• 2016年10月 ⑥雪だるまと玉ねぎ1年前

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    ◆よりよい幼児期を目指して -⑥雪だるまと玉ねぎ-

     「活動の2学期」が始まり一ヶ月が経ち、いよいよプレーデーも近づいてまいりました。子どもたちのがんばる姿や、友達と心を合わせて楽しむ姿をどうぞお楽しみください。ご一緒に心より応援し、励まし、また参加して楽しいプレーデーを作り上げましょう。

     さて、今月は「雪だるまと玉ねぎ」という題名をつけました。これは以前にある人からうかがった「スポーツ選手の育成方法」についての話にでてきた考え方ですが、興味深い話だったので少しご紹介します。雪だるま式の育成方法とは、雪だるまを大きくしていくように、いいところを見出し伸ばして育成していく考え方、たまねぎ式の育成方法とは、玉ねぎの皮をむいていくように欠点や課題を矯正し磨いていくという考え方です。対照的な手法ですが、どちらが正しいかというよりも、その選手の段階に合わせて「どちらの手法を使うか」を見極め、判断することが重要であり、良い指導者はその判断が的確であるのだということです。

     スポーツ界において、子どもの取り扱いについては世界で違いがあり、ジュニア選手をどのように育成していくかの考え方も国によって大きく変わるそうです。多くの競技で日本のジュニアは世界トップレベルだそうですが、シニアになると形勢逆転、いわゆる「世界レベル」の選手がメキメキ頭角を現してくるのだそうです。これらの国では子どもの身体についての研究が徹底的に行われ、選手のピークを成人の時期に設定して育成企画がなされているため、ジュニアの時代は結果を出すことよりも「将来的な可能性を蓄える」時期としてとらえられ、技術(テクニック)よりも技能(バランスや身体能力)を伸ばすことに力が注がれます。そしてやがてバランスのとれた強いからだと技能を十分に蓄えた(潜在能力十分の)選手がテクニックを学ぶことで「うまくて強い」選手が育ち、良い結果につながっていくのだそうです。まさにジュニアの時代は「雪だるま式」に能力を育て、時を見極めて「玉ねぎ式」にシェーブアップし、世界に通用する選手を育てているのだというお話でした。

     これはスポーツに限らず、子どもの育ちを考えるうえでとても重要なヒントであると思います。人生においても、子どもの時代は結果を出す時期ではなく、「将来的な可能性を蓄える」時期です。その中で一番大切にしていきたいものは「主体性」だと思います。主体性こそが生きる意欲や楽しさにつながるからです。幼稚園でもたくさんの経験をし、友達からも様々な刺激を受けて子どもは世界を広げていきますが、その中で一人ひとりの主体性が育っていってもらいたいと心より願っています。

    主体性は外から与えられるものではなく、内から湧き出てくるものです。それは、もし雪だるまに命があったとしたら、「自ら転がり大きくなろうとする力」となるでしょう。どうぞお子さんから湧き出てくる小さな意欲や興味を大切にしてあげてください。そしてお子さんがなるべく依存的にならないような親の関わりを考え、工夫してまいりましょう。


    ◆今月の聖句 「いつも喜んでいなさい 絶えず祈りなさい どんなことにも感謝しなさい」(テサロニケⅠ5:16)

      今日も元気に幼稚園に来ることができました。こうして元気に幼稚園に来ることができたこと、みんなと会えたこと、これは当たり前のことではありません。先生は前にある人のお見舞いに病院に行きました。そこにはたくさんの子どもたちが入院し、治療を受けていました。まだ小さいのにお家から離れて、大好きな幼稚園に行くことができず可哀そうだな…と先生は思いました。でも皆さんはこうして元気でいられる、これは本当にうれしいことです。バングラデシュに行った時には「おなかをすかせている」子どもたちに大勢会いました。おなかいっぱい食べられることも当たり前ではないことを知らされました。でもみんなは毎日ちゃんとご飯が食べられます。これも本当に幸せでうれしいことですね。

     私たちは神さまから与えられているこれらの恵みを忘れて、ついつい当たり前だと思ってしまいます。でも、そうではない人を知ることで、当たり前ではなく感謝なことなんだということに気づくことができるのです。また、こうして幼稚園に来られるのはお父さんやお母さんがお仕事やお世話をしてくれているからです。そのことにも気づいて感謝したいと思います。
     
     それと、今苦しんでいる人たちや困っている人たちが、私たちと同じように元気になり、おなか一杯にご飯が食べられるようにみんなで心を合わせてお祈りすることも大切なことですね。これからも喜びいっぱいに過ごし、ありがとうの言える、またいつも神さまにお祈りできる一人ひとりでいましょう。(礼拝お話要旨)

    園長 石川 勇

  • 2016年9月 ⑤あたまとからだ、そしてこころ1年前

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    ◆よりよい幼児期を目指して -⑤あたまとからだ、そしてこころ-

     夏休みが終わり、喜びいっぱいに2学期が始まりました。夏から秋、そして冬へと移りゆく自然を身体いっぱいに感じながら、今学期もこども達の成長を見守っていきたいと思います。皆さんで力を合わせてよい学期としていきましょう。2学期もよろしくお願いいたします。

    さて、今月は「あたまとからだ、そしてこころ」というテーマでよりよい幼児期を考えてみましょう。
    “頭でっかち”とか“うどの大木”という言葉があります。大そうなことは知っていても行動や体力が伴わない、あるいはその逆で、体格は立派でも頭や心がついていかないというように「頭や心と体のアンバランス」を表す言葉ですが、いかに人の成長にこれら(頭・体・心)のバランスが大切であるかを考えさせる言葉でもあると思います。

