2020-02-06 17:23
◆愛の中で育つ -⑦IからWeへ-
今年度の保育もいよいよ終盤を迎えました。近隣でもインフルエンザなどの流行性疾患が流行っていますが、この時期を特に注意して過ごし、ご家族の健康も含めて皆で健康を守ってまいりましょう。再来週には各クラスにおいて「成長を祝いあう会」が予定されています。この一年のお子さんの成長を皆で喜びあう機会としたいと思いますので、どうぞご一緒に楽しみましょう。
さて、今月は「IからWeへ」というテーマで楽しい子育てを考えてみたいと思います。子育ての悩みベスト3というと、「子どもの将来についての不安」、「しつけに関する心配」、「親自身の子育てのストレス(叱る、イライラしてしまう)」だそうですが、皆さんはいかがでしょうか。一方で、現代の子育て事情で課題となることとして、「孤独の中の子育て」が指摘されています。核家族化の中で、あるいは地域性の崩壊の中で、家庭の中にも、地域の中にも、「相談したり、頼れたりする存在がない」ところで子育てをしなければならない人が多いということです。
孤独感をいっぱいに抱いて子育てにあたるとすれば、「一つひとつを丁寧に」とか、「待つことが大切」とか、子育てを指南する言葉も、「そうできない現実」にかえって戸惑い、悩み、挫折感すら与える言葉となってしまうでしょう。また、将来に対して、しつけに関して、不安や心配が先に立つほど、叱る、干渉することも多くなってしまいます。理想は、「親も子ものびのびと笑顔いっぱいに過ごしたい」はずが、現実の子育て環境はそうではないというケースが決して少なくないのです。子育ての理想と現実、私たちはこの狭間で子育てにあたっていますが、何とかこの孤独感を払しょくし、子育てが楽しいと思えるようにしたいものです。
私は幼稚園がその問題を解決する一つの糸口になれたらいいと思っています。幼稚園の毎日がお子さんを育てるのみでなく、お子さんを通してお母さんが、あるいはお父さんが、その輪を広げ、共に楽しい子育てに向けて「心と力を合わせられる」仲間へと育っていけるならば、こんなに心強いことはありません。「自分は孤独ではない、夢いっぱいの子どもの将来に向かって歩いて行こう」と思えるような子育てを皆でしていこうではありませんか。
“IからWeへ”、“私の子どもから私たちの子どもへ”、これからも幼稚園を最大限に活用して、お仲間と積極的に出会い、関わり、共に楽しい子育てに向けた日々を過ごしてまいりましょう。
◆今月の聖句 「その賜物を生かして互いに仕えなさい」 (ペテロⅠ 4:10)
神さまは私たち一人ひとりに「賜物」を与えて下さっています。世の中には、頭のいい人、力の強い人、歌声の美しい人、足の速い人、音楽を奏でることができる人、話の上手な人、やさしい人、ユニークな人・・・。いろんな良いところを持った人がいます。みんな一様ではなく、それぞれに違う良いところがあるのです。このように、その人ならではのキラキラ光る良いところを「賜物」といいます。
聖書の言葉には「その賜物を生かして互いに仕えなさい」と書いてあります。互いに仕えるということは、その賜物をお互いのために用いていくということです。自分に与えられている賜物を自分のために使っても、それは神さまのお心ではありません。そうではなくて、自分の賜物を他の誰かのために用いるために神さは私たち一人ひとりに賜物を与えて下さっているのです。例えば、頭のいい人が自分のお金儲けのためにその頭脳を使ったとしても、あるいは力の強い人が威張るためにその力を使ったとしても、神さまはお喜びになりません。もちろん周りの人たちからも喜んでもらえないでしょう。
ノーベル賞という賞があります。これは世界中で「人の役に立った」行いや発見、発明をした人に贈られる大変立派な賞です。世界の平和のために、あるいは人々の暮らしが便利になるように、地球を守るために・・・。たくさんの行いや研究がありますが、この賞を受ける人は、誰もが「人々のために自分の賜物を生かした」人たちです。このように、人のために自分の賜物を用いた時に周りの人たちから感謝され、神さまにも喜んでもらえるのだと思います。
私たち一人ひとりにも神さまはちゃんと賜物を与えて下さっています。これからだんだん大きく成長し大人になっていく中で、自分に与えられている賜物は何かを見つけていきましょう。そして、その賜物を周りの人たちのために用いていける人になっていきましょう。 自分のいいところは、案外自分よりも周りの人の方が知っていたりもします。ずっと一緒にすごしてきた3学期、よくわかりあっている皆さんだからこそ見つけられる、お友達の「良いところ探し」をしていけたらいいですね。 (子どもの礼拝要旨)
園長 石川 勇