園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです

2011年度9月 ⑤戸外の活用

2011-09-09 11:47楽しい子育てに向けて

◆楽しい子育てに向けて -⑤戸外の活用-

 長い夏休みも終わり、いよいよ2学期が始まりました。2学期は「活動の2学期」と位置づけ、秋から冬に移りゆく季節を身体も心もいっぱいに感じながら過ごしてまいりたいと思います。この学期も皆さんと「子ども達の成長」を共に喜び歩んでいきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 一年の中でも最も過ごしやすい季節を迎えました。実りの秋、読書の秋、運動の秋、食欲の秋・・・秋は自然にも、わたし達にも、様々な恵みや楽しみを与えてくれます。どうぞこの季節、ご家庭においても積極的に戸外に出て、お子さんと一緒に様々な秋を見つけてみましょう。

山の秋の楽しみ:初秋までは虫取り(バッタやコオロギなども大型に成長)、晩秋は紅葉、どんぐりなどの実を拾うなど。 彩り鮮やかな森に出かければ歩くだけで気持ちよい
里の秋の楽しみ:柿やリンゴなどの果実、作物の収穫、焚き火で焼きいもなど

この他にも秋の楽しみはたくさんあります。身の回りでも、幼稚園までの通園路で例えば柿の木があるとすれば、その木を日々お子さんと定点観察してみましょう。秋の深まりにあわせて実が大きくなったり、色づいたりする様を見る事も、お子さんと一緒に秋を楽しむ方法の一つです。また、秋は中秋の名月に表わされるように、空が高く澄んでいますので、星空観察にも良い季節です。お子さんと星空を眺めながら、星座や流れ星を見つけるのも楽しい時間です。

都会的な生活は便利で快適である反面、気をつけていないと季節感や生活の工夫力、応用力まで奪われてしまいます。特に季節感は頭で考える「知識」とは違い、体験により五感で習得する「感覚」であり、実際に外に出て、見て、聞いて、嗅いで、触って、味わうことによって身につくものでありますから、幼いうちから四季折々自然の中でたくさんの体験を積むことが大切であると思います。

 どうぞこの秋、ご家族でいろいろな秋を見つけにお出かけください。皆さんで「こんな秋を見つけたよ」と報告しあえたら楽しいですね。


◆今月の聖句 「平和をつくり出す人々はさいわいである。彼らは神の子とよばれるであろう。」(マタイ5:9)


まもなく迎える9月11日は東日本大震災から半年という時であり、アメリカで起こった同時多発テロから10年という時でもあります。
世界ではリビアでの紛争や、ソマリアでの干ばつなど大きな国際問題として報じられ、国内においても先日の台風により近畿地方の各地において大きな被害が発生しました。福島原発の問題も未だ解決をみせません。
経済問題は国内外においても益々深刻化し、日本の失業率も悪化の一途をたどっているという状況です。
平和の定義は「戦争や災害のない状態、心配やもめごとのない和やかな状態」とされています。平和は決して恒久的なものではなく、時々刻々生じる心配やもめごとを「平和的に解決することによって維持させている」のであり、取扱を間違えれば途端に平和な状態は崩れてしまうということをわたし達は忘れてはいけないと思います。新しい政権のもとで日本がどのような舵取りをしていくのか、平和の維持に向けて力を発揮してもらいたいと心から願います。
さて、平和を考える時、(国であっても人であっても)いかに良好な関係を築くことができるかが鍵となるでしょう。互いに主張し対立するのではなく、互いに聞きあい、協力し合うこと、損得ではなく愛が中心となるような関係を築くことが「平和をつくり出す」という行為なのだと思います。
 幼稚園でも、今月は「平和」をテーマとして、「平和をつくり出す」身の回りの行動について子ども達と考え合う時がもてたらと考えています。どうぞご家庭においても「家族の平和」について考え、話し合ってみて下さい。これからも「子ども達の将来が平和であり、(わたし達のように)幸せな子育てができるように」祈り、またこの平和をみんなで守ってまいりましょう。



園長 石川 勇