     お金さえ出せば何でも簡単に手に入る便利な時代、知識や情報も、塾や習い事も多種多様に用意されている時代ですが、考えなしにただこれらの渦の中で流されるように生き、たくさんのことを詰め込むように身につけたとしても、うわべだけで芯のない大人になってしまうでしょう。やはり「生きる本質=何のために生きるのか」をしっかりと持った芯のある大人へと成長してもらいたいと心から願います。心は頭と体をコントロールする中心です。心次第で頭も体も使われ方がまったく変わっていきます。しっかりとした心(信念)のもとに知恵や体力は活かされるべきであると思います。

     幼稚園でも「心が育つ保育」を目標として、一方通行の保育とならないように、相互の関わりや、一人ひとりの意欲、主体性に目をとめて保育を行っています。教師の言うことに盲目的に聞き従うような参加では健全な成長は期待できないからです。子どもたちにも小さいながら意思や意欲があります。その芽を摘むのではなく、伸ばし、広げていけるような関わりや環境作りが何よりも大切であると考えています。ご家庭においてもぜひ「親の言うことに従う子ども」を期待するのではなく、「意思のある子ども」に成長していくことを期待し、その意思に対して良い影響を与えられるような関わりや、家庭の在り方、親の生き方などを考えていってください。「お父さんやお母さんは何のために生きているのか」をお子さんに(背中で)語れるような家庭生活を送れるならば、お子さんの心に一生涯続く大切なメッセージがしっかりと継承されていくのではないでしょうか。そしてその意思(心)のもとで、はじめて頭も体も調和のとれた大人に成長していくことができるのだと思います。


    ◆今月の聖句 「あなたがたはキリストの体であり、また一人一人はその部分です」(コリントⅠ12:27)

     「この世界にあるあらゆるもの」は神さまによって創造されたと聖書に記されています。私たちも神さまの被造物であり、神さまの前では権威も年齢も関係なく等しい存在であります。ですから教会では互いを「兄弟姉妹」と呼び合い、敬い合って教会生活を過ごします。今月の聖句は、この教会生活の在り方について語っている個所です。神さまの独り子でいらっしゃるイエスさまを体として、教会に連なる信徒はその体を形作る部分として互いに主張しあうのではなく助けあい、自分勝手になるのではなく連動し、仕えあう重要性を説いています。

     教会に限らず、社会においても同様であると思うことがたくさんあります。見渡せば、自己中心的な主義主張が横行し、責任を押し付け合うような見苦しい社会の一面が目立ちます。社会を体に例えればバラバラに崩壊しているような状態、何に中心をおき、どう一致すればよいのかわからない現状であると思います。

     一方、昭島幼稚園の社会はどうでしょうか。子どもたちは互いに手をつなぎあい、支えあって共に大きく育っていこうとしています。教師も父母も互いに理解、協力しあってその成長を心から応援しています。子どもが中心となり、大人も一つの体のように連動しているのです。私たち個々を見れば違う人格、価値観も大きく違うかもしれません。しかし、「子どもたちの健やかな成長のため」という共通の目標を中心に置いた時に、その違いを乗り越えて互いに理解し、心や力を合わせることができるのです。これからも主張しあうよりも聞きあうことを、理解されるよりも理解することを求める私たちでいたいと思います。

     
    園長 石川 勇

  • 2016年7月 ④生活のリズム(環境)2年前

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    ◆よりよい幼児期を目指して -④生活のリズム(環境)-

    まもなく一学期の保育も終業を迎えます。新しく始まった今年度の保育も、かけがえのない毎日を積み重ねて、子どもたちの輝く笑顔と元気な声に包まれる日々とすることができました。これまで父母の皆さんと心と力を合わせて歩んで来られたことを嬉しく思い、また皆さんの保育に対する深い理解とご協力に心よりの感謝を申し上げます。

    今月のテーマは「生活のリズム」です。幼児にとって生活をどのようなリズム(環境)で過ごすかは、健康面においても、成長面においても大変重要なテーマであるばかりでなく、今過ごしている生活のスタイルが将来の「生活力」にも直接つながっていくことを考えると、幼児期の生活全般についてよく考え、実践していくことはとても意味があり、大切であると思います。

    基本的生活習慣という言葉がありますが、主に食事、睡眠、排泄、清潔、衣類の着脱、(時にはあいさつなども含む)を指し、これらは幼児期に身につけるべき習慣であり、同時にそれぞれにおいて自立することが幼児期の大きな目標とされています。逆に言えば、お子さんがこれらの習慣を身につけ、また自立できるように「親御さんが」目標をもって家庭環境を整え、援助していくことが求められているとも言えます。お子さんが良い習慣を身につけ、自ら自立に向かって意欲的に歩めるようにしたいものです。

    良い習慣を獲得するための基本は、「子どもの生活時間をしっかりと設定し、きちんと守ること」です。幼児の生活モデルは、7時起床(洗面、排泄)、8時朝食、(活動)、12時昼食、(活動)、15時おやつ・休憩、夕刻入浴、18時夕食、就寝準備、20時(21時)就寝とされています。特に食事と就寝、起床時間は「絶対枠として」毎日の時間を固定し習慣づけることが重要です。この絶対枠が崩れるとメリハリの利かない、だらしない生活となり、心身の健康にも悪影響となりますので、くれぐれも「大人の生活時間」に子どもをつきあわせるなどして良い習慣が崩れることのないように気をつけましょう。

    この基本の上に「いかに生活の自立を図っていくか」を考えていきますが、「自立=意欲」と言ってもいいほどお子さんの気持ちづくりが大切だと思います。幼稚園で受けてくる友達からの刺激や、クラス活動の体験などを上手に生かして自立へと導いていくのも一つの良い方法でしょう。また、特に料理や洗濯などの家での仕事を積極的にお手伝いしてもらうことは良い自立への導きとなりますし、お子さんの生活力も向上させていく取り組みであると思います。「何でもしてあげる」ことがむしろお子さんの成長を妨げることを知り、どうぞ親御さんの発想を改めて、「何だったら自分でできるかな」という視点でお子さんの生活を見直してあげましょう。そして、できたことを心から喜び、ほめてあげましょう。

