園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです

2024年12月 分かちあう喜び

2024-12-02 08:00共に生きる

◆共に生きる -分かちあう喜び-

アドベントを迎え、クリスマスを迎える準備にはいりました。幼稚園にもクリスマスツリーやリースが飾られ、皆さんのご家庭にも子どもたちが作ったアドベントカレンダーが飾られていることと思います。どうぞクリスマスまでの時をお子さんと一緒に心待ちにしてお過ごしください。

さて、クリスマスは、今から2000年も前に、ユダヤのベツレヘムという町で起きた「イエスさまのご降誕」を祝う全世界的な行事です。イエスさまはその生涯を通して人々に「本当の愛」を教えられた方です。「わたしは世の光である。わたしに従うものは暗闇の中を歩かず、命の光を持つ」(ヨハネ8:12)の言葉にあるように、イエスさまの愛はたくさんの人々の心に光を灯し、生きる喜びや希望を与えてきました。クリスマス礼拝(キャンドルサービス)で、真っ暗なところに一本のロウソクの火が灯され、その火が会衆に分け与えられて、やがては会場がたくさんのロウソクの光に包まれていくという光景は、まさに「イエスさまの愛」が一人ひとりの心を明るく灯し、世を照らしていくさまを表しています。そして、2000年以上も経った今でもなお、そしてこの昭島にまでも、イエスさまがいらっしゃって、変わらずに「愛を与えてくださっている」ことを思うと、驚きと同時に、この上ない喜びと感謝で胸がいっぱいになる思いです。

ところで欧米などでは、クリスマスのごちそうでよく七面鳥やケーキを丸ごと用意して、皆で切り分けて(・・・・・)食べます。また、アドベントにはクリスマスカードやプレゼントを贈りあいます。これらの行為には、「愛を分かちあう」という意味があります。愛は一人では成立しません。そして、この喜びは決してお金では買えないものです。たとえクリスマスにどんなごちそうを食べても、どんな高価なプレゼントを用意しても、一緒に過ごしてくれる人や、それを受け取ってくれる人、そして何よりも「喜んでくれる人」がいなければ空しいだけであり、決して喜びにはつながりません。逆に、ごちそうや高価なプレゼントがなくても、大切な家族や仲間がいて「愛が交わしあえたら」、それだけで心に火が灯され、温かい気持ちになるのです。ですから、愛の人イエスさまのお誕生日である「クリスマス」の喜びとは、その「愛」を分かちあう喜びなのだと思います。

年長組では近隣の老人施設と年に数回交流を持っておりますが、子どもたちの歌声に多くの方が笑顔になり、中には涙を流して喜んでくださる方もいます。そんなおじいさん、おばあさんの笑顔や表情に触れると、次第に子どもたちもうれしそうな表情になります。こちらが喜びを与えていたはずなのに、いつの間にか反対に喜びを受ける側になっているのです。「愛」は一方的にはたらくものではなく、相互的に分かちあい、また交わしあうことで相乗的に大きくなるものであると思います。愛を中心に置くと平和が生まれ、笑顔や優しさがあふれるのです。本当に愛には不思議な力があると思います。

どうぞイエスさまの教えてくださった「愛」を大切な「家族」や「仲間」と分かちあい、交わしあって、今年も「よろこびあふれる」クリスマスをお過ごしください。そして、世界中の子どもたちの上にも平和で嬉しいクリスマスが訪れますようにご一緒にお祈りいたしましょう。 メリークリスマス!


◆今月の聖句:「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された」(ヨハネ3:16)

神さまは大切な独り子であるイエスさまを私たちのもとに贈ってくださいました。このことこそ、神さまがわたしたちにくださった最大のプレゼントであると思います。クリスマスは、イエスさまがお生まれになったうれしい時であり、大切なイエスさまを贈ってくださった神さまに心からのありがとうを伝える時であります。

幼稚園のクリスマス礼拝では、皆で心を合わせて讃美を捧げ、神さまに感謝を表す時といたしましょう。その後の祝会では、大切なお友達と一緒にうれしい気持ちでクリスマスをお祝いしましょう。

そして、バングラデシュのお友達、世界中のお友達の上に、よろこびいっぱいのクリスマスが訪れるようにみんなでお祈りいたしましょう。(子どもの礼拝要旨)

園長 石川 勇