何を描いたか(描きたいか)」が重要です。色使いや描く絵の大きさ、力強さに子どもの心を見ることができます。パパやママを描くのは「大好きな気持ち」の表現であり、その絵をパパやママにほめてもらうことで「自分が愛されていること」を実感できるのです。そして「次はどんなものを描こうかな?(何で喜ばせようかな?)」と想像を巡らせながら繰り返し描いているうちに、だんだんとイメージの世界が広がり、上手に描けるようになっていきます。
子どもが抱いた興味が入り口となってどの方向へ伸びていくだろうかと想像すること(ただし押しつけにならないように気をつけること)は大変結構なことだと思います。例えば、最近「虫」に興味が出てきたことが分かったならば小さな図鑑を一冊用意してやり、お休みの日にでも一緒に虫を探しに出かけてみる。捕まえた虫を飼うために一緒にその虫について調べてみる(どんなものを食べるのか、どんな環境で暮らしているのか、どんな特徴があるかなど)。このように、子どもと一緒に親も興味を持ってみると「子どもと一緒に」楽しむことができますし、昆虫の世界から動物の世界へ、そして自然へと興味の幅が広がる可能性も十分にあるのです。電車を入り口に車種やその働きを知り、お休みの日などに実際に乗りに行く経験を通して乗り継ぎや、駅(地名)の知識、やがては旅の計画、地図などへ興味が広がっていくことも考えられるでしょう。
好きなものに夢中になることで生活が充実し、そのきっかけに大人(親、教師)の共感や称賛が大きく影響すること、そして繰り返しながら遊ぶことによって上手になったり、興味の幅が広がったりしていくことを考えてまいりました。子どもと同じ土俵に立つと、その柔軟さや発想の豊かさなどに驚かされます。お子さんが見つけてくる様々な興味にできるだけ目を留めて、その楽しさを一緒に味わえていけたら素晴らしいですね。
◆今月の聖句 「主は羊飼い、わたしには何も欠けることがない」 (詩編23:1)
羊の群れを率いて養っていく人を羊飼いと呼びます。羊飼いは何百、何千というたくさんの羊を青草に連れて行き、水のほとりに導き、羊を襲うオオカミや盗人から羊を守ります。
私たちは羊のような存在で、神さまは私たちの羊飼いです。神さまは私たちを養い、危ないものから守ってくださいます。また神さまは私たち一人ひとりを愛してくださり、一人ひとりに目を留めて、私たちの心の祈りに耳を傾けてくださいます。ですから私たちも神さまに守られて安心して過ごせるのです。
羊が羊飼いを信頼して従っていくように、私たちも神さまに心を開き、信頼して、いつも「ありがとうございます」の心を忘れずにすごしていきましょう。そして、神様に喜んでいただけるような子どもになっていきましょう。(子どもの礼拝要旨)
園長 石川 勇
2024年4月 安心できる環境作り
7ヶ月前
◆より良い幼児期を目指して -安心できる環境作り-
いよいよ2024年度の保育がスタートしました。ご入園、ご進級を心よりお慶び申し上げます。今年度もこども一人ひとりにしっかりと目と心を向けて保育にあたってまいりたいと教職員一同思いを新たにしているところでありますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今月は「安心できる環境作り」という視点でご一緒に考えてみたいと思います。春は環境の変化が大きい季節です。新しく幼稚園に入園する、進級児であってもクラスや先生が替わる、新しい友達と出会うなど、お子さんにとってこの環境の変化は大人が想像するよりもはるかに大きいかもしれません。この時期、こどもたちは期待を持ちつつも、同時に不安や戸惑いも抱いているということを周りの大人がしっかり理解しておくことが大切です。新しい環境に慣れるということは、言い換えれば、新しい環境においても「安心」してすごせるようになるということであり、幼稚園はもとよりご家庭においても、新しい環境の中でお子さんが不安や戸惑いを乗り越えて「安心」していけるように環境や関わりを工夫してまいりましょう。