    間もなく長い夏休みを迎えます。夏休みは親子関係を見つめ直す時でもあります。どうぞ日々の生活を充実させて、幼稚園で一回り大きくなったお子さんとの楽しい毎日をお過ごしください。


    ◆今月の聖句 「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」(ローマ12:15)

     週に一度の全体礼拝では全クラスが礼拝堂に集い、皆で礼拝をささげています。礼拝の中では賛美歌を歌い、祈りや献金を捧げ、聖書のお話を聞く時間を持ちます。子どもたちは小さいながら、しかし一生懸命に与えられた御言葉やお話しに耳を傾け、心を用いて礼拝に参加しています。

     喜ぶ人と一緒に喜ぶことができる人、泣いている人と一緒に泣くことができる人とは、その人の気持ちになって考えることのできる人です。言いかえれば、他の人と「心を合わせる」ことができる人ではないでしょうか。幼稚園の毎日の中でも心を合わせる時はたくさんあります。礼拝の中でもお祈りする時、賛美歌を歌う時、お話を聞く時など…。例えばお祈りであっても、「心を合わせて」お祈りをするということは、お祈りの言葉にしっかりと耳を傾けて「本当にそうだな、このお祈りを神様に聞き入れていただきたいな。」と思って祈ることですし、賛美歌を歌う時でも、前にある十字架をしっかりと見ながら、「神さまにきれいな声で賛美歌をお捧げしよう」と思って歌うことが大切だと思います。幼稚園の毎日でもお友達と心を合わせて、お友達の気持ちに気づいて、そのお友達の気持ちになって一緒に考えてあげられる一人ひとりになりましょう。(子どもの礼拝要旨)


    ◆夏の安全について

    戸外に出る時、特に以下の点に気をつけましょう

    1.直射日光、気温
    夏の日差しは身体に大きな負担をかけます。必ず帽子をかぶり、直射日光の下で長時間遊ばないように気をつけましょう。また、気温に対しても適切な判断が必要です。30℃を超えるような炎天下の中で遊ぶ時には、熱中症(日射病、熱射病)や、過度な日焼けへの対策をしっかり講じておきましょう。木陰を上手に活用して遊ぶ、涼しい場所で休憩をしっかりとることなども大切なポイントです。

    2.水分補給
    子どもの体重は大人の1/3以下であることを常に考慮しましょう。身体の貯水量(タンク)が大人に比べて小さい反面、発汗量は大人と同じと考えれば、大人の何倍も給水をする必要があるというわけです。夏の季節は特に脱水症に注意が必要です。
    3. TPOに合わせた服装
    暑いからといって肌を露出したまま藪や森に行くのは危険です。草むらにはかぶれる草や毒虫、トゲなどが潜んでいます。夕方などにはヤブ蚊等も大量発生します。草むらに入る時には少なくとも長ズボン、靴下、靴という服装で、必ず虫除けもしていきましょう。また、万が一の時に備えてファーストエイドは用意しておきたいものです。
    その他、山登り、水遊び、キャンプなどそれぞれTPOに合った服装で出かけるようにしましょう。

    4.水上安全
    夏の季節に一番気をつけたいのは水の事故です。ご家庭で海や川、プールに出かける機会も多いと思いますが、絶対にお子さんから目を離さないように、また、水温、水深、流れなどはもちろん、入水時間も必ずチェックして遊ばせましょう。また、休憩時には日陰で保温、水分補給を十分にさせましょう。

    5.その他
    ・規則正しい生活に心がける:就寝・起床・食事・帰宅時間など
    ・健康管理に気をつける:手洗い、うがい、寝冷え、クーラーも適度に
    ・健康に、安全に過ごせるアイディアを子どもと一緒に考え、家族で守る


    -家庭でできる手軽なあそび-

     道具が必要ないもの
      なぞなぞ・クイズ・ジャンケン・手遊び・歌・かくれんぼ・おにごっこなど…
     道具を使って
      サッカー・キャッチボール・フリスビー・縄跳び・自転車・花火・お絵かきなど…
     工作して
      魚釣りゲーム・お面・たたかいごっこ・ダンボールのお家作り・仮装・粘土など…
     おでかけして
      公園・動物園・水族館・博物館・プール・映画・虫取り・木登り・山登りなど…
     スペシャル企画
      旅行・帰省・キャンプ・バーベキュー・天体観測・お友達のお家にお泊りなど…

    ちょっとしたアイディアで楽しい活動ができるはず。お子さんと一緒に計画してみてはいかがでしょうか。


    園長 石川 勇


  • 2016年6月 ③あそびの中の動と静2年前

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    ◆よりよい幼児期を目指して -③あそびの中の動と静-

    6月に入りました。幼稚園では家庭訪問や保育参観などの機会を通して、ご家庭と幼稚園がより相互の理解を深められるように努めています。どうぞ担任の先生を中心として豊かに交わり、お子さんの成長をご一緒に考え、応援してまいりましょう。またお気づきの点などがありましたら、どんなことでもご相談ください。

    今月はあそびの中の「動と静」についてご一緒に考えましょう。活発に身体を使って遊んだり、ゆったりと落ち着いて遊んだり、「あそび」にはいろいろな種類があります。活発に遊ぶ方を動的なあそび、落ちついて遊ぶ方を静的なあそびとして考えた時に、どちらの傾向を好み遊ぶかは、子どもの性格や年齢などによっても違いがあるでしょう。幼稚園でも自由時間のあそびなどを観察していると、一目散に走り出し、友だちと追いかけっこや戦いごっこを始める子ども、砂場で黙々と造形や見立てあそびをする子ども、遊具や鉄棒などのチャレンジをする子ども、虫探しや泥団子づくりに没頭する子どもなど、同じ園庭内の同じ時間であっても子どもによって遊び方はそれぞれです。

