園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです

2012年度1月 ⑨オンリーワン

2013-01-18 18:17よりよい幼児期を目指して

◆よりよい幼児期を目指して -⑨オンリーワン-
 
 2013年がスタートしました。今年も教職員一同、皆さんと共に「子どもが子どもらしく、のびのびと育つことのできる場」を守り、提供できるよう、心と力を合わせて歩んでいけたらと願っております。皆さまには様々な場面でご協力いただくこともあるかと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。健康でゆたかな一年としてまいりましょう。

幼稚園の3学期が始まりました。年度の終わりにあたるこの学期は「共に喜びあう3学期」と位置づけて過ごしていきたいと考えています。4月からの歩みを通してこそ感じられる、また1年間、2年間、3年間の関わりの中でこそ感じられる「自分と友達の成長」を共に喜びあう日々を過ごす中で、その喜びが子どもたち一人ひとりの「自信」となって、次なる成長や環境への「意欲と期待」につながってほしいと願っています。

さて、皆さんよくご存じの歌である「世界に一つだけの花(槇原敬之)」には「花屋の店先に並んだいろんな花を見ていた。人それぞれ好みはあるけど、どれもみんなきれいだね。この中で誰が一番だなんて争うこともしないで、バケツの中誇らしげにシャンと胸を張っている…」との歌詞があります。この曲のテーマは、「自分らしく生きる」であると思います。人と比べて優越感や劣等感の中で一喜一憂するのではなく、自分に与えられた賜物(自分らしさ)を十分に生かして「自分の花を咲かせるように生きていけばいいんだよ」という作者からのメッセージが、何年もの間、世代を超えて多くの人達の共感を生み、そしてきっとこれからも生んでいくであろう、2000年代を代表する名曲ですが、「子どもの成長に対する考え方」にも同じことが言えると思います。親としてお子さんを見る時に、ついつい(しばしば)周りの子どもと比較して、「あれができていない、これができていない」とお子さんの良い面ではなく、心配や課題ばかりが気になってしまう時もあるかと思います。そんな時はもしかすると、(この歌に例えれば)「一番近くに咲いているはずの我が子の花の美しさに目がとまらずに、他の花ばかりに目を向けている状態」になっているかもしれません。子どもにはそれぞれに咲かせている花の色や形が違います。が、しかし、「どれもが美しい」のです。お子さんが咲かせている花(=世界に一つしかない花)にしっかりと目を留めて、その色や形を受け入れ、好み、愛していくことが、その花を「誇らしげにシャンと胸を張らせる」原動力となっていくのではないでしょうか。

 幼稚園で咲き誇るたくさんの花を皆で眺めながら、それぞれの美しさに目を留めて、その違いを豊かさとして受け入れ、一つひとつの成長を心から喜びあえる3学期をご一緒に過ごしてまいりましょう。

 
◆今月の聖句 「人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい」 (ルカ6:31)

 
 ある町に二人の人が引っ越してきました。はじめの人がその町に入ると、一人の老人が椅子に座っています。「こんにちはおじいさん。私は新しくこの町に引っ越してきた者ですが、この町はいい町ですか?」と、その人が老人に尋ねました。すると老人は「あなたの住んでいた町はどんな町でしたか?」と尋ね返しました。「いやぁ前の町はひどい町でした。みんな自分勝手で人の悪口ばかり言って、ようやくこうして引っ越すことができて清々していますよ。」その人がそう答えると、「この町もあなたが住んでいた町と同じくらいひどい町ですよ。みんな自分勝手だし、人の悪口を言う人ばかりです。」と老人は言いました。その人はがっかりしました。

 次の人がその町にやってきました。町の入口に老人が座っています。「こんにちはおじいさん。私はこの町に引っ越してきた者ですが、この町はいい町ですか?」すると老人は「あなたの住んでいた町はどんな町でしたか?」と同じように聞き返しました。「私の住んでいた町は素晴らしい町でした。みんな協力的で支えあい、温かい人ばかりで、本当は引っ越したくなかったのですが、仕事で仕方なくこの町にやってきたのです。」とその人は答えました。すると老人は「この町もあなたの町と同じくらい素晴らしい町です。皆優しく、協力的で温かい人ばかりですよ。」と答えました。その人はとても喜びました。

 「人が周りをどう見るかは、周りの人がその人をどう見ているかの鏡」であることを教えられるお話です。つまり、周りに対して不平不満を持つ人は、周りの人からみてもとっつきにくい存在で、結局どこへ行っても周りに不平不安を持ち、悪口を言う人でしょうし、周りに対して肯定的になれる人は、周りからみても協力的であり、馴染みやすい存在で、どこへ行っても肯定的に過ごせる人です。

 人にやさしくしてもらいたいと思う人は、人にやさしくできる人になりましょう。お話を聞いてもらいたいと思う人は、友だちの話をよく聞ける人になりましょう。自分だったらこうしてほしいと思うことをお友達に対してしてあげられる人になりましょう。今月はこのみ言葉を覚えて過ごしましょう。(子どもの礼拝要旨)

園長 石川 勇