“お子さんが安心して幼稚園生活をすごす”上で大切なのは、「園と家庭の連携」と「フォローアップ」であると思います。お子さんが新しい環境(場所、人、生活スタイルなど)に順応していくには一定の時間が必要であり、幼稚園では担任の先生がその一つひとつに丁寧に関わり、楽しさはもちろん、戸惑いや不安もこどもたちと一緒に乗り越えていきます。何せ初めての集団生活なのですから、幼稚園で出会うもののほとんどが初めての経験であり、困ったり、つまずいたりすることもしばしばです。しかし、先生の見守りや援助の中、何度も繰り返し経験することでそれらを乗り越え、やがては幼稚園を自分の場所としていきます。ですから、こどもたちにとって担任の先生は“幼稚園でのお母さん”と言ってもいいくらい「頼りになる」、「全信頼を寄せられる」存在であると言えるでしょう。園と家庭の連携とは、特に担任の先生とお母さん(お父さん)との連携であり、お子さんを中心において両者が手を取り合うことです。そのためにまずは担任の先生との間に良好な関係を築き、なんでも相談できる間柄にしておくことが大切です。「何かしっかりしたことを言わなくては」と構える必要はありません。はじめは「先生と知り合おう」程度からどうぞお気軽にお話しください。お子さんもお母さんが楽しそうにお話している先生ならばより一層興味も持ち、好きになっていくものです。また、ご家庭の中でも折に触れて先生達の話題を出して、お子さんがより幼稚園に対して親近感を持てるようにしていくのも良いフォローだと思います。お子さんが困った様子を見せているようなときには、「何で?どうして?」と質問攻めにしたり、「~だからよ、もっとこうしなさい」的な指示的な声かけをしたりするよりも、「そうなの。それは困ったわね。明日一緒に先生に相談してみようね!」と言ってあげたほうがお子さんもずっと肯定的に受け止められるはずです。
最後になりますが、新しい環境の中でさまざまなチャレンジをしてくるこども達の疲労も忘れてはいけません。ハイテンションになる、機嫌が悪くなる、わがままになる・・・。これらは代表的な疲労の現われですから、叱ったりせずにゆったりと構えて、静かに遊べるものを用意するなど、十分に休息がとれるようにしてあげましょう。そして、お子さんが話したいようなら十分に時間をかけて聞いてあげましょう。逆にあまり話したくないようなら、そっとしておいてあげましょう。一日幼稚園ですごしてきた情報量とは相当なものです。それを言葉にして、さらに感想も加えながら話すという作業は大人でも難しいですね。こどもの話というものは断片的で、突然で、そこから全体像を想像することはなかなか難しいものです。しかし、自分の発見したもの、うれしかったことなどを一生懸命にお話ししようとしているのですから、そのことに共感して、「お話ししてくれてありがとう。ママ(パパ)嬉しかったよ」とひと言伝えてあげれば「ぼく(わたし)の嬉しいことはママ(パパ)も嬉しいんだ」、「今度もまたお話ししたいな」という気持ちになります。お子さんの話したい気持ちを育んであげるにはよく話を聞いてやること、その話に共感してやることです。
皆さんが選ばれた昭島幼稚園です。これから始まる生活をお子さんと共により主体的に、そしてエンジョイしながら、先生達やお友達、父母の皆さんと良い出会いをしていただきたいと心より願い、また応援をしております。幼稚園はお母さん(お父さん)も安心してすごせる場所なのですから。
園長 石川 勇
2024年3月 幸福感
8ヶ月前
◆愛の中で育つ -幸福感-
今年度の保育も残すところあと一週間となりました。今年度もここまで神さまに守られ、父母の皆様と心を合わせて歩んでこられましたことに深心よりの感謝を申し上げます。
毎日の保育を通して、子どもたちは一回りも二回りも大きく成長いたしました。仲間との生活は一人ひとりを勇気づけ、励まし、時にはケンカもありましたが、互いに許しあうことを教えてくれる機会でもありました。困っていたり、泣いていたりした時、差し伸べられたお友達の手に、何人の子どもが勇気をもらい、その優しさに支えられて涙を乗り越えたことでしょう。子どもたちにとって幼稚園の毎日は、まことに「かけがえのない」日々でした。卒業を迎える年長組の子どもたち、お引越等で退園する子どもたちには、この場所で得たたくさんの自信や優しさを胸に、新しい場所でも一人ひとりらしく輝き歩んでいけるように、また進級を迎える子どもたちには、新しい年度も幼稚園で「かけがえのない毎日」を友達と一緒に過ごしながら、さらに大きく成長していけるように心から祈り、また応援しています。
