園長のつぶやき
毎月の父母会で配布している園長のメッセージです

2019年3月 ⑪コミュニティー

2019-03-08 12:06輝く子どもと共に

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◆輝く子どもと共に -⑪コミュニティー-

 いよいよ一年の保育の歩みが終わろうとしています。この一年間、皆様の温かい励ましとお支えの中で「ゆたかな保育」を展開する事ができました。こどもたちのために、父母会をはじめ、様々なボランティア活動にも積極的に関わってくださり、心から感謝申し上げます。

 さて、今年度の最後となる3月は「コミュニティー」について考えてみましょう。
以前、ケニヤから野生動物の保護活動をしている方をお招きして講演会がもたれ、ケニヤのゾウについてお話を伺う機会がありました。ゾウは社会性が高い動物で、その生涯を自分の所属する群れで過ごすこと、群れには年長者(70歳くらい)から生まれたてのあかちゃんまでおり、その群れは20頭近い規模であること、子ゾウは群れ全体で育て、生きていく知恵やルールなどが時間をかけて教え伝えられていくこと、など大変興味深いお話を聞くことができました。その話の中で、ゾウが近年人間を襲ったり、農作物を荒らしたりする事件が多発しており、深刻な社会問題になっているということを聞きました。元来人間とうまく共生していたゾウが、なぜそのような行動をとる様になったのか?観察や研究が進み、ひとつの事実が分かったそうです。それは、象牙のために密猟者によって「特に象牙の大きい年長者から」殺されてしまう、このことは、ゾウの群れにとっては「生きる知恵やルール」を伝えていくべき存在が突然いなくなるということで、その年長者を欠いた群れで育った(教育を受けていない)ゾウが被害をもたらすような行動をしてしまうのだそうです。長い歴史をかけて人間との間に築かれてきた暗黙のルールが今まさに壊れようとしている・・・。人類の歴史にとっても本当に大きな損失であると思うのと同時に、この日本で生きる「私達の生き方」にも共通するメッセージなのではないかと思いました。

 現代の日本社会はどうでしょうか。「昔のような地域社会」はだんだんと姿を消し、「知らない人には話しかけない」ことが常識のように子ども達に伝えられ、地域から「笑顔とあいさつ」が消えました。近所の個人商店は、すっかりと大型スーパーに押し潰されてしまい、近所の知り合いのおばちゃんやおじちゃんもいなくなりました。つまり、こどもが社会と出会う機会がすっかりと奪われてしまったのです。生活環境が「家庭」と「学校」だけだとしたら、そしてもし仮に家庭教育が十分でなく、かつ学校が教育カリキュラムに追われているような状況であったとしたら、こどもたちはどこで「社会のルール」や「生きる知恵」を学ぶのでしょうか。最近の若者の特徴として、無気力、無関心、自己中心的、我慢を知らない、普通の子がキレる・・・などが挙げられます。しかし、幼い時から「社会のルール」や「生きる知恵」を教えられていないのだとすれば、自己中心的に行動することも、周りには無関心で、無理強いされればキレるのも何となくうなずけるのです。そして、その姿は上記の「問題を起こすゾウ」の姿によく似ているように思います。

 コミュニティーとは、まさにゾウでいう「群れ」にあたります。群れの中で育つ事によって、ゾウが自然と生きる知恵やルールを身に付けていくように、人間も群れの中で育つ事によって、たくさんの知恵やルールを学び、時には自分よりも小さな存在を守る、教えるなどの経験も積んでいくのだと思います。そのような環境の中で、例えば、「自分勝手ではないが、自分らしい生き方」や、「自分を守りながらも他者と生きていく術」、「分相応の幸福感」など・・・、自分にも周りにもコントロールの効いた「等身大の生き方」を見つけていくことができるようになるのではないでしょうか。

「今、私はどんな群れの中で生きているのか?」この機会にご自身に問いかけてみるのも良いかもしれません。そして、自分自身が「今もなお生きる知恵を学び、伝えているか」あるいは、「どんな群れであれば生きる知恵を伝えていけるのか」、「生きる知恵とはどんなことだろうか?」といったことを是非考え、皆さんの話題にしてみてください。なぜならば、こうした取り組みや行動こそがコミュニティー作りの始まりだと思うからです。願うような環境はどこにでもあるわけではありません。しかし、願う気持ちと仲間が集まれば誰にでもその環境を作ることができるのです。まずは一人より二人(IからWe)へ願いを広げてみてはいかがでしょうか。



◆今月の聖句 「愛する者たち、わたしたちは、今既に神の子です。」(ヨハネⅠ 3:2)

 幼稚園では週にいっぺん、こうしてみんなで礼拝堂に集まり礼拝を守ってきました。礼拝では、讃美歌を賛美し、皆で心をあわせてお祈りし、献金をお捧げして、聖書のみ言葉を覚えて、そのお話を聞いてきました。それぞれのクラスでも毎日お祈りや賛美をお捧げしてきましたね。

 みなさんの頭の中には讃美歌や、聖書の言葉、きれいなメロディー、お祈りやお話の内容などがきっといっぱい入っていることでしょう。そして、一人ひとりの心の中には「神さま」がいらっしゃることに気がつくと思います。皆さんはこの一年、礼拝に参加し、その経験を積み上げながら「神さま」を知り、神さまの「愛」に触れてきたのです。ですから、この聖書の言葉の通り、今、もうすでに皆さんは神の子どもなのです。

 神さまを信じて生きていくことを「信仰をもって生きる」と言います。心の中にいて下さる神さまといつも対話をして、うれしい時も、悲しい時も、心配な時も、怒りに震える時も、いつもいつも神様を信じて生きてまいりましょう。私たちの神さまは、愛の方です。自分の命や心を大切にして、お友達と仲良くして、互いに助け合い、理解し合って平和を創り出してまいりましょう。これこそが「神の子」として神さまに喜んでもらえる生き方だと思います。
(子どもの礼拝要旨)

園長 石川 勇

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