園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです

2013年度2月 ⑩小さな気づき、大きな幸せ

2014-02-21 01:24共に生きる

◆共に生きる -⑩小さな気づき、大きな幸せ-
 
 2月も中旬を迎え、今年度も残すところあと三週間となりました。子どもたちは大きくなったこころと身体をいっぱいに使って、お友達や先生と笑顔あふれる毎日をすごしています。健康に気をつけながら、残された日々も大切に過ごしていきたいと思います。

 この時期にご家庭においても、是非お子さんの歩んだ一年を振り返り、その成長を記憶(記録)していただきたいと思います。家庭を離れて楽しく幼稚園で過ごせるようになったことも、あるいは友達との生活を通して自分の事を自分でできるようになったこともお子さんの大きな成長です。また、外遊びが好きになった、仲良しの友達ができた、様々なものに興味が湧くようになってきた、自信がついた、お祈りを覚えた・・・なども、お子さんの大切な成長の証であると思います。どうぞお子さんの成長をたくさん見つけ、大いに祝福してあげましょう。

 お子さんの成長を振り返る時、そのきっかけを紐解くと、小さな出来事や頑張りから始まっていることが多いものです。小さなきっかけが大きな成長につながっていることを思うと、日常の中に見られるお子さんの何気ない発見や、頑張りがいかに大事か、あるいはその小さな一歩に気づき、認め、祝福することがいかに大切かを改めて気づかされます。

 「木の育つ姿に学べ」という言葉があります。これは子育てにあたる親の心得的な言葉ですが、幼稚園教育の視点としても大いに参考となる言葉であり、私も心に留めている言葉のひとつです。育てよう、育てようと子育てを急いでしまったり、子どもの目に見える部分ばかりに気をとられてしまったりするのは、木がまだ小さいうちから「体裁を整える」ために、水や肥料を過分に与え、枝を剪定するようなものです。やりすぎてしまえば根が腐り、樹勢を弱め、結果としてあまり育たないばかりか、下手をすれば全体が枯れてしまいかねません。そうではなく、苗木の頃には日当たりや土壌に気を配り、目には見えない「根っこ」をしっかりと張らせることが大切です。人間の場合も、意欲や自信を大切にして、「待ってあげる」ことや「ほめてあげる」ことが「自ら大きくなっていこうとする力(=生きる根っこ)」を育てていくことにつながるのですから、木がゆっくりと成長していくように、ゆったりと、大らかな気構えでお子さんの成長をみていきたいものです。

 だんだんと芽生えてきたお子さんの自信や意欲、etc…。まだまだ小さいつぼみかもしれませんが、将来大きな花を咲かせる大切なつぼみです。そのつぼみをさらに膨らませていけるように願い、これからも幼稚園と家庭とが力や知恵を合わせてご一緒に関わり、見守ってまいりましょう。


◆今月の聖句:「あなたがたはそれぞれ、賜物を授かっているのです。」(ペトロⅠ 4:10)
 
 私たちはみんな神さまから賜物(光り輝く部分=いいところ)を授かっています。歌声の綺麗な人、話すのが上手な人、聞くことが上手な人、強い体を持つ人、面白い人、やさしい人、絵を描くことが上手な人…。数え上げたらきりがないほどたくさんの賜物がありますが、人それぞれに違った賜物が与えられているのです。

 星野富弘さんという人がいます。星野さんは体育の先生をしていましたが、ある日大ケガをして首から下をまったく動かすことができなくなってしまいました。がっかりした気持ちや、悲しい気持ち、残念な気持ち…
星野さんは病院のベッドの上で寝たきりになりながら来る日も来る日も暗い気持ちで過ごしていました。しかし、あるとき星野さんは「聖書」と出会いました。聖書を読むと暗い気持ちに光がさしました。そして、星野さんは唯一動かせる口を使って絵や字を書けるように一生懸命に練習しはじめました。そして今では、星野さんの描いた絵や言葉は、たくさんの人を励まし、元気や感動を与えています。

 星野さんはけがをして大変な思いをしましたが、神様と出会ってから自分に授かった「本当の賜物」と出会うことができたと思います。口を使って絵と言葉を描き、周りの人を元気にできることは星野さんの素晴らしい賜物だと思います。星野さんのこうした生き方は本当に尊敬できる生き方だと思います。

 私たちも神さまから授かった賜物を生かす生き方をしていきましょう。自分に与えられた賜物は何かな?といつも心に問いかけながら、神様にお祈りしながら賜物を見つけていきましょう。そして、その賜物を神さまのご用のために、周りの人たちのために生かしていきましょう。       (子どもの礼拝要旨)
                                     
 園長 石川 勇