    「動と静」のあそびにはそれぞれに楽しさがあり一概には言えませんが、動的なあそびには主に冒険心(挑戦や競争など)をかきたてるような魅力が、静的なあそびにはイメージを膨らませ、また集中して「自分の世界を開拓していく」ような魅力があるように思います。大好きなあそびに出会い遊び込んでいくことは、これらの魅力に触れ、その世界に深くのめり込んでいくことであり、子どもたちはそこから成長に必要なたくさんのことを学んでいきます。ですから動的なあそびであれ、静的なあそびであれ、「夢中になって遊ぶことのできるあそび」に出会うこと自体が幼児期における大変重要な目標となります。

    あそびの価値を知らない大人は、子どものあそびを単なる時間つぶしや暇つぶしとしてしか捉えられません。ぜひお子さんのあそびに目を向けて、そのあそびの面白味はどこにあるのか、何に対して夢中になっているのかなどに着目して観察し想像してみると、きっとお子さんの理解や成長につながる発見がたくさんできるのではないかと思います。どうぞお子さんが見つけたあそびを大切にしていってあげてください。


    ◆今月の聖句 「種は良い土地に落ち、実を結んで百倍、六十倍、三十倍にもなった」(マタイ13:8)

      今月の聖句は、「種を蒔く人」のたとえという、イエスさまの語られた大変有名なお話です。

     「種を蒔く人が種蒔きに出て行った。蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。ほかの種は石だらけで土の少ないところに落ち、そこは土が浅いのですぐ芽を出した。しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。ほかの種は茨の間に落ち、茨が伸びてそれをふさいでしまった。ところが、ほかの種は、良い土地に落ち、実を結んで、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍にもなった。耳のある者は聞きなさい」(マタイ13:1-9)

     しっかりとお話を聞くことのできる子どもは、良い土地に落ちた種のように「心の大事な場所」にそのお話を落として、いつまでも忘れることなく、また百倍にも六十倍にも実を結ぶことができます。同じお話であっても、どのような心で聞くかによって伝わり方が違ってきます。大切なお話がしっかりと心に入るように、心を整え、また耕していくことが大切であることを子どもたちは学んでいます。

     普段の生活の中でも、日々の糧が与えられていることや、平和に過ごせること、家族が健康でいることを当たり前としないで「感謝」する心を大切にいたしましょう。与えられている恵みに気づいて、家族の間でもありがとうを交し合えるご家庭であっていただきたいと思います。良い家庭を作って、神さまから与えられている恵みがよい土地に落ち、何倍にも実を結ぶことができるようお祈りしています。

    園長 石川 勇

  • 2016年5月 ②したいことVSさせたいこと2年前

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    ◆よりよい幼児期を目指して -②したいことvsさせたいこと-

    今年度の保育が始まって一ヶ月が過ぎました。「出会いの一学期」、子どもたちはこの出会いの時を心と体をいっぱいに使って受け入れ、張り切り、頑張る姿をあちらこちらでみせてくれています。子どもたちの前向きな姿勢は本当に素晴らしいですね。私たちも子どもたちの姿に学び、出会いの一学期を積極的に過ごしてまいりましょう。

    さて、今月は「したいことvsさせたいこと」というテーマで、よりよい幼児期をご一緒に考えてみたいと思います。「したいこと」とは子どもが自分の意思でやりたいと思うことであり、「させたいこと」とは親がそうさせたいと思うことです。親は子どものためを思い、子どもにいろいろと指示や、要求をしますが、子どもは子どもで言い分や意思もあり、両者の思いが一致せずに衝突することも子育ての日々の中にはしばしばあるのではないでしょうか。「うちの子は言うことを聞かない!」とか、「また同じことを言わせて!」とか、イライラしたり、親として頭を悩まされたりすることも多いかと思います。

    しかし、この衝突(親子のズレ)は大きく見ると健全な親子関係の証拠であり、健全な子どもの育ちでもあると言えます。なぜなら、親子といえども別人格、互いの言い分を遠慮なく言い合えることは大変結構なことですし、自己主張を十分にさせていくことは幼児期に必要な成長課題でもあるからです。幼児期は何度も何度も失敗を繰り返して学ぶ時期です。たとえ親子で衝突しても「生意気になったなー」と目を細めて喜べるくらいの大きな心で、どっしりと腰を据えて日々を過ごせるように心がけることが一番です。親が一つひとつの衝突に固執してしまうと、親自身がイライラして批判的になり、子どものよい面に目を向けられず、できないことや心配ばかりが気になって、どうでもいいことまで注意するようになってしまいます。こうなったら親も子も一緒にいることがつらくなってしまいますから、「わが子にもそういう時期が来たんだな」と思って気長にとらえることが大切です。

    もう少し余裕があるならば、この子の「したいこと」が本当は何なのか、どうしてそうなのか、深く考えてみたり、自分の「させたいこと」は本当に今必要な課題なのか、どうしたら上手に伝えられるのかなどを自問してみたりするのもよいかもしれません。また、「本当に大切な話は膝の上で」という言葉があります。同じことでも厳しく伝える方法と、やさしく語りかける方法があります。人は安心する(甘える)中で心を開けるのですから、ぜひとも抱っこしながらやさしく語り、お子さんの話を聞いてあげましょう。お互いに落ち着いて、また優しい気持ちで会話ができることでしょう。

    このように、お子さんの今を理解し、また分かり合おうとする姿勢が、「したいことvsさせたいこと」という関係から、「したいこと=させたいこと」という関係に近づけてくれるのではないかと思うのです。


    ◆今月の聖句 「イエスは良い羊飼い」(ヨハネ10:7-11)

     羊飼いは羊の群れを導いて世話をする人です。何日もかけて数百頭もの羊が生きるために必要な牧草や水を求め広大な土地を渡り歩かなければなりません。ですから、羊飼いは引き連れる羊の把握はもとより、どこに草があり、水があるのか、土地をよく把握していなければなりません。闇雲に群れを率いていては大切な羊を危険な目にあわせてしまうからです。また、時には群れを襲う猛獣や盗人から命がけで羊を守らなくてはいけません。このように羊飼いの仕事は、昼も夜も羊のために身を粉にして働く大変な仕事なのです。

