園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです

2011年度7月 ④物より思い出

2011-07-08 11:07楽しい子育てに向けて

◆楽しい子育てに向けて -④物より思い出-

 まもなく一学期の保育も終業の時を迎えようとしています。それぞれに始まった新学期、お子さんにとっても、親御さんにとっても、新しい環境や出会いに多少の戸惑いや緊張を覚えた時であったのではないでしょうか。しかし日々を重ねるにつれ、それらを見事自分自身の力で乗り越え、今をこうして笑顔で過ごせていることを思うと、子ども達に、そして親御さん方にも大きな拍手を送りたい気持ちでいっぱいです。昭島幼稚園の保育や考え方を深く理解し、影に日当にお支えくださったことに心より感謝いたします。
 
 さて、もうすぐ長い夏休みを迎えます。それぞれのご家庭においても旅行や帰省、海、山、プールなどへ遊びに行く機会も増えるでしょうし、夏休みならではの楽しい計画もあるでしょう。どうぞこの夏休みも有意義に、そして安全にお過ごしください。夏休みを迎えるにあたり、今月は「物より思い出」というテーマで楽しい子育てを考えてみたいと思います。

 ちょうど昨日、年長組の親子遠足がありました。5月から雨により順延が続き、ようやく実施できた遠足でした。「秋川に仲間と親子で遊びにいく」というシンプルな内容で、特段きれいな施設や遊具があるわけでもない、川とスペース、それから簡素な施設があるだけの場所です。しかし、そんな何もない場所で、子ども達は決してお金では買うことのできない「貴重な体験」と、「楽しい思い出」を作ることができました。本当に楽しくて素晴らしい一日でした。

どうしてこんなに楽しかったのかを考えてみると、それは、みんなで力を合わせて作った“イカダ”、カニやエビ、カエルなどの川に住む多様な生物、串に刺して焼いたマシュマロ、川原で遊べるスタンプラリーなど、「楽しい活動や環境」が用意されていたこともあるでしょうが、それよりも、参加した誰もが「この一日を楽しもう」としていたからであり、「遊んであげる」のではなく、「一緒に遊ぶ(楽しむ)」ことのできる親御さんたちに囲まれていたからであると思うのです。遠足のお手伝いも気持ちよく引き受けてくださり、子どもと一緒にびしょ濡れになって遊ぶ方、子ども以上に好奇心いっぱいに生物を探し回る方、お子さんと一緒に夢中になってマシュマロを食べる方?など、見ているだけでこちらが楽しくなってしまうほど子どもたちと一緒に遊んでくださいました。そんな親御さん方の雰囲気や、笑顔、歓声に包まれていたからこそ、子どもたちが楽しい一日を過ごせたのだと思います。子どもたちの心にずっと、「楽しかった思い出」として、これらの光景が焼きつき、残っていくことを願っています。

ご家庭においても、お子さんに「何をさせるか、どこに連れていくか」以上に、「お子さんとどう過ごすか」を大切に考えてみましょう。お金をかけてどんな楽しいテーマパークへ出かけても、どんな豪華なホテルに泊まっても、親に「一緒に楽しむ」心がなければ、すべては空しいだけです。逆に、お家の近くの公園であっても、お子さんとボール一つ持って出かけ、一緒に楽しめるなら、それはお子さんにとってお父さん(お母さん)と楽しく遊べた最高の一日となるのです。この夏休み、ぜひお子さんと最高の思い出を作って下さい。



◆今月の聖句 「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である」(ヨハネ15章5節)


わたしはまことのぶどうの木、わたしの父は農夫である。わたしにつながっていながら実を結ばない枝はみな、父が取り除かれる。しかし、実を結ぶものはみな、いよいよ豊に実を結ぶように手入れをなさる。わたしの話した言葉によって、あなたがたは既に清くなっている。わたしにつながっていなさい。わたしもあなたがたにつながっている。ぶどうの枝が、木につながっていなければ、自分では実を結ぶことができないように、あなたがたも、わたしにつながっていなければ、実を結ぶことができない。わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。(ヨハネ15:1-5)

これはイエスさまがお弟子さんたちに語られた言葉です。イエスさまがぶどうの木で私たちがその枝。木に枝がしっかりとつながっていることで実を結ぶように、イエスさまにつながっていれば私たちも多くの実を結ぶことができます。イエスさまは“愛の人”でありますから、イエス様の部分を「愛」と読み替えてもいいと思います。

親子の愛、友情、恋愛、自己愛、博愛など愛にも種類がありますが、人は愛につながることで自己を見出し、他者を理解し、そして平和を作り出していくのであり、愛から離れては孤独や支配、打算、破壊の道しかありません。これからも愛につながるわたし達でいましょう。

-夏の安全-

戸外に出る時、特に以下の点に気をつけましょう

1. 直射日光、気温
2. 水分補給
子どもの体重は大人の1/3以下であることを常に考慮しましょう。身体の貯水量(タンク)が大人に比べて小さい反面、発汗量は大人と同じと考えれば、大人の何倍も給水をする必要があるというわけです。夏の季節は特に脱水症に注意が必要です。
3. TPOに合わせた服装
暑いからといって肌を露出したまま藪や森に行くのは危険です。草むらにはかぶれる草や毒虫、トゲなどが潜んでいます。夕方などにはヤブ蚊等も大量発生します。草むらに入る時には少なくとも長ズボン、靴下、靴という服装で、必ず虫除けもしていきましょう。また、万が一の時に備えてファーストエイドは用意しておきたいものです。
その他、山登り、水遊び、キャンプなどそれぞれTPOに合った服装で出かけるようにしましょう。
4. 水上安全
夏の季節に一番気をつけたいのは水の事故です。ご家庭で海や川、プールに出かける機会も多いと思いますが、絶対にお子さんから目を離さないように、また、水温、水深、流れなどはもちろん、入水時間も必ずチェックして遊ばせましょう。また、休憩時には日陰で保温、水分補給を十分にさせましょう。
5. その他
・ 規則正しい生活に心がける:就寝・起床・食事・帰宅時間など
・ 健康管理に気をつける:手洗い、うがい、寝冷え、クーラーも適度に
・ 健康に、安全に過ごせるアイディアを子どもと一緒に考え、家族で守る

 -家庭でできる手軽なあそび-

  道具が必要ないもの
   なぞなぞ・クイズ・ジャンケン・手遊び・歌・かくれんぼ・おにごっこなど…
  道具を使って
   サッカー・キャッチボール・フリスビー・縄跳び・自転車・花火・お絵かきなど…
  工作して
   魚釣りゲーム・お面・たたかいごっこ・ダンボールのお家作り・仮装・粘土など…
  おでかけして
   公園・動物園・水族館・博物館・プール・映画・虫取り・木登り・山登りなど…
  スペシャル企画
   旅行・帰省・キャンプ・バーベキュー・天体観測・お友達のお家にお泊りなど…

 ちょっとしたアイディアで楽しい活動となります。お子さんと一緒に計画してみてはいかがでしょうか。

園長 石川 勇