園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです

2013年度1月 ⑨目標を持って生きる

2014-01-01 07:10共に生きる

◆共に生きる -⑨目標を持って生きる-
 
 新年あけましておめでとうございます。新しく迎えたこの一年も世界が平和で、子どもたちが健やかに成長できる年でありますよう祈ります。いよいよ幼稚園の3学期も始まりました。一年の最後となるこの学期は、「喜びあう3学期」として、自分やお友達の成長に気づき、また広げ深めてきた仲間との関係を大いに生かして、さらなる成長に向けてワクワクしながら、「共に喜びあえる日々」を過ごしてまいりたいと思います。子どもたちを中心において、園とご家庭とが更に深く、強くつながれたらと教職員一同願っておりますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、今月は「目標を持って生きる」というテーマでご一緒に子育てを考えてみたいと思います。年頭にはよく「今年の抱負や目標」を宣言したり、書き記したりします。皆さんの中にもこのような習慣がある方もきっといらっしゃることでしょう。今年はこんなことに挑戦したいと目標を掲げ、その通りに実行している人を見ると「かっこいいな、素敵だな」と尊敬、感心してしまいます。「私もぜひ見習って!」と思うのですが、気がつくと目標をすっかり忘れていたり、日常の忙しさにかまけてチャレンジをあきらめてしまったり…と、なかなか目標を実行することは難しいですね。

以前に、「目標は小さく具体的に、夢は大きく」これが夢に向けて目標を達成していくコツだという話を聞いたことがあります。確かに目標を大きく掲げてしまうと、漠然としてしまいますし、実行することに時間も労力もたくさん費やさなければならず、やり遂げることが困難になってしまいがちですが、小さく具体的な目標であればより取り組みやすくなり、実行しやすくなります。また、目標はネガティブな発想で立てるのではなく、ポジティブな気持ちで立てましょうという話も聞いたことがあります。やらなきゃと思うよりも、やってみたいと思えたほうが長続きするそうです。目標に対して前向きに興味を持ち、高望みしないでできることからゆっくりと、また楽しんで取り組んでいくことが目標を達成していくポイントとなりそうです。

特に、子育ての目標となると漠然としがちです。「良い親でいたい」と思いながら、なかなかうまくいかずに悩んでいる方も少なくないと思います。しかし、「良い親でいたい」という思いは、まだまだ「漠然とした願い」であって「目標」とは言えません。「そもそも良い親ってなんだろう」と自分に問う事から始まり、例えば「お話の聞ける親でいたい」という大きい目標を立て、さらにそこから「あいさつを大切にしよう」とか、「毎日少しの時間でも子どもと向き合って楽しく会話をしよう」とかいうような「具体的な目標」にしていくことが大切です。「良い親」につながる一歩が「あいさつであり、会話である」と考えると、漠然と考えているよりはずっと充実して、前向きに取り組めるようになるのではないでしょうか。

誰しも初めから良い親であるわけではなく、毎日の関わりや経験を通して良い親になっていくのですから、今この幼児期から「良い親とはなんだろう」という問いに対してたくさん考えて、そこから生まれる小さな目標に向かって歩んでいくことが大切だと思います。小さな一歩がやがては大きな夢につながっていくことを信じて、是非とも新年にあたり、心新たに「目標を持って」お過ごしください。


◆今月の聖句:「隣人を自分のように愛しなさい」(マタイ22:39)
 
 隣人とは、自分の周りにいる人のことを言います。おうちではお父さんやお母さん、兄弟や家族が隣人になります。幼稚園ではお友達や先生たちがみなさんの隣人です。イエスさまは、これらの隣人を「自分のように大切にしなさい」と教えていらっしゃいます。人にはいろんな人がいて、自分さえよければいいやという人がいます。隣で友だちが悲しんでいても、「自分じゃないから関係ない。関わるのが面倒だ。知らないふりをしよう…。」と見て見ないふりをする人もたくさんいます。しかし、どうでしょう。これは隣人を自分のように大切にする行ないでしょうか…、違いますね。隣人を自分のように愛する人は、隣で友だちが悲しんでいたら、きっと何を差し置いてでも「どうしたの?」と声をかけ、話を聞き、その人の悲しみが少しでも楽になるように力を貸してあげることでしょう。

 今月の聖書の言葉は、聖書の中で「最も大切な掟のひとつ」としてイエスさまがお話ししてくださった教えなのです。世界中の人たちがこの教えに従って過ごせれば、必ず世界は平和になるでしょう。どうぞ皆さんもこの言葉をずっと心にしまい、この行いができる大人になってください。幼稚園の毎日でも周りを見渡して、困っているお友達や悲しそうなお友達に気づいたら、そっと優しい手を差し伸べてあげましょう。楽しそうにしているお友達がいたら一緒に喜んであげましょう。これからも自分の周りの人たちを自分と同じように大切にできる毎日を一緒に過ごしてまいりましょう。(子どもの礼拝要旨)
                                     
 園長 石川 勇