    ところで、羊は目が悪く、方向音痴な動物だそうです。羊飼いがいなかったらたちまち迷子になってしまい、厳しい自然の中では生きていけません。私たち人間もどこか羊に似た存在です。すぐに進むべき方向を間違えてしまいますし、どう生きたらよいか分からなくなってしまう弱さを持った存在だと思います。

    イエスさまは私たちの羊飼いのようなお方です。しかも良い羊飼いなのです。イエスさまは私たち一人ひとりをよくご存知で、どこに草があり、水があるのかをよく知っていらっしゃいます。そして襲いかかってくる敵から私たちを救ってくださいます。「わたしは良い羊飼いである。よい羊飼いは羊のために命を捨てる(ヨハネ10:11)」とあるように、私たち一人ひとりを守り、導いてくださっているのです。ですから、私たちは羊のようにイエスさまに身をゆだねて安心して過ごすことができます。私たちにできることは「良い羊」になろうとすることです。大人も子どもも「神さまには素直な心」を持って、愛してくださる神さまに、イエスさまに、忠実に生きていこうとすることが大切であると思います。迷える子羊のように人生の方向音痴にならないようにいたしましょう。

    園長 石川 勇

  • 2016年4月 ①スタートの時に2年前

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    ◆よりよい幼児期を目指して -①スタートの時に-

     お子さんのご入園、ご進級おめでとうございます。今年度もお子さんの健やかな成長を共に願い、ご一緒に知恵と力を合わせて「ゆたかな一年」を歩んでいけたらと教職員一同願っております。どうぞ幼稚園をご自分の場として、また幼稚園の毎日を大切にして、日々をお過ごしください。また、担任の先生を主たるパイプとして幼稚園とご家庭とが深くつながれることを心より願っておりますので、日々の交わしあいを大切にして、どんなことでもお話し、ご相談ください。この一年もどうぞよろしくお願いいたします。

    4月は、新しく入園した子どもたちはもちろん、進級した子どもたちにとっても新しいステージへの「スタートの時」です。新しい生活や経験は、私たちの気持ちを新たにし、意欲をかき立ててくれる時でもありますが、同時に戸惑いや不安を感じさせる時でもあります。入園や進級を迎え、子どもたちの心中にもきっと「期待と不安」が入り混じったような複雑な感覚があるに違いありません。特に、ゼロからのスタートを迎えた新入園の子ども達にとっては、見るもの聞くものすべてが初めての経験であり、戸惑うのも、不安になるのも当然、自然なことであると思います。

    幼稚園では、この時期を「幼稚園を安心できる場とする時期」と位置付け、戸惑いや不安の中にある子どもたちが安心して生活できるように、また一日一日丁寧に関わりながら生活を積み重ね、教師との信頼関係を深められるように特に配慮し、励ましながら過ごすように努めています。安心して幼稚園生活を過ごせるようになる過程には個人差がありますから、ご家庭においても担任の先生とよくコミュニケーションをとって、お子さんのペースで一つひとつを乗り越えていけるように、あせらず、急がず、気持ちに余裕をもって見守っていくように努めましょう。また、新しい環境に順応していく時は、想像以上に心や神経を使い疲労します。お子さんがお家でボーっとしたり、だらだらしたり、機嫌が悪くなったりすることもあるかもしれませんが、幼稚園での頑張りをよく理解してあげ、ご家庭では努めてリラックスできるように環境を整えたり、関わりを考えたりすることもこの時期のお子さんに必要な配慮となるでしょう。

    この時期は子どもたちにとってだけではなく、父母の皆さんにとってもスタートの時です。お子さんと同じように戸惑い、不安を感じている方も決して少なくないと思います。毎日の送り迎えの中で、また父母会などの機会で、あいさつや言葉を交わしあいながら、子どもたち同様、「無理せず等身大でゆっくりと」幼稚園の理解や互いの親睦を深めてまいりましょう。経験の長い方も、どうぞ新しい年度にあたって新しい気持ちで出会い直し、更に交流を深めたり、広げたりできる一年を過ごしていってください。

    皆さんにとってこの一年も有意義で幸せな年となりますことをお祈りしております。



    ◆今月の聖句 「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である」(ヨハネ15:5)

     全園児とともに週に一度、礼拝堂で全体礼拝の時を持っています。
    全体礼拝では讃美歌を捧げ、皆で祈り、聖書のお話を聞き、献金を捧げています。礼拝の時間は普段の時間と違い、心を静かにすることや、心をこめて讃美すること、心を合わせてお祈りすることなど、「自分の心」と向き合う時間でもあります。また、毎月暗唱聖句として聖書の言葉が与えられ、皆で言葉を唱えたり、聖書の言葉のメッセージを聞いたりします。子どもたちはその柔らかい頭と心で、聖句やメッセージを吸収していきます。(以下子どもの礼拝要旨)

     今月は「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である」 という聖句が与えられています。ぶどうの枝が豊かに実をつけられるのは、木につながっているからであり、私たちもイエスさまにつながることによって、互いに助け合うことや愛し合う喜びや幸せに与ることができます。
     イエスさまは私たちが本当に幸せに生きる方法を教えてくださいます。新しく迎えたこの一年も聖書を通して神さまやイエスさまにしっかりとつながっていられる私たちでいましょう。讃美歌を歌う時も、お祈りする時も、そしてお話を聞く時も、心をこめて、しっかりと神さまやイエスさまに心をつなげてお捧げできるようにしましょう。

