園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです

2015年6月 ③育児(父親の役割について)

2015-06-12 01:05愛の中で育つ

◆愛の中で育つ -③育児(父親の役割について)-

 梅雨の季節を迎えました。潤いをもたらしてくれるこの季節、幼稚園までの道すがら、あるいはお家の周りで、雨の散歩を楽しんでみませんか。雨に濡れない装備(カッパ&長靴)になってしまえば案外やる気も出ますし、やってみると楽しいものです。雨の音や匂い、水たまりも雨ならではの楽しみですし、カエルやカタツムリも姿を現すかもしれません。「雨も楽しめる子育て」もまた素敵ですね。

 さて、今月は「育児(父親の役割について)」思うところを書きたいと思います。児(=子)を育てるにあたっては、誰しもが親としてどのように向き合い、関わっていくかについて悩み、苦労することと思います。一人の人間を育てることは決して簡単なことではありません。「育児は母親がするから」とあきらめないで、お父さんも(限られた時間ではあると思いますが、)積極的に育児に参加し、ご両親で協力して育児にあたることが大切であると思います。以下、父親の役割について幾つかのポイントを挙げてみたいと思います。

★男の子の育児
「男の子」が男の子として育つためには特に男性(特に父親)の存在が不可欠です。お子さんが、お母さんに対してひどい言い方や振る舞いをしたような時はお父さんの出番です。男の子には小さいうちから男としての役割をきちんと教えるべきであり、女性には特にやさしく接し、守ってあげること、決して暴力を振るってはいけないことなど、男としてどう成長していくのかを教えるのはお父さんにしかできない役割であると思います。一緒に思い切り体を使って遊ぶ、大工仕事を一緒にする、社会や仕事の話をしてあげる、可能であればお父さんの仕事場を見せてあげるなども良い事です。また、機会があればお父さんの男友達の群れにお子さんを時々連れて行ってあげるのも男らしさを学ぶいいチャンスであると思います。このような関わりの中から子どもは次第に心の世界を広げていき、男の子らしく成長することができるのです。男の子が男の子らしく育つためには「目の前にいる具体的な目標となるお父さん」との関わり合いが非常に大切であると思います。

★女の子の育児
「女の子」に対してお父さんは異性を学ぶ良いモデルとなります。将来、お子さんがどんなパートナーと出会いたいかの「理想像」を構築する基本は、父親からどう愛され、父親とどう過ごしたかに影響される部分が大きく、満たされて育った子どもほど異性の「内面に目を向ける」ことができると言われています。家族を幸せにできる理想の男性像を「父親を通して」よく知っていればその分、見る目も養われるという事です。日々の中で、お子さんとユーモアたっぷりに話す、シャツを買う時にお子さんに選んでもらう、お子さんが作った料理を喜んで食べる、お子さんの話にしっかりと耳を傾けて聞くなど、お父さんとの関わりを通してお子さんが学ぶ事は多いはずです。

 父親の育児参加というと、「母親のように育児をしなければ」と考えがちですが、決してそうではないと思います。大切なのはお父さんの視点から「楽しく、あるいは上手に生きる知恵」をお子さんに伝えていくことであり、お子さんの心の世界を広げてあげることだと思います。どうぞ自信を持って、ご夫婦で力を合わせて素晴らしいご家庭を築いていってください。



◆今月の聖句 「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である」 (ヨハネ15:5)

  今月は「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である」 という聖句が与えられています。ぶどうの枝が豊かに実をつけられるのは、木につながっているからであり、私たちもイエスさまにつながることによって、互いに助け合うことや愛し合う喜びや幸せに与ることができます。イエスさまは私たちが本当に幸せに生きる方法を教えてくださいます。この一年も聖書を通して神さまやイエスさまにしっかりとつながっていられる私たちでいましょう。讃美歌を歌う時も、お祈りする時も、そしてお話を聞く時も、心をこめて、しっかりと神さまやイエスさまに心をつなげてお捧げできるようにしましょう。(子どもの礼拝メッセージ要旨)

 昭島幼稚園では子どもたちが互いに手をつなぎあい、支えあって共に大きく育っていこうとしています。教師も父母も互いに理解、協力しあってその成長を心から応援しています。子どもが中心となり、それを取り巻く大人が木の枝のようにつながりあい、協力し、また連動しているのです。私たち個々を見れば違う人格、価値観も大きく違うかもしれません。しかし、「子どもたちの健やかな成長のため」という共通の目標を中心に置いた時に、その違いを乗り越えて互いに理解し、心や力を合わせることができるのです。これからも主張しあうよりも聞きあうことを、理解されるよりも理解することを求める私たちでいたいと思います。

園長 石川 勇