園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです

2016年2月 ⑩IからWeへ

2016-02-24 08:27愛の中で育つ

◆愛の中で育つ -⑩IからWeへ-

 今年度の保育もいよいよ終盤を迎えました。2月に入り、インフルエンザなどの流行性疾患も流行っていますが、この時期を特に注意して過ごし、ご家族の健康も含めて皆で健康を守ってまいりましょう。来週には各クラスにおいて「成長を祝いあう会」が予定されています。この一年のお子さんの成長を皆で喜びあう機会としたいと思いますので、どうぞご一緒に楽しみましょう。

 さて、今月は「IからWeへ」というテーマで楽しい子育てを考えてみたいと思います。子育ての悩みベスト3というと、「子どもの将来についての不安」、「しつけに関する心配」、「親自身の子育てのストレス(叱る、イライラしてしまう)」だそうですが、皆さんはいかがでしょうか。一方で、現代の子育て事情で課題となることとして、「孤独の中の子育て」が指摘されています。核家族化の中で、あるいは地域性の崩壊の中で、家庭の中にも、地域の中にも、「相談したり、頼れたりする存在がない」ところで子育てをしなければならない人が多いということです。

孤独感をいっぱいに抱いて子育てにあたるとすれば、「一つひとつを丁寧に」とか、「待つことが大切」とか、子育てを指南する言葉も、「そうできない現実」にかえって戸惑い、悩み、挫折感すら与える言葉となってしまうでしょう。また、将来に対して、しつけに関して、不安や心配が先に立つほど、叱る、干渉することも多くなってしまいます。理想は、「親も子ものびのびと笑顔いっぱいに過ごしたい」はずが、現実の子育て環境はそうではないというケースが決して少なくないのです。子育ての理想と現実、私たちはこの狭間で子育てにあたっていますが、何とかこの孤独感を払しょくし、子育てが楽しいと思えるようにしたいものです。

私は幼稚園がその問題を解決する一つの糸口になれたらいいと思っています。幼稚園の毎日がお子さんを育てるのみでなく、お子さんを通してお母さんが、あるいはお父さんが、その輪を広げ、共に楽しい子育てに向けて「心と力を合わせられる」仲間へと育っていけるならば、こんなに心強いことはありません。「自分は孤独ではない、夢いっぱいの子どもの将来に向かって歩いて行こう」と思えるような子育てを皆でしていこうではありませんか。

“IからWeへ”、“私の子どもから私たちの子どもへ”、これからも幼稚園を最大限に活用して、お仲間と積極的に出会い、関わり、共に楽しい子育てに向けた日々を過ごしてまいりましょう。



◆今月の聖句 「心を一つにし思いを一つにして、固く結び合いなさい」     (コリントⅠ 1:10)

 私たちはそれぞれに心を持っています。また、それぞれに思いも違います。いくらたくさんの人が集まっても、心や思いが“ばらばら”ではただの烏合の衆であり、意味がありません。反対に、心や思いをあわせられる仲間が集まると、何倍もの力を出すことができます。一人では持てない重い物だってみんなで力をあわせれば運ぶこともできるし、一人では考えられない難しい問題もみんなで知恵を出しあえば解決することができるのです。一人では寂しく、つまらない時だってみんながいればたちまち心強く、楽しくなりますし、面倒くさいことも友達と一緒にやるとみるみるやる気がわいてきます。

 4月から歩んできた毎日は私たちに大切な仲間を与えてくれました。しかもただ顔を知っている、名前を知っている程度の仲間ではなく、“心をあわせられる仲間、思いをあわせられる仲間”なのです。時にはケンカもしたけれど、共に学び、遊んで一緒に大きくなってきた仲間なのです。一人ひとりからは「見えない糸」が出ていて、お友達と仲良くなると糸同士が結ばれます。仲良くなればなるほど、その結び目は固く結ばれていくのです。お友達と、先生と、今ではその糸はきっと固く結びあっていると思います。

 私たちは神さまの子どもです。皆さんも、先生たちもみんな「神さまの子ども」なのです。天にいらっしゃるお父様の子どもとして、私たちは心や思いを一つにいたしましょう。何に向かって一つになるのでしょう?それは神さまがお望みになっている「平和な世界の実現」です。平和な世界とは、争いのない世界、悲しむ人がいない世界だと思います。皆さんには、これから大きくなって大人になっても「平和な世界を造る」一人ひとりでいてほしいと思います。

 最後に、平和を造るために大切な心があります。それは「ゆずりあう心、支えあう心」です。大きくなったみんなだからこそできることの一つに、この心を育てていくことがあります。幼稚園の毎日の中で、お友達にゆずってあげること、お友達を支えてあげることを大切にしましょう。みんながこの心を持つことができたなら、幼稚園は平和な世界となるでしょう。(子どもの礼拝要旨)
                                       
園長 石川 勇