2016-12-01 10:20よりよい幼児期を目指して
◆よりよい幼児期を目指して -⑧クリスマス-
師走に入り、いよいよ2016年も終わりの時を迎えようとしています。4月からの保育の歩みを振り返ると、子どもたち一人ひとりの成長が目に浮かんできます。その時その時を、お友達と一緒に夢中になって過ごしてきた日々、どの顔も自信に満ちて、誇らしく輝いています。これまで、こんなにゆたかで幸せな日々を過ごせたのも、ご家庭の保育への深い理解と、多大なるご協力のおかげであると、教職員一同皆様に心よりの感謝を申し上げます。
さて、今月は「クリスマス」についてご一緒に考えてみたいと思います。Christmas(12/25)は、Christ=イエス・キリスト/mas=お祭りということですから、「イエスさまのお誕生日を祝うお祭り」という意味になります。世界中でこの日を祝う、まさに世界一のお祭りといえるでしょう。クリスマス前の4週間をアドベント(待降節)と呼び、クリスマスを心待ちにして過ごします。ツリーやリースを飾り、クリスマスカードを送りあうのもこの時期です。
幼稚園でもクリスマスに向けて「ワクワク」を大きくしていく毎日を過ごしています。「クリスマスはイエスさまのお誕生日なんだね。神さま、イエスさまをありがとうございます!」という思いで、「イエスさまのお誕生日に何をプレゼントすればいいだろう?」とクラスで考え、劇や歌などの練習にはりきる毎日を送っています。特に、年長組では「世界で一番初めのクリスマス」として、イエスさまがお生まれになった日の出来事を降誕劇として“クリスマス礼拝で会衆に報せる”という大役を任せられ、毎日熱のこもった練習に取り組んでいます。どうぞ当日をお楽しみに、そしてご一緒に子どもたちと温かいクリスマスを楽しみましょう。
これらの経験を通して、子どもたちには「本当のクリスマスの喜び」と出会ってもらいたいと願っています。それは、なにか派手にどんちゃん騒ぎをすることや、おもちゃをもらうだけの表面的な喜びではなくて、イエスさまが教えてくださった「愛」をしっかりと心に受けて、「互いに愛し合うことや、感謝しあうこと」、また受ける喜びだけでなく「与える(分かちあう)喜び」にあずかることが、子どもたちの心の深い喜びにもつながり、クリスマスの喜びとなっていくのだと思います。
ご家庭においても、互いに「ありがとう」を交わしあえる時として、あるいは「労わりあい、思いあう」時としてクリスマスを迎えられたら素晴らしいですね。どうぞ温かい幸せなクリスマスをお迎えください。そして、私たちと同様に、世界中の子どもたちが幸せなクリスマスを迎えられるようにお祈りいたしましょう。
◆今月の聖句 「あなたがたの光を、人々の前に輝かしなさい」(マタイ5:16)
イエスさまは「愛の人」と言われ、その生き方や、み言葉を通して「愛」を私たちに教えてくださっています。また、イエスさまは「世を照らす光」とも言われ、私たちに生きる喜びを教えてくださいます。
「あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。また、ともし火をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家の中のものすべてを照らすのである。そのように、あなた方の光を人々の前に輝かしなさい」(マタイ5:14-16)
私たちは、一人ひとり顔や性格が違うように、神さまから様々な賜物(たまもの)を与えられています。友だち、また親子であっても違う人格や能力を持ち、「私」という存在は世界で唯一のものです。賜物とはその人に与えられた「光」のようなものであり、「賜物を生かす」ことによってその光は増し、生き生きとその人らしい生き方ができるのです。しかし、「みんなができているのに」とか、「みんなと同じように」などと、人と比べてばかりいたり、自分の賜物を出せないまま引っ込めていたりすると、その人の「光」は次第に輝きを失い、やがては消えていってしまいます。生き生きと生きるどころか、「一体自分は何のために生まれてきたのか?」という問いに対していつまでも答えの出せないような暗い人生になってしまいます。
イエスさまはこのみ言葉の中で、「あなたがたは世の光である」とおっしゃっています。主語を子どもに置き換えてみると、「子どもたちは世の光であり、子どもたちの光を人々の前に輝かしなさい」という言葉となります。これは、お子さんを友だちと比較したり、お子さんを委縮させてしまうような育て方ではなく、お子さんに与えられた「賜物=光」は何なのかを見つけ、その「光」を一番高いところにおいて育てていきなさいというイエスさまから子育てにあたる私たちへの力強いメッセージなのではないでしょうか。
園長 石川 勇