    園長 石川 勇

  • 2016年3月 ⑪幸福感2年前

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    ◆愛の中で育つ -⑪幸福感-

     今年度の保育も残すところあと一週間となりました。今年度もここまで神さまに守られ、父母の皆様と心を合わせて歩んでこられましたことに深心よりの感謝を申し上げます。

     毎日の保育を通して、子どもたちは一回りも二回りも大きく成長いたしました。仲間との生活は一人ひとりを勇気づけ、励まし、時にはケンカもありましたが、互いに許しあうことを教えてくれる機会でもありました。困っていたり、泣いていたりした時、差し伸べられたお友達の手に、何人の子どもが勇気をもらい、その優しさに支えられて涙を乗り越えたことでしょう。子どもたちにとって幼稚園の毎日は、まことに「かけがえのない」日々でした。卒業を迎える年長組の子どもたち、お引越しで転園する子どもたちには、この場所で得たたくさんの自信や優しさを胸に、新しい場所でも一人ひとりらしく輝き歩んでいけるように、また進級を迎える子どもたちには、新しい年度も幼稚園で「かけがえのない毎日」を友達と一緒に過ごしながら、さらに大きく成長していけるように心から祈り、また応援しています。

     お別れを前にすると、一層「一人ひとりの人生が幸せであってほしい」との願いが強くなります。幸福感は人によって違うのかもしれませんが、与えられた人生を「いきいきと生きること」こそ人間にとっての大きな幸せと言えるのではないでしょうか。マザーテレサの言葉に「人間にとって一番ひどい病気は、誰からも必要とされていないと感じることです。」というものがありますが、年間3万人もの人達が自ら命を絶つ日本、ユニセフの調査によると、なんと日本の子どもの3人に1人は「孤独」を感じているそうです。大人であっても孤独感に包まれながらいきいきと生きられる人などいません。ましてや子どもであればなおさらです。これは本当に深刻な問題であると思います。「誰かに必要とされている」と感じることで、はじめて人は自らを生かし、そしてまた幸せを感じることができるのではないでしょうか。

     最後に、星野 富弘さんの詩に「幸せという花があるとすれば その花のつぼみのようなものだろうか 辛いという字がある もう少しで幸せになれそうな気がする」というものがあります。「幸せ」と「辛さ」、一見対極にあるような言葉ですが、決して反対にあるわけではなさそうです。人を育てる業は簡単なものではありません。時には辛いと感じることもあるでしょう。しかし、その辛さと向き合い、ひとつずつ乗り越え、解決していこうとする歩みの先に、「幸せ」は待っているということでしょう。この先まだまだ続く長い子育ての道のりですが、その時々に「心をこめて」、愛と幸せがいっぱいの「楽しい子育て」をしてまいりましょう!



    ◆今月の聖句 「神の国はあなたがたの間にある」(ルカ17:21)

     イエスさまは聖書の中で、神さまの国はここにある、あそこにあるというように目に見えるものではなく、目には見えないけれど「自分とお友達の間にある」とおっしゃっています。不思議なことだけど、うれしいことですね。この1年、2年、3年間の幼稚園でお友達と一緒に大きくなりました。その間も自分とお友達の間には神さまがずっといらっしゃって、やさしく守ってくださったのですね。4月になると皆さんは一つずつ大きなクラスになるし、年長組の人たちは小学校一年生になります。皆さんにはもっとたくさんのお友達ができるし、もっと仲良しのお友達ができるでしょう。新しいクラスや学校でも、神さまが皆さんと新しいお友達との間にいらして下さいます。だから安心して、自信をもって大きくなっていけるのです。

     神さまが教えてくださった「平和」、これからも平和をつくりだす一人ひとりでいましょう。ゆずりあう心、支えあう心が平和をつくり出す大切な心ですから、お友達との間に「平和」がいつもあるように心がけて、自分も大切にして過ごしてまいりましょう。そして、これからも神さまに「ありがとうの気持ち」を持って、神さまに「喜んでいただける子ども」として大きくなっていきましょう。(子どもの礼拝要旨)


    園長 石川 勇

  • 2016年2月 ⑩IからWeへ2年前

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    ◆愛の中で育つ -⑩IからWeへ-

     今年度の保育もいよいよ終盤を迎えました。2月に入り、インフルエンザなどの流行性疾患も流行っていますが、この時期を特に注意して過ごし、ご家族の健康も含めて皆で健康を守ってまいりましょう。来週には各クラスにおいて「成長を祝いあう会」が予定されています。この一年のお子さんの成長を皆で喜びあう機会としたいと思いますので、どうぞご一緒に楽しみましょう。

     さて、今月は「IからWeへ」というテーマで楽しい子育てを考えてみたいと思います。子育ての悩みベスト3というと、「子どもの将来についての不安」、「しつけに関する心配」、「親自身の子育てのストレス(叱る、イライラしてしまう)」だそうですが、皆さんはいかがでしょうか。一方で、現代の子育て事情で課題となることとして、「孤独の中の子育て」が指摘されています。核家族化の中で、あるいは地域性の崩壊の中で、家庭の中にも、地域の中にも、「相談したり、頼れたりする存在がない」ところで子育てをしなければならない人が多いということです。

    孤独感をいっぱいに抱いて子育てにあたるとすれば、「一つひとつを丁寧に」とか、「待つことが大切」とか、子育てを指南する言葉も、「そうできない現実」にかえって戸惑い、悩み、挫折感すら与える言葉となってしまうでしょう。また、将来に対して、しつけに関して、不安や心配が先に立つほど、叱る、干渉することも多くなってしまいます。理想は、「親も子ものびのびと笑顔いっぱいに過ごしたい」はずが、現実の子育て環境はそうではないというケースが決して少なくないのです。子育ての理想と現実、私たちはこの狭間で子育てにあたっていますが、何とかこの孤独感を払しょくし、子育てが楽しいと思えるようにしたいものです。

    私は幼稚園がその問題を解決する一つの糸口になれたらいいと思っています。幼稚園の毎日がお子さんを育てるのみでなく、お子さんを通してお母さんが、あるいはお父さんが、その輪を広げ、共に楽しい子育てに向けて「心と力を合わせられる」仲間へと育っていけるならば、こんなに心強いことはありません。「自分は孤独ではない、夢いっぱいの子どもの将来に向かって歩いて行こう」と思えるような子育てを皆でしていこうではありませんか。