お別れを前にすると、一層「一人ひとりの人生が幸せであってほしい」との願いが強くなります。幸福感は人によって違うのかもしれませんが、与えられた人生を「いきいきと生きること」こそ人間にとっての大きな幸せと言えるのではないでしょうか。マザーテレサの言葉に「人間にとって一番ひどい病気は、誰からも必要とされていないと感じることです。」というものがありますが、年間3万人もの人達が自ら命を絶つ日本、ユニセフの調査によると、なんと日本の子どもの3人に1人は「孤独」を感じているそうです。大人であっても孤独感に包まれながらいきいきと生きられる人などいません。ましてや子どもであればなおさらです。これは本当に深刻な問題であると思います。「誰かに必要とされている」と感じることで、はじめて人は自らを生かし、そしてまた幸せを感じることができるのではないでしょうか。
最後に、星野 富弘さんの詩に「幸せという花があるとすれば その花のつぼみのようなものだろうか 辛いという字がある もう少しで幸せになれそうな気がする」というものがあります。「幸せ」と「辛さ」、一見対極にあるような言葉ですが、決して反対にあるわけではなさそうです。人を育てる業は簡単なものではありません。時には辛いと感じることもあるでしょう。しかし、その辛さと向き合い、ひとつずつ乗り越え、解決していこうとする歩みの先に、「幸せ」は待っているということでしょう。この先まだまだ続く長い子育ての道のりですが、その時々に「心をこめて」、愛と幸せがいっぱいの「楽しい子育て」をしてまいりましょう!
◆今月の聖句 「神の国はあなたがたの間にある」(ルカ17:21)
イエスさまは聖書の中で、神さまの国はここにある、あそこにあるというように目に見えるものではなく、目には見えないけれど「自分とお友達の間にある」とおっしゃっています。不思議なことだけど、うれしいことですね。この1年、2年、3年間の幼稚園でお友達と一緒に大きくなりました。その間も自分とお友達の間には神さまがずっといらっしゃって、やさしく守ってくださったのですね。4月になると皆さんは一つずつ大きなクラスになるし、年長組の人たちは小学校一年生になります。皆さんにはもっとたくさんのお友達ができるし、もっと仲良しのお友達ができるでしょう。新しいクラスや学校でも、神さまが皆さんと新しいお友達との間にいらして下さいます。だから安心して、自信をもって大きくなっていけるのです。
神さまが教えてくださった「平和」、これからも平和をつくりだす一人ひとりでいましょう。ゆずりあう心、支えあう心が平和をつくり出す大切な心ですから、お友達との間に「平和」がいつもあるように心がけて、自分も大切にして過ごしてまいりましょう。そして、これからも神さまに「ありがとうの気持ち」を持って、神さまに「喜んでいただける子ども」として大きくなっていきましょう。(子どもの礼拝要旨)
園長 石川 勇
2024年2月 IからWeへ
9ヶ月前
◆愛の中で育つ -IからWeへ-
今年度の保育もいよいよ終盤を迎えました。近隣でもインフルエンザなどの流行性疾患が流行っていますが、この時期を特に注意して過ごし、ご家族の健康も含めて皆で健康を守ってまいりましょう。
さて、今月は「IからWeへ」というテーマで楽しい子育てを考えてみたいと思います。子育ての悩みベスト3というと、「子どもの将来についての不安」、「しつけに関する心配」、「親自身の子育てのストレス(叱る、イライラしてしまう)」だそうですが、皆さんはいかがでしょうか。一方で、現代の子育て事情で課題となることとして、「孤独の中の子育て」が指摘されています。核家族化の中で、あるいは地域性の崩壊の中で、家庭の中にも、地域の中にも、「相談したり、頼れたりする存在がない」ところで子育てをしなければならない人が多いということです。
