園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです

2017年4月 ①出会い、出合いで、愛

2017-04-12 08:01共に生きる

◆共に生きる -①出会い、出合いで、愛-

 お子さんのご入園、ご進級おめでとうございます。今年度もお子さんの健やかな成長を共に願い、ご一緒に知恵と力を合わせて「ゆたかな一年」を歩んでいけたらと教職員一同願っております。どうぞ幼稚園をご自分の場として、また幼稚園の毎日を大切にして日々をお過ごしください。また、担任の先生を主たるパイプとして幼稚園とご家庭とが深くつながれることを心より願っておりますので、日々の交わしあいを大切にして、どんなことでもお話しご相談ください。この一年もどうぞよろしくお願いいたします。

 父母会に合わせて「園長のつぶやき」的な文章を書き、父母の皆さんに読んでいただいております。今年は「共に生きる」というテーマのもと、毎月私なりの所感や雑感を書くつもりです。ぜひ今年度もお付き合いいただき、皆さんの子育ての話題の一つにでも挙げていただけたら幸いです。

 さて、幼稚園では一学期を「出会い(出合い)の一学期」と位置づけて、まずは新しい部屋や先生、友達、あるいは生活などに出会い、慣れること、そして子ども自身が「新しい環境を自分の中に取り入れていけるように」することを目標として過ごしていきます。新入園児はもちろん、進級児も、今まさに「期待と不安が入り混じる」中で一生懸命にこの「出会いのとき」を過ごしておりますが、とりわけこの「初めの時」を大切にしたいと考えています。それは、今月の表題(=出会い、出合いで、愛)にもあるように、子どもたち一人ひとりに「愛につながるような出会い」をしてもらいたいからです。子どもたちの個性は十人十色、みんなが幼稚園の主役です。先生も含めてお互いをありのままに受け入れあい(=出会い)、一緒に笑い、泣き、共に歩んでいく中で「仲間としての愛」が育まれます。また同時に一つひとつの経験(=出合い)が子どもの世界を広げ、意欲や興味を高めていきます。そして、こうした日々の積み重ねから「自身への愛=自尊心」も育まれていくのだと思います。子どもの成長にとって出会い(出合い)がいかに大切かを思わされます。

 ご家庭においてもぜひお子さんのこうした出会いを尊重してあげてください。大人の価値観(好き嫌い)は時としてお子さんの意欲や興味を摘んでしまう可能性があることを知り、改めてお子さんとの関わりを考えてみましょう。例えば、「虫との出合い」は小さな命を通して自然への関心や興味を育む大きなチャンスです。が、「気持ち悪い!お母さん嫌いだから見るのもいや!」などと言ってしまったら、せっかく芽生えたお子さんの興味、好奇心を摘んでしまうことになるでしょう。自分が虫を好きではないにせよ、あるいはお家では飼えないにせよ、せめて「虫が好きになったのね。よかったね。」と言ってあげたいものです。同じように食べ物や絵本、歌などお子さんが出合ったものをご家庭においてもできるだけ尊重してあげましょう。生涯「共に生きる」大切な存在であるお子さんだからこそ、最大限のrespect(敬意)を持ってその成長を応援していきたいものです。是非とも皆さんで子どもたちのこの出会い(出合い)を応援してまいりましょう。

  
◆今月の聖句 「私たちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます」 (コリントⅡ4:18)

 「目に見えるものを見る」ことは誰にでもできますが、「目に見えないものを見ようとする事」はなかなかできません。しかし、目には見えないけれど大切なものがあります。毎日お祈りをしている「神さは」目には見えないけれど、私たちの近くにいていつも守ってくださいますね。それは心で感じられることだと思います。神さまも私たちの心をよくご存じです。見えない神さまと心でつながれることを私たちは知っています。

 同じように、自分とお友達の「間(あいだ)」も目には見えないけれど、何かでつながっているように感じますね。みんなといると楽しいとか、ホッとするとか…。確かに何かでつながっています。これも心で感じられることです。そのほか、「言葉」も目には見えませんが、言葉によってうれしくなったり、悲しくなったりもします。

 そのように考えると、どういう言い方をすればお友達に心が伝わるか、逆にどういう言い方はお友達を傷つけるか、同じことでも言い方によって大きく違います。見えないものに目を注ぐとは、心を使って感じ、よく考えることだと思います。あいさつひとつにしても元気よく「おはよう!」と言えばお友達に心が伝わります。「ありがとう」や、「ごめんね」もお友達に心を伝える大切な言葉です。目には見えないけれど大切なものを感じられる一人ひとりでいましょう。(子どもの礼拝要旨)
                       
園長 石川 勇