2013-02-15 10:08よりよい幼児期を目指して
◆よりよい幼児期を目指して -⑩輝いている人-
「共に喜びあう3学期」もいよいよ残すところあと一ヶ月となってまいりました。限りある残りの日々をますます大切にして、お子さんのこれまでの成長に目をとめ、喜びあって過ごしていきたいと思います。1月に猛威を振るったインフルエンザも少しずつ下火になってきたものの、まだまだ油断はできません。大切なこの時期、ご自身はもとより、特に互いの健康を守りあって過ごしてまいりましょう。
さて、今月のテーマは「輝いている人」です。昭島幼稚園の子どもたちが、「それぞれに輝き、生き生きと日々を過ごせている」ことは、親御さんにとっても、我々教師にとってもこの上ない喜びであります。子どものみならず、「輝いて生きる」ことは私たちの人生の目標でもあると思います。しかし、残念ながらそうではない人も社会には大勢いることが実情です。子どもたちには、これからも「輝いている人」として長い人生を歩んでいってもらいたいと願うばかりです。
以前にあるお父さんとお話した際に、「通勤途中に電車で見かける多くの子どもの眼が、昭島幼稚園で見てきた子どもたちの眼と全く違い、輝きを失っているような感じを受ける」、「幼稚園を卒業してわずか2~3年でそうなってしまうのか、もともと輝いていないのか分からないが、そういう子どもの眼を見ると悲しくなってくる。昭島幼稚園の子どもたちのあの輝きは宝だと思う!」とお話してくださいました。本当にそうだなと思わされた機会でした。私は、子どもたちの「輝き」を生むキーワードは、「安心感」と「意欲」ではないかと思っています。家庭にせよ幼稚園にせよ、「ありのままの自分」が受容されているという絶対的な安心感があるからこそ、結果を恐れずにいろんなことに挑戦してみようとする意欲が生まれます。その意欲が認められることで、意欲が自信になり、同時に自尊心が養われ、より高い次の挑戦への意欲とつながっていくのではないか、そして、こうした成長のサイクルが繰り返されていくことで、電気を生むタービンのようにグルグルと自らの中に「輝き」が生まれ、その明るさを増していくのではないかと考えています。逆に、「いい子」でいなければ受容されない、上手に立ち振る舞わなければ馬鹿にされる、無視されるなどの「環境上の不安」や、設定された通りに間違えないよう覚える、正確に歌う、見本の通りに描くなどの「結果を重視した要求」の中では、意欲を高めることも、輝きを生むことも難しくなるのではないかと思います。
「輝いている人」とは自分を大切にし、人を大切にできる人です。物事を肯定的にとらえて、主体的に行動できる人であり、また好奇心旺盛で、明るく意欲的、飾らずに等身大の自分をさらけ出せる人でもあります。幼稚園の親御さんの中にもそのような「輝いている人」を何人も見ることができます。周りまで元気にしてくれる、そのような親御さんがいてくださることを嬉しく、また大変心強く感じております。しかし、子育てには様々な時があり、時には辛く感じる時期もあるかもしれません。「子どもがかわいくない」、「子どもにやさしくできない」などの悩みを抱える時もあるでしょう。ご自身で「心の余裕がなくなったな」と思った時はどうぞ迷わず、遠慮なく、幼稚園にお話しに来てください。もちろんお仲間同士で相談することも良い方法でしょう。「ご自身の心にいつも余裕を持つ」ことを心がけ、ひとりで悩みを抱え込まないようにすることが辛い時を乗り越える秘訣であると思います。
来週にはいよいよ「成長を祝いあう会」がもたれます。まぶしいくらいに輝いている子どもたちの意欲と期待をご一緒に感じあい、心から喜びあえる時といたしましょう。そして、これからも子どもたちに負けないくらいに「輝いている人」として子育てのこの時を過ごしてまいりましょう。
◆今月の聖句 「隣人を自分のように愛しなさい」 (マタイ22:39)
隣人とは「自分の周りにいる人」のことです。今となりに座っているお友達もそうですし、同じクラスのお友達や先生も隣人です。昭島幼稚園のお友達や先生も隣人といえるでしょう。もっと広げて考えてみると、毎日お祈りをしている石巻栄光幼稚園のお友達も、また海を越えてはるか遠い国に住んでいるバングラデシュのお友達も祈りでつながる隣人だと思います。
その隣人を「自分のように愛しなさい」というのが今月の聖書の言葉です。幼稚園のお友達を自分のように大切に考えて、困っていたり、悲しんでいたりする時は、助けてあげられるみんなでいましょう。また、遠い場所に住んでいる石巻栄光幼稚園のお友達や、バングラデシュのお友達のことも忘れずに、いつもお祈りできるみんなでいてほしいと思います。(子どもの礼拝要旨)
親御さん同士も互いに分かりあい、支えあえる良い仲間であり続けましょう。
園長 石川 勇