孤独感をいっぱいに抱いて子育てにあたるとすれば、「一つひとつを丁寧に」とか、「待つことが大切」とか、子育てを指南する言葉も、「そうできない現実」にかえって戸惑い、悩み、挫折感すら与える言葉となってしまうでしょう。また、将来に対して、しつけに関して、不安や心配が先に立つほど、叱る、干渉することも多くなってしまいます。理想は、「親も子ものびのびと笑顔いっぱいに過ごしたい」はずが、現実の子育て環境はそうではないというケースが決して少なくないのです。子育ての理想と現実、私たちはこの狭間で子育てにあたっていますが、何とかこの孤独感を払しょくし、子育てが楽しいと思えるようにしたいものです。
私は幼稚園がその問題を解決する一つの糸口になれたらいいと思っています。幼稚園の毎日がお子さんを育てるのみでなく、お子さんを通してお母さんが、あるいはお父さんが、その輪を広げ、共に楽しい子育てに向けて「心と力を合わせられる」仲間へと育っていけるならば、こんなに心強いことはありません。「自分は孤独ではない、夢いっぱいの子どもの将来に向かって歩いて行こう」と思えるような子育てを皆でしていこうではありませんか。
“IからWeへ”、“私の子どもから私たちの子どもへ”、これからも幼稚園を最大限に活用して、お仲間と積極的に出会い、関わり、共に楽しい子育てに向けた日々を過ごしてまいりましょう。
◆今月の聖句 「その賜物を生かして互いに仕えなさい」 (ペテロⅠ 4:10)
神さまは私たち一人ひとりに「賜物」を与えて下さっています。世の中には、頭のいい人、力の強い人、歌声の美しい人、足の速い人、音楽を奏でることができる人、話の上手な人、やさしい人、ユニークな人・・・。いろんな良いところを持った人がいます。みんな一様ではなく、それぞれに違う良いところがあるのです。このように、その人ならではのキラキラ光る良いところを「賜物」といいます。
聖書の言葉には「その賜物を生かして互いに仕えなさい」と書いてあります。互いに仕えるということは、その賜物をお互いのために用いていくということです。自分に与えられている賜物を自分のために使っても、それは神さまのお心ではありません。そうではなくて、自分の賜物を他の誰かのために用いるために神さは私たち一人ひとりに賜物を与えて下さっているのです。例えば、頭のいい人が自分のお金儲けのためにその頭脳を使ったとしても、あるいは力の強い人が威張るためにその力を使ったとしても、神さまはお喜びになりません。もちろん周りの人たちからも喜んでもらえないでしょう。
ノーベル賞という賞があります。これは世界中で「人の役に立った」行いや発見、発明をした人に贈られる大変立派な賞です。世界の平和のために、あるいは人々の暮らしが便利になるように、地球を守るために・・・。たくさんの行いや研究がありますが、この賞を受ける人は、誰もが「人々のために自分の賜物を生かした」人たちです。このように、人のために自分の賜物を用いた時に周りの人たちから感謝され、神さまにも喜んでもらえるのだと思います。
私たち一人ひとりにも神さまはちゃんと賜物を与えて下さっています。これからだんだん大きく成長し大人になっていく中で、自分に与えられている賜物は何かを見つけていきましょう。そして、その賜物を周りの人たちのために用いていける人になっていきましょう。 自分のいいところは、案外自分よりも周りの人の方が知っていたりもします。ずっと一緒にすごしてきた3学期、よくわかりあっている皆さんだからこそ見つけられる、お友達の「良いところ探し」をしていけたらいいですね。 (子どもの礼拝要旨)
園長 石川 勇
2024年1月 オンリーワン
10ヶ月前
◆愛の中で育つ -オンリーワン-
2024年がスタートしました。今年も教職員一同、皆さんと共に「子どもが子どもらしく、のびのびと育つことのできる場」を守り、提供できるよう、心と力を合わせて歩んでいけたらと願っております。皆さまには様々な場面でご協力いただくこともあるかと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