    “IからWeへ”、“私の子どもから私たちの子どもへ”、これからも幼稚園を最大限に活用して、お仲間と積極的に出会い、関わり、共に楽しい子育てに向けた日々を過ごしてまいりましょう。



    ◆今月の聖句 「心を一つにし思いを一つにして、固く結び合いなさい」     (コリントⅠ 1:10)

     私たちはそれぞれに心を持っています。また、それぞれに思いも違います。いくらたくさんの人が集まっても、心や思いが“ばらばら”ではただの烏合の衆であり、意味がありません。反対に、心や思いをあわせられる仲間が集まると、何倍もの力を出すことができます。一人では持てない重い物だってみんなで力をあわせれば運ぶこともできるし、一人では考えられない難しい問題もみんなで知恵を出しあえば解決することができるのです。一人では寂しく、つまらない時だってみんながいればたちまち心強く、楽しくなりますし、面倒くさいことも友達と一緒にやるとみるみるやる気がわいてきます。

     4月から歩んできた毎日は私たちに大切な仲間を与えてくれました。しかもただ顔を知っている、名前を知っている程度の仲間ではなく、“心をあわせられる仲間、思いをあわせられる仲間”なのです。時にはケンカもしたけれど、共に学び、遊んで一緒に大きくなってきた仲間なのです。一人ひとりからは「見えない糸」が出ていて、お友達と仲良くなると糸同士が結ばれます。仲良くなればなるほど、その結び目は固く結ばれていくのです。お友達と、先生と、今ではその糸はきっと固く結びあっていると思います。

     私たちは神さまの子どもです。皆さんも、先生たちもみんな「神さまの子ども」なのです。天にいらっしゃるお父様の子どもとして、私たちは心や思いを一つにいたしましょう。何に向かって一つになるのでしょう?それは神さまがお望みになっている「平和な世界の実現」です。平和な世界とは、争いのない世界、悲しむ人がいない世界だと思います。皆さんには、これから大きくなって大人になっても「平和な世界を造る」一人ひとりでいてほしいと思います。

     最後に、平和を造るために大切な心があります。それは「ゆずりあう心、支えあう心」です。大きくなったみんなだからこそできることの一つに、この心を育てていくことがあります。幼稚園の毎日の中で、お友達にゆずってあげること、お友達を支えてあげることを大切にしましょう。みんながこの心を持つことができたなら、幼稚園は平和な世界となるでしょう。(子どもの礼拝要旨)
                                           
    園長 石川 勇

  • 2016年1月 ⑨オンリーワン2年前

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    ◆愛の中で育つ -⑨オンリーワン-

     2016年がスタートしました。今年も教職員一同、皆さんと共に「子どもが子どもらしく、のびのびと育つことのできる場」を守り、提供できるよう、心と力を合わせて歩んでいけたらと願っております。皆さまには様々な場面でご協力いただくこともあるかと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。健康でゆたかな一年としてまいりましょう。とりわけ、年度の終わりにあたるこの学期は「共に喜びあう3学期」と位置づけて過ごしていきたいと考えています。4月からの歩みを通してこそ感じられる、また1年間、2年間、3年間の関わりの中でこそ感じられる「自分と友達の成長」を共に喜びあう日々を過ごす中で、その喜びが子どもたち一人ひとりの「自信」となって、次なる成長や環境への「意欲と期待」につながってほしいと願っています。

    さて、2000年代を代表する名曲のひとつに、「世界に一つだけの花(槇原敬之)」という歌があります。この歌の歌詞には「花屋の店先に並んだいろんな花を見ていた。人それぞれ好みはあるけど、どれもみんなきれいだね。この中で誰が一番だなんて争うこともしないで、バケツの中誇らしげにシャンと胸を張っている…」とのフレーズがありますが、これらの言葉を通して、人と比べて優越感や劣等感の中で一喜一憂するのではなく、自分に与えられた賜物(自分らしさ)を十分に生かして「自分の花を咲かせるように生きていけばいいんだよ」という作者からのメッセージが伝わってきます。

    子どもの成長に対する考え方にも同じことが言えると思います。つまり、親としてお子さんを見る時に、ついつい(しばしば)周りの子どもと比較して、「あれができていない、これができていない」とお子さんの良い面ではなく、心配や課題ばかりが気になってしまう時もあるかと思いますが、そんな時はもしかすると、(この歌に例えれば)「一番近くに咲いているはずの我が子の花の美しさに目がとまらずに、他の花ばかりに目を向けている状態」になっているかもしれません。子どもにはそれぞれに咲かせている花の色や形が違います。が、しかし、「どれもが美しい」のです。お子さんが咲かせている花(=世界に一つしかない花)にしっかりと目を留めて、その色や形を受け入れ、好み、愛していくことが、その花を「誇らしげにシャンと胸を張らせる」原動力となっていくのではないでしょうか。

     幼稚園で咲き誇るたくさんの花を皆で眺めながら、それぞれの美しさに目を留めて、その違いを豊かさとして受け入れ、一つひとつの成長を心から喜びあえる3学期をご一緒に過ごしてまいりましょう。
     



    ◆今月の聖句 「人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい」 (ルカ6:31)

     ある町に二人の人が引っ越してきました。はじめの人がその町に入ると、一人の老人が椅子に座っています。「こんにちはおじいさん。私は新しくこの町に引っ越してきた者ですが、この町はいい町ですか?」と、その人が老人に尋ねました。すると老人は「あなたの住んでいた町はどんな町でしたか?」と尋ね返しました。「いやぁ前の町はひどい町でした。みんな自分勝手で人の悪口ばかり言って、ようやくこうして引っ越すことができて清々していますよ。」その人がそう答えると、「この町もあなたが住んでいた町と同じくらいひどい町ですよ。みんな自分勝手だし、人の悪口を言う人ばかりです。」と老人は言いました。その人はがっかりしました。