とりわけ、年度の終わりにあたるこの学期は「共に喜びあう3学期」と位置づけて過ごしていきたいと考えています。4月からの歩みを通してこそ感じられる、また1年間、2年間、3年間の関わりの中でこそ感じられる「自分と友達の成長」を共に喜びあう日々を過ごす中で、その喜びが子どもたち一人ひとりの「自信」となって次なる成長や環境への「意欲と期待」につながってほしいと願っています。
皆さんもよくご存じの「世界に一つだけの花(槇原敬之)」という歌があります。この歌の歌詞には「この中で誰が一番だなんて争うこともしないで、バケツの中誇らしげにシャンと胸を張っている…」とのフレーズがありますが、これらの言葉から、「自分に与えられた賜物(自分らしさ)を十分に生かして自分の花を咲かせるように生きていけばいいんだよ」という作者からのメッセージが伝わってきます。
子どもの成長に対する考え方にも同じことが言えると思います。親としてお子さんを見る時に、周りの子どもと比較して、「あれができていない、これができていない」とお子さんの良い面ではなく、心配や課題ばかりをついつい見てしまいがちですが、そんな時はもしかすると、「一番近くに咲いている我が子の花の美しさに目を留める事を忘れ、他の花ばかりに目が向いている状態」になっているかもしれません。子どもにはそれぞれに咲かせている花の色や形が違います。が、しかし、「どれもが美しい」のです。お子さんが咲かせている花(=世界に一つしかない花)にしっかりと目を留めて、その色や形を受け入れ、好み、愛していくことがその花を「誇らしげにシャンと胸を張らせる」原動力となっていくのではないでしょうか。
幼稚園で咲き誇るたくさんの花を皆で眺めながら、それぞれの美しさに目を留めて、その違いを豊かさとして受け入れ、一つひとつの成長を心から喜びあえる3学期をご一緒に過ごしてまいりましょう。
◆今月の聖句 「人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい」 (ルカ6:31)
ある町に二人の人が引っ越してきました。はじめの人がその町に入ると、一人の老人が椅子に座っています。「こんにちはおじいさん。私は新しくこの町に引っ越してきた者ですが、この町はいい町ですか?」と、その人が老人に尋ねました。すると老人は「あなたの住んでいた町はどんな町でしたか?」と尋ね返します。「いやぁ前の町はひどい町でした。みんな自分勝手で人の悪口ばかり言って、ようやくこうして引っ越すことができて清々していますよ。」その人がそう答えると、「この町もあなたが住んでいた町と同じくらいひどい町ですよ。みんな自分勝手だし、人の悪口を言う人ばかりです。」と老人は言いました。その人はがっかりしました。
次の人がその町にやってきました。町の入口に老人が座っています。「こんにちはおじいさん。私はこの町に引っ越してきた者ですが、この町はいい町ですか?」すると老人は「あなたの住んでいた町はどんな町でしたか?」と同じように聞き返しました。「私の住んでいた町は素晴らしい町でした。みんな協力的で支えあい、温かい人ばかりで、本当は引っ越したくなかったのですが、仕事で仕方なくこの町にやってきたのです。」とその人は答えました。すると老人は「この町もあなたの町と同じくらい素晴らしい町です。皆優しく、協力的で温かい人ばかりですよ。」と答えました。その人はとても喜びました。
「人が周りをどう見るかは、周りの人がその人をどう見ているかの鏡」であることを教えられるお話です。つまり、周りに対して不平不満を持つ人は、周りの人からみてもとっつきにくい存在で、結局どこへ行っても周りに不平不安を持ち、悪口を言う人でしょうし、周りに対して肯定的になれる人は、周りからみても協力的であり、馴染みやすい存在で、どこへ行っても肯定的に過ごせる人です。
人にやさしくしてもらいたいと思う人は、人にやさしくできる人になりましょう。お話を聞いてもらいたいと思う人は、友だちの話をよく聞ける人になりましょう。自分だったらこうしてほしいと思うことをお友達に対してしてあげられる人になりましょう。今月はこのみ言葉を覚えて過ごしましょう。(子どもの礼拝要旨)
園長 石川 勇
1
次 ›
»