     次の人がその町にやってきました。町の入口に老人が座っています。「こんにちはおじいさん。私はこの町に引っ越してきた者ですが、この町はいい町ですか?」すると老人は「あなたの住んでいた町はどんな町でしたか?」と同じように聞き返しました。「私の住んでいた町は素晴らしい町でした。みんな協力的で支えあい、温かい人ばかりで、本当は引っ越したくなかったのですが、仕事で仕方なくこの町にやってきたのです。」とその人は答えました。すると老人は「この町もあなたの町と同じくらい素晴らしい町です。皆優しく、協力的で温かい人ばかりですよ。」と答えました。その人はとても喜びました。

     「人が周りをどう見るかは、周りの人がその人をどう見ているかの鏡」であることを教えられるお話です。つまり、周りに対して不平不満を持つ人は、周りの人からみてもとっつきにくい存在で、結局どこへ行っても周りに不平不安を持ち、悪口を言う人でしょうし、周りに対して肯定的になれる人は、周りからみても協力的であり、馴染みやすい存在で、どこへ行っても肯定的に過ごせる人です。

     人にやさしくしてもらいたいと思う人は、人にやさしくできる人になりましょう。お話を聞いてもらいたいと思う人は、友だちの話をよく聞ける人になりましょう。自分だったらこうしてほしいと思うことをお友達に対してしてあげられる人になりましょう。今月はこのみ言葉を覚えて過ごしましょう。(子どもの礼拝要旨)

    園長 石川 勇

  • 2015年12月 ⑧わけっこの精神2年前

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    ◆愛の中で育つ -⑧わけっこの精神-
     
     活動の2学期もいよいよ残すところあと少しとなりました。秋を楽しみ、実りに感謝し、一つひとつの経験を経て子どもたちは心身ともに大きく成長しています。個人の意欲と他者への思いやりを高められるような意味のある毎日をこれからも過ごしてまいりたいと思います。

     アドベントに入りクリスマスを待ち望む時を迎えました。幼稚園でもクリスマスツリーやリースが飾られ、教会にはクリスマスクランツが用意されました。お子さんが持ち帰ったアドベントカレンダーの窓も一つ開けられて、各ご家庭においても少しずつクリスマスの訪れを感じておられることでしょう。どうぞお子さんとご一緒に楽しみながらこの時をお過ごしください。ところで、クリスマスは私たちに「分かちあう」ことを教えてくれる時でもあります。クリスマスカードを送りあったり、またクリスマスのごちそうやケーキは、ホール(全体)を「分けあって」食べたりすることが多いのも「喜びを分かちあおうとする」思いの表れです。

    子どもたちの幼稚園生活を観察していると、おもちゃでも何でも、入園したての子どもは「独り占め」しようと友達と取りあい、「いざこざ」が生じることが多いのですが、次第に幼稚園生活に慣れてくると、同じおもちゃでも上手に(平和的に)友達と遊ぶことができるようになります。この成長の根源には「分かちあう」という大切な価値観との出合いと獲得があり、子どもをゆたかに成長させるのだと思います。「独り占め」は争いに、「わけっこ」は平和につながるキーワードであることを思わされる一つの例であります。

     私たち大人社会はどうでしょうか。国内外においても「独り占め」をしようとすることによる争いや衝突がなんと多いことでしょう。いくら「平和」を唱えても、独り占めしよう考えている限りそうはならないどころか、争いは激化していく一方でしょう。「わけっこ」の精神こそが「平和」に続く道であると強く思うのです。

     私たち大人が子どもたちに残すべきものは「平和な世界」であり、教えるべきものは「人を愛する心」であると思います。そのためには大人が率先して互いに愛しあい、支えあって、喜びや悲しみ、苦しみなどを「分かちあえる」環境を整え、子どもたちに伝え、見せていかなくてはなりません。ご家庭においても、幼稚園においても子どもたちに習い、今後とも「わけっこ」の精神を大切にし、何でも相談し聞きあえる仲間(家族)としてご一緒に過ごしていきたいと思います。



    ◆今月の聖句 「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。」(ヨハネ8:12)

      クリスマス礼拝の時に、教会ではしばしばキャンドルサービス(燭火礼拝)がもたれます。暗い礼拝堂に一つのロウソクの火が灯され、その火が会衆一人ひとりに分け与えられていき、やがてはロウソクの光が明るく礼拝堂を照らすのです。ロウソクの火はまた光と共に温かさを与えてくれます。おごそかながら温かみのある美しい情景で心地よく、私の大好きな時でもあります。この「はじめの光」こそがイエスさまご自身であり、また、世を照らす光としてご降誕なさったイエスさまの「愛の光」にふれることで、私たちも生きる希望(光)や愛(温かさ)をいただくことができるのだということをこれらロウソクの火の分かちあいを通して感じることができます。

     イエスさまは愛と平和を私たちに教えて下さる方であり、人生をどう歩んでいけばいいのかを指し示してくださる方です。私たちは弱い存在で、すぐに自分善がりになったり、感謝を忘れてしまったり、人と比較することでしか自分の幸福度を測れなかったりしますが、祈りや聖書を通してイエスさまはいつも私たちに正しい道を教え、示し続けてくださいます。いうなれば人生の羅針盤ともいえるお方なのです。

     私はこの幼稚園で過ごす子どもたちに、神さまと出会い、祈りと出合ってほしいと心から願っています。日々与えられ、護られているからこその健康であり、幸せであることを忘れない大人になってもらいたいと思っています。自分を大切にし、人を思いやれる心を持った人に成長していってくれることを期待しています。そして、どの子どもも「イエスさまの愛の光」に照らされて幸せいっぱいの人生を歩めるよう心の底から祈っています。

     今年も、ご家庭の上に、また世界中の人々の上に、「平和で暖かいクリスマスの喜び」が訪れますようお祈りしています。
     

    園